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子どものアトピー性皮膚炎において、タクロリムス(商品名プロトピック)外用薬は、弱いランクのステロイド外用薬よりも効果が高いかもしれない|2024年6月22日

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

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アトピー性皮膚炎の治療薬として使われるタクロリムス軟膏。小児用のタクロリムス0.03%軟膏は、ステロイドに比較して効果や副作用に違いはあるでしょうか?

■ 現在、小児のアトピー性皮膚炎に使用できる抗炎症薬は、ステロイド外用薬以外に3種類あります。


■ この3種類の中でもっとも古い外用薬がタクロリムス軟膏になります。

古いと劣っている、というとそういうわけではありません。それぞれメカニズムが異なり、タクロリムス軟膏が有効な場面も多くあります。

■ たとえば、顔面病変や上半身などは、『刺激感が許容できれば』有効性が高いと言えるでしょう。


■ タクロリムス軟膏は、ステロイド外用薬に比較して皮膚の菲薄化(薄くなる)などの副作用がすくなく、III群クラスのステロイド外用薬が4週間連続して毎日塗ると皮膚が薄くなるのに比較して、その副作用がないことがしられています。

■ とはいえ、これまでは成人用の濃度であるタクロリムス0.1%軟膏とステロイド外用薬の比較が中心でした。小児に使用される0.0.3%の濃度における研究はすくなかったのです。

■ そして最近、小児の濃度であるタクロリムス0.03%軟膏とステロイド外用薬の比較試験がランダム化比較試験で公開されていますので共有します。


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