迫り来るロシアンエンタメの滅びを防ぐために【by LittleBigのファン】

 ロシアのおバカレイヴバンド、LittleBigのファンになってから早いもので数年になる。彼らに関する過去記事はかなり昔に書いたものだが、未だに見てくれている人たちがいるようで非常にありがたい


 この記事を書いた頃は、まさか世界情勢がこんなことになるなんて思ってもいなかった。

 LittleBigの作風は所謂ブラックジョーク系のものだ。某国の総書記とミサイルがイチャついている曲があるくらいなのだから、ハチャメチャにふざけまくっているのは一目瞭然である。不謹慎と言われればそれまでだが、私はそんな彼らの作品をこよなく愛しているのである。

そんなLittleBigには現在危機が訪れている。いうなれば、ロシアンエンタメ全体の危機とも言える。

平和だからこそ享受できた「不謹慎」

 まず、彼らの作風が「許されざるもの」になってしまった。戦争、兵器、現役の国のトップですらネタにする彼らの楽曲だが、ほんの数ヶ月で「ブラックジョーク」から「タブー」になってしまったのだ。これらを現役評価しようものなら、戦争賛成派のレッテルをはられ社会から孤立してしまう。そういった世情からなのか、それとも国からの圧力があるのか、あるいは両方か。多いときは1ヶ月に1曲のスパンで新曲を出していたLittleBigだが、2021年の9月を最後に動画の投稿は止まっている。

 彼らの作品がコンテンツとして「許される」ものとして帰ってくるには、恐らく数十年単位の時間が必要だ。勿論、帰ってくる保証はどこにもない。

なんなら、このまま消滅してしまう可能性が高いだろう。私はそれを無力に眺めることしかできない。


「ロシア忌避」

「忌むべきものを避ける」

 読んで字の如く。ロシアとの関わり、ロシアのロと口にすることすら何だか悪い事のような気がしてくる。その結果、ロシア文化に矛先が向く。

 バレエの大会が無くなった、ロシア料理店が嫌がらせにあった、などの例を聞く。

 馬鹿な話だ、とも思うが無理もない。戦争を「何とかできる」のは当事者を除けば首相などの限られた人々だけだ。我々一般人の手の届く範囲では、「ロシア忌避」ぐらいしか「やってる気」になれるものがない。

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 当ブログにはこんなメッセージが出てくる。ふんわり包んではいるが、「この記事にはロシアのロの字が含まれています!大丈夫ですか?」である。

LittleBigを応援することは戦争賛美なのか?

 これははっきり違うと言える。

 2022年2月24日、LittleBigのFacebookにこんな投稿があった。

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 そして、この投稿が「確認できる最新のアクティブ」である。Twitter、Youtubeともにこれ以降の投稿は見られない。

 今彼らがどんな状況にあるのか、ただでさえ日本ではマイナーなこのバンドの動向を知ることは中々難しい。

 ただひとつ分かるのは、この戦争が着実にLittleBigというコンテンツを殺しに来ているということ。

そして、その手はロシアンエンタメ全体にも及ぶ可能性があるということである。

私は、LittleBigを応援することを恥と思いたくない。全てのロシアンエンタメのファンが救われることを願ってやまない。

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