どんなチャンスにもYESを|映画『イエスマン"YES"は人生のパスワード』感想
原題『Yes Man』
最近の私は"NO"マンになっていないか
映画の冒頭で友達の誘いを言い訳で断り、夜は一人で自堕落に、変わり映えしない日々を送るカールの姿が自分に重なった。コロナ禍で私は外出も友人も遠ざけてしまっていた。第三者視点で見るカールはかわいそうな人に思えたが、自分にも当てはまると考えると途端に決まりが悪くなった。これまでは自分がしたいことだけをする生活に不満がないように感じていたが、交友のない生活は自分から見ても「かわいそう」だと思うことに気が付いた。特殊な状況下に置かれているとはいえ、すべてのことに"NO!"を言う必要はないはずである。工夫をすれば何かしらに挑戦できる。それを怠けていた私は、正真正銘NOマンだった。
かつては"YES"で道を拓いてきた
思い返してみると、高校時代アメリカに留学したときはYESマンになれていた。部活動、教会の聖歌隊、Show Choirのオーディションに参加、興味のあることにはすべて"YES!"を言ってきた。その結果、所属したバスケットボール部は州大会で優勝、教会では世代を超えて友人ができ、Show Choirでは憧れていたステージで歌って踊ることを体験できた。これらはすべて、目の前のチャンスに委縮していたらできなかったことである。「やりたいことすべてに挑戦する」と志していたYESマンの私は、欲しいものを思うまま(あるいは、それ以上)に手にしていたのである。
"YES"は自分では避けてしまうようなチャンスへの鍵
こんな風に人は意図せずともチャンスを選り好んでいる。しかし、今の時点でどのくらいの景色が見えているだろう。自分にとっては最悪な選択肢に思えても、実は最良の結末を導くきっかけだったということもある。その逆も然り。やりたいことがあればそれに傾倒して他の道に目もくれなくなるし、不可能だと今思っていることでも実は達成が容易なこともある。要するに、可能性に自分を開いておくことがとても重要。温めておいた点と点がつながることが、予想だにしない結末を招くかもしれない。だからこそYESと言うことには自分で想像できる範囲を超えた、無限大の可能性が秘められている。
まだまだ感染症対策で「NO」を強いられる今日。忘れかけていたチャンスに自身を開いておくことの重要性をいま一度考えてみてはどうだろう。「到底できない」と思うようなことでも、やり方を変えてみれば案外簡単に叶うかもしれない。
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