カレンダーの全ての日が
2024.05.20
ぺぎんの日記#50
「カレンダーの全ての日が」
カレンダーの全ての日が、誰かの誕生日であるといい。
中3の頃からスマホアプリのカレンダーを使いだした。
アプリのカレンダーというのは便利なもので、周期的にやってくるイベントを一気に設定できたりする。
それこそ誕生日を、例えば「2024年1月1日」に設定して、「繰り返し」の項目を「毎年」に設定すると、次の「2025年1月1日」にも誕生日の表示がされるようになる。
このカレンダーアプリを使い始めてから、私は人の誕生日というものに凄く執着するようになった。それまでは「どうせ聞いても覚えてられないし」と思って誕生日文化を毛嫌いしていたのだが、管理ができるようになった途端、誕生日がとても素敵なものに思えるようになった。
要するに私は記憶力が無かったというだけの理由で、誕生日を嫌っていたのである。
じゃあなんで誕生日が好きになったか?
だって素敵じゃないですか。朝起きてスマホを見たら「今日は〇〇さんの誕生日です」って通知が来てるの。
誕生日ってだけで、(おそらく)その日は何もない日でも、当人にとってはきっと心躍る日になる。
そんな一日を私も一緒に生きれているということ。それが嬉しいことだなって、いつの間にか思うようになっていた。
知り合いが365人いたら、毎日が誰かのバースデーになるだろうか。
気づけば私は、知り合いの誕生日を片っ端からアプリに打ち込んでいた。
でも日付はなかなか埋まらない。
多分私の「知り合い」でいうと、500人近くいるような気がする。でもその知り合いの中で「誕生日を知っている人」となると、せいぜい100人くらいしかいなかった。
しかもその100人というのも、Instagramのアカウント名から推測したり、クラスに貼ってあった誕生日カレンダーから見つけてきたり、誕生日順に並ぶアイスブレイクのときに何人か分覚えたりと、地道にやっとこさ見つけてきた誕生日なのである。
私は他人について何も知らないんだなと、改めて考えさせられる。
何も知らないから、知っていきたい。
誰かの誕生日の情報が入ればすぐにメモしておき、カレンダーに追加する。
2年ちょいそれを続けて、ようやく密集してるときで「5日間連続誰かの誕生日」みたいなゾーンが増えてきた。
365日誰かの誕生日も夢じゃない。
クラスメイトの誕生日。自分のために精一杯のおめかしをして入ってくるバースデーちゃんが可愛い。
先生の誕生日。誰かに言われないかと期待して教室に入ってくるのに、授業中誰にも祝われず、教室を後にするバースデー先生の背中が可哀想で面白い。
遠く離れた場所で頑張ってる人の誕生日。バースデーさんが元気にしているかなと思いを馳せる。
明日も明後日も、きっと誰かの誕生日。
明日も明後日も、きっとすっごく素敵な日。
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