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脳圧に影響する因子

さて、結局本日も予約機能なんて使えず、、滑り込みの生活です。昨日は産婦人科の病院で災害対策のお話しをさせていただきました。また改めてご報告します。

本日で一旦、脳圧の話は終わりにしようと思っています。

脳圧の管理目標

現時点では推奨にとどまっていますが、ガイドライン上は以下のようになっています。

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実際には ICP モニターを挿入していないことも多いので、これらを意識しながら、できるだけ脳圧を挙げない、できたら下げる、戦略をとることになります。また、このガイドラインは頭部外傷に対するガイドラインですが、現実的には脳炎、痙攣などでも同様の機序で二次性脳損傷が起こってくると考えられていますので、目標としては同様のことを意識します。

ただし、脳炎/脳症でICPモニターを行うことの効果を明確に示した論文はありません。

脳圧に関わる因子をコントロールする

その他に脳圧に関わる因子には、以下のようなものがあります。

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したがって、必要に応じて鎮静鎮痛を行い、体温や呼吸を調整する必要があります。

特に小児科の先生方におかれましては低張液(いわゆる維持輸液)の使用には特にご注意頂ければと思います。血中のナトリウム濃度は細胞浮腫にダイレクトに反映されます。ナトリウム濃度にはご注意下さい。(輸液の基本ですが、[Na+]<140 mEq/L 以下では細胞内に水分が流れ込みます)

【参考文献】

Pediatr Crit Care Med 2019; 20:S1–S82



小児科、小児集中治療室を中心に研修後、現在、救命救急センターに勤務しています。 全てのこども達が安心して暮らせる社会を作るべく、専門性と専門性の交差点で双方の価値を最大化していきます。 小児科専門医/救急科専門医/経営学修士(MBA)/日本DMAT隊員/災害時小児周産期リエゾン