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頭頸部のアトピー性皮膚炎患者は、マラセチア特異的IgE抗体価が高い|2024年7月23日

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

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夏季のアトピー性皮膚炎悪化要因である汗中のマラセチアと、頭頸部型アトピー性皮膚炎との関連性とは。

■ 今年も暑い夏ですね。
■ アトピー性皮膚炎にとって、日光や汗は、悪化要因とも改善要因ともとれるのですが、さすがにここまで日光&汗が多くなるような過酷な環境では、悪化要因となりやすいといえるでしょう。

■ 悪化要因の面から汗の中には、マラセチアという真菌アレルゲンが含まれていることがわかっていることなどから、『長く皮膚に止めない』ことを考えることになります。


Hiragun T, Hiragun M, Ishii K, Kan T, Hide M. Sweat allergy: Extrinsic or intrinsic? J Dermatol Sci 2017; 87:3-9.
Murota H, Yamaga K, Ono E, Katayama I. Sweat in the pathogenesis of atopic dermatitis. Allergol Int 2018; 67:455-9.


■ 皮膚常在真菌であるマラセチア属に対し、アトピー性皮膚炎のある患者さんは多くが感作されています。

■ そしてマラセチアは、顔面や頭皮に多いことが知られています。

Prohic A, Jovovic Sadikovic T, Krupalija‐Fazlic M, Kuskunovic‐Vlahovljak S. Malassezia species in healthy skin and in dermatological conditions. International journal of dermatology 2016; 55:494-504.

■ ですので、頭頸部が悪化しているアトピー性皮膚炎のほうがマラセチアに感作されやすいとも考えられます。
■ 逆に言えば、マラセチア特異的IgE抗体が、頭頸部が悪化しているアトピー性皮膚炎を予想するかもしれないという考えも成り立つでしょう。

■ そのような背景のもとに行われた研究があります。

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