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抱っこして欲しい


うちの女の子の猫様は、たまに朝イチでキレていることがある。「ミャ〜オ」となぜかプンスカしているのだ。

お腹が減っているわけでもなく、撫でようとしても逃げていくし、また遠くから「ミャ〜オ」と恨み節な眼差しで見てくる。前日に何か悪いことでもしたかなと思い、「なんで?」と妻に聞くと、「え?抱っこして欲しいからやん」と、そういう事らしい。


試しにひょいと持ち上げて、ギュギュッと抱きしめてみる。すると「グルグル… 」と喉を鳴らし、とても満足している。1分ほどで「プンッ!」私の腕から飛び降り、スタスタと歩いていく。「?」マークの私のことはもうどうでもよいらしく、離れた場所でペロペロと、毛づくろいに没頭している。


朝イチでキレられて、言われるがままに抱っこして、「もう、分かってないわねー」とすぐにどっかに去られてしまう… 。このやり取りは不定期にやってくる。特にとても急いでいる朝や、やるべきことに追われている時にやってくることが多い気がする。


「なんで分からないの?」と妻からの追い打ち。「女心が全く分かってない」と、私はダウン寸前だ。妻いわく、愛情の確認は大切だとのこと。特に余裕のない時こそ、「ワタシのこと」を気遣えるかどうかがポイントなのだと。


とても納得いく答えのような気がして… それでも何かちょっと腑に落ちない弱気な男心… 。女の子は守られてる感、愛されてる感が大事なんだよな、わ、分かったよ… 。



年齢を重ねると、誰かに抱っこしてもらえることはほぼ無くなってしまう。あの安心感、確かに良かったような… と微かな記憶も微かすぎる。


これはもう、今度誰かにお願いして、抱っこしてもらおう。



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