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リソースはだいたいオッサン〜梨子、キャリコン合格へのRPG

4カ月間のキャリコン養成講座の
終了日はなんだか浮ついた空気で

まるで大学のゼミを思い起こさせるような、
でもどこか不安を隠すような高揚感に包まれていた。

私は、講座の女性講師が好きだった。
お気に入りのセーターを着ていったら
「とても似合っているわ!」
と言ってくれたから。

サヨナラのとき、先生とハグしたんだ。
こそばゆいけど、不思議と嫌じゃなかったんだ。

先生は最後にこう言った。
「木々さんには、理論が必要なんだろうね」
え、理論?
理論??
それって、どういう意味ですかー!??

私は、その言葉の意味を探す冒険に出たんだ。
合格という宝だって欲しいしさ。


~リソースはだいたいオッサン〜
梨子、キャリコン合格へのRPG


キャリコンには、実技試験があり
ロープレの練習相手を見つける必要がある。
毎度、数回前の国キャリ合格者が、
講師のサポーターとして付くのだが

私、その方にお聞きする。
「●●さんが受験生のとき、どうやって練習相手を探してましたかぁ!??」

ほんでまぁまぁハッキリ聞く。
「マンパワーとの兼ね合いでお話しにくい部分もあるかと思いますが、マン
パワーの直対以外で!!」

少し回答に時間が欲しいとのことだったのですが
マンパワーのOB生に練習を見てもらっていたので、
その方をお繋ぎしますね!

と、なんとご紹介いただけた。
我々クラスをまるっと面倒見ていただけると言われた。

ウキウキして連絡をとると
「大阪では、別にもう1クラスありますので、2クラスまるっと面倒みます!」
と言われた。


なんや、このオッサンんんん!
強ぉ!!!


この、おっさんYは
資格合格後、受験生サポートとして試験対策の研究を進めながら
(当時は)無償で学びの場を提供していた。

別クラスの生徒さんを探し出し、調整し、ライングループに誘導し、と
コミュ力がみみずの私にとっては
まぁまぁの負荷だった。


(タダより安い話はないんや、、)
と思うのと同時に
“幹事”として別クラスにまで自分が広く発信することになり
(こんなにシャカリキにイキって発信してるやつが落ちたらマジで恥ずかしい、どうしよう!!)
という不安がつきまとった。

ようやく迎えた、初回の練習会で
私のZoomルームに入ったのが、
おっさんSだった。

ひとしきり、メンバーのロープレを終えると
そのロープレの結果なぞ最初からなかったかのような
いやむしろ、「出来栄えなんか想定されていたような」

まるで他の人の話なぞ聞いていないリズムで語りだす。
それは、できれば1.7倍速で聞きたいリズムだった。

「みなさん     ロープレ試験に必要なのは      理論です」
でた!!!
理論!!!


おっさんSは、おっさんYと同じく
キャリコンの試験を研究し、受験生を支援しておられる方だった。

「えーとですね、例えば
●●というケースがあったとします。
そのときは、◯◯の理論ですね。」

私はその話を聞いて、夢中でノートを書いた。
その日の夜も、ノートに書いて書いて、書きまくった。
そのノートは、試験日まで大切に
ロープレ前には見返すノートとなった。


突然だか、キャリコンの試験では
ロープレ練習以外にも「リソース」を自分で調達する必要がある。

過去問だって、直近3回分のみしか公開されておらず、
それより遡るとなると「知り合いにもらう」必要がある。

論述の回答例も、オフィシャルのものがないので、
点数取れたらしき回答や
点数とれた人が作った、点数のとれそうな回答を手に入れる必要がある。

ロープレだって一人の学習には限界がある。

社労士試験は金があれば問題はいくらでも簡単に手に入るし
自分がゴリゴリ、勉強と向き合える時間を、自分のタイミングで取れれば
自己完結したものだったから

ヒトとヒトとの繋がり素敵やん
的なこのシステムにまず、つまずいた。

が、おっさんS  つよい。
「僕の共有フォルダ全部(過去問、解答、論述解答例)あります!いつでも見に来てね!!!」


しゅごいよお
ありがたいよお
試験日前、マジで毎日フォルダつかったよお

ありがと、、
金と自分だけの力技だけじゃ、どうにも出来ない世界の中でコミュ力極貧の私が

リソースをなんとか手に入れると
「やった、、やったぞ、、」て気になった。
そうして、
おっさんYとおっさんSの、
ロープレ特訓は試験直前まで続いた。
他にも大勢のホルダーさんが練習にお付き合いくださった。

ロープレの回数を重ねても、
いや、重ねれば重ねる程、
不安が増していった。

だって私、結局多田塾で学んだ、あるある事例に
個別のケースを振り分けて
ほんでオッサンSの指導のもと
理論を当てはめて
今まで学んだ定形返答と定形質問を繰り返していたから。

試験ではそんなん通用しないんじゃないか
私が、あるあるで類型した結果の、定形回答を繰り出して
そんな付け焼き刃のテクニックじゃダメなんじゃないかって
小慣れていけばいくほど、不安だった。

いよいよ、面接試験が今週末と迫った
最後の練習には
おっさんYと、最後まで諦めない、おっさん達がZOOMに集合した。
気心しれた受験生仲間のおっさん達に見守られながら
私はロープレ練習に挑んだんだ。
終わってからの
おっさんYのお言葉。
「木々さん、目の前にいる、、
今ここにいる、目の前にいる相談者と向き合っているというのが、伝わりますね」


私、このフィードバックに心底驚いた。

キャリコンロープレの、あるある早く言いたい状態の私が
目の前の相談者に向き合えている・・・?


先生、あのね。
なんであのとき、先生が私に、理論が必要って言ったのか
わかんなかった。
それでね、何回ロープレ練習しても結局わかんなかった。
経験代謝も、意味の出現も、わかんなかったよ。
だけどね、先生の教え子のOBのおっさんがさ、
沢山武器をくれたからさ、
私それもって 試験会場に行ってくるね。



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