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アトピー性皮膚炎の全身治療として、内服JAK阻害薬とデュピルマブのどちらが短期的な有効性が高いか?|2024年7月2日

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

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アトピー性皮膚炎の全身治療には、内服薬や注射薬があり、特定の分子を標的とする抗体薬やシグナル伝達を阻害する低分子薬があります。

■ アトピー性皮膚炎に対する、全身治療が発展してきています。
■ 全身治療には、内服薬や注射薬があり、炎症を引き起こす特定の分子を標的とする抗体薬や、特定のシグナル伝達を阻害する低分子薬があります。

■ すなわち、デュピルマブ(抗IL-4受容体α抗体)、ネモリズマブ(抗IL31受容体抗体)、トラロキヌマブ(抗IL-13抗体)、バリシチニブ(JAK1/JAK2阻害剤)、ウパダシチニブ(JAK1阻害剤)、アブロシチニブ(JAK1阻害剤)が主なところでしょう。

■ 特に、内服JAK阻害薬と生物学的製剤の選択を考えることが多いです。

■ しかし、全身治療の直接的な比較研究は限られています。
■ これまでの研究には、Heads Up試験(ウパダシチニブ30mg対デュピルマブ)やJADE COMPARE試験(アブロシチニブ200mg/100mg対プラセボおよびデュピルマブ)があります。
■ そして、Heads Up試験では、ウパダシチニブ30mgがデュピルマブよりも有効性が高いことが示され、JADE COMPARE試験では、アブロシチニブ200mgがデュピルマブに対して早期の痒み緩和において優れていることが示されました。

Blauvelt A, Teixeira HD, Simpson EL, Costanzo A, De Bruin-Weller M, Barbarot S, et al. Efficacy and Safety of Upadacitinib vs Dupilumab in Adults With Moderate-to-Severe Atopic Dermatitis: A Randomized Clinical Trial. JAMA Dermatol 2021; 157:1047-55.

Bieber T, Simpson EL, Silverberg JI, Thaçi D, Paul C, Pink AE, et al. Abrocitinib versus Placebo or Dupilumab for Atopic Dermatitis. N Engl J Med 2021; 384:1101-12.


■ このテーマの研究の一つとして、アブロシチニブとデュピルマブの比較研究をあらためて確認しました。


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