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2023年3月11日 季節性アレルギー性鼻炎に対するステロイド筋注は、糖尿病や骨粗鬆症のリスクを上昇させる

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■ 今年は花粉の飛散が多く、『とにかく早く良くなりたい』と思う気持ちがでてきることも確かでしょう。

■ そのような中で、ステロイドの筋注を選択するひともでてくるかもしれません。

■ 2005年の報告ですが、季節性アレルギー性鼻炎に対するデポステロイド注射は、デンマークでよく使用されていたそうです。
■ そしてある研究では、デンマーク全人口の0.66%が毎年デポステロイド注射を受けていると推定されています[1]。

Stubbe Østergaard M, Østrem A, Söderström M. Hay fever and a single intramuscular injection of corticosteroid: a systematic review. Primary Care Respiratory Journal 2005; 14:124-30.


■ 花粉症に対して使われるステロイド筋肉注射薬は、トリアムシノロンアセトニド(商品名ケナコルトA)という薬です。トリアムシノロン1本に含まれるステロイドは、一般的に使用されるプレドニゾロンに換算するとなんと250mg(一般的な錠剤50錠)にもなります。

■ そして、トリアムシノロンは溶けにくいステロイドであり、長くゆっくりと溶け出し効果を出します。
■ トリアムシノロンの血液の濃度は、5日間でようやく半分になり、その後も2週間から3週間も効果が続きます。

日本内分泌学会雑誌 46(6)654-658,1980.

■ そのようなステロイド筋注はさまざまな副作用を起こします。


■ たとえば、皮膚の萎縮です。
■ これは患者は29歳の女性のデポステロイドによる副作用として起こった皮膚の萎縮を示した写真です。

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