見出し画像

【時々エッセイ】猫の手ざわりは魔法でできている 12

寝ている私の頭を、爪を出したままマッサージして飯くれアピールで起こす。
13年間ずっと続いているジョルジュの日課です。
最近はモネが私の頭のすぐそばに来て大音量で鳴きながら起こすことが多く、そういう時は迫力に気おされるのか遠慮するのか、どこか別の場所で待機しています。
この場合は原因がわかっているからいいのですが、理由もわからずやめられると焦ります。
一年前の事です。突然、頭に猫の爪が食い込まない朝があって、何事かと思いました。

冷蔵庫の飛び乗る元気があった頃

いつものようにルネとモネとジョルジュにご飯をあげたのに、ジョルジュだけが食べません。その前に一回、病気で食欲がなくなったことがあります。でもその時は、一週間くらい前に健康診断を受けて問題なし良好と言われたばかりでした。何とか食べてもらいたいと、ドライとウェットフードの混合朝ごはんを下げてウェットだけあげましたが、見向きもしません。伝家の宝刀ちゅーるをあげても食べません。
ジョルジュがちゅーるを食べないというのは、太陽が西から登るのと同じです。気が動転して、どうしたらいいかわからなくなりました。
何も食べない時間が長くなると人間にとってはちょっと不健康なダイエットですが、猫だと命の危険につながります。とりあえず、手や顔を近づけると舐めるジョルジュの癖を頼みの綱に、指にちゅーるを付けて近づけました。それだと舐めて少しずつは食べてくれます。かなり時間はかかりますが、その方法で総合栄養食ちゅーるをなんとか一日に一本分食べさせて、土日だったので週明けを待って獣医に行きました。
原因はわからず、背中に点滴を注入して胃腸を活性化するという方法が取られました。家に帰り、夜が来て朝が来てジョルジュの胃腸は活性化されず、また獣医に行く羽目になりました。点滴液が毎回3000円。もう経済的に無理かもしれないと思い始め、ペットゴーで最後の望みのビタミン液を買ってそれが届いたあたりで、何の前触れもなく急にジョルジュの食欲が戻りました。
その後しばらくは、爪出し頭皮マッサージで起こされるたびに「お腹すいてくれてありがとう」と言いながら飛び起きていそいそとご飯の準備をする日々が続きました。
今は、飛び起きはしませんがなるべく要望に沿うようにしています。布団を頭からかぶって防御することはなくなりました。欲しがるたびに与えるのは健康によくないけど、食べたいアピールほどありがたいものはないです。
何も食べてくれないと途方に暮れるし、獣医に連れて行って毎日3000円ではどんな大食いの猫よりお金がかかります。

仲良し猫は癒し効果1・5倍

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?