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年賀状に込めた想い

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

元日は例年のごとく実家に帰るのだが、その道中、車窓から真っ白に輝く富士山が見えた。ここ数年というもの毎年元日は青空が澄み渡るような良いお天気なので、電車に乗る時も富士山が見える方の席に自然と足が向く。元日に目にする冬の富士山は最高に運気が上がる気がするのである。

実家に行っても食べるかテレビを見るかしかすることがなく退屈になるのが常だが、今年はすることがあった。昨年のうちに出せなかった年賀状を書くという作業である。宛名は印刷したので、あとは裏面を完成させるだけ。裏面は和紙とスタンプで仕上げる。そしてそれぞれに一言をしたためたら完成。110枚近い年賀状を書き切った。なんて、褒められたものではない。やっぱり年賀状は元旦に届けたいもの。今年の年末は早めに取り掛かることをここに誓おう。

黄昏時に実家のベランダから見えた富士山。

午後4時過ぎ、大きい地震があった。けたたましい警報の後、一呼吸おいてからグラグラと揺れ出した。実家のある狭山市は震度4。かなり長い間、揺れた。これはどこかで大きい地震があったのでは? つけっぱなしにしていたテレビから安全を確保するよう必死に訴える声が聞こえてくる。能登半島で震度7。津波が日本海側に押し寄せたことを知る。東日本大震災の惨事が頭をよぎる。

そんな時に「楽しいことがたくさんありますように」などと暢気に年賀状にしたためるのはなんとなく後ろめたい。それでもやめずに書いていくうちに、祈るような気持ちになっていることに気が付く。
平和な一年になりますように…
良い年になりますように…
元気で過ごせますように…
それは希望であり、願いであり、切実な祈りだ。

年賀状で私たちはその年の良い出来事を予祝する。一枚の紙に込めた想いが書き送る相手だけではなく、今、寒さに凍えながら必死に不安と戦っている被災地の人たちへ寄り添うように届いてくれたら…。
こんな時こそワンネスを信じたい。