見出し画像

だからって歌が上手いわけじゃない。


生家は客商売をやっていました。
店の中では、おそらく地元局の、リクエストありのラジオ番組が朝から晩まで流れていたせいで、
私は生まれた時からずーっと、何がしかの曲を聴いて育ちました。

子供の頃は演歌や歌謡曲、
中学の時に仲が良かった子が吹奏楽部で、そこからクラシックにもハマり、
流行りのJ-POPも勿論押さえ、
高校ではアニメ好きの友達からアニソンを覚え。

結果、幾つになっても、音楽を常にごった煮で聞く癖が抜けません。
(今手持ち曲をフルシャッフルしてみました。
イマジン⇒アイドル⇒スピーチレス⇒墾田永年私財法⇒ワインレッドの心⇒恋風邪にのせて⇒ノミック⇒Overdose)

さて、前回「顔と名前が覚えられない」と書きましたが、それはこの話の伏線です。

脳の欠陥というか偏りのせいで、多分「人の顔」と「名前」に関する記憶力のリソースが、全部「音楽」に割かれているようです。
1000曲以上のイントロ、歌詞、タイアップ情報。
それだけなら無駄な博識で済みますが、
カラオケで歌ったシチュエーションまで覚えているのでタチが悪い。
「彼氏と別れた時に友達とガンガン歌った『シングル・アゲイン』」
「初対面の男に『65点』とか点数つけられた『桃色吐息』」
なんて、忘れたいのに忘れられない忘れさせてほしい。

更に「誰が前にカラオケで何を歌ったか」も、さすがに全部ではないですが覚えています。「あなた、20年前にカラオケで『飾りじゃないのよ涙は』を歌ったよね」とか言えますが、口に出したらさぞや不気味がられること請け合いです。
(あ、会社員だったころはこのスキル、役に立たなくもなかったんですよ。
「こないだ課長が歌った『野風増』もう1回聴きたいです」とか)

そしてこの無駄な記憶力により、
「自分が過去(大体10日くらい)にこの曲を聞いたかどうか」も覚えています。
その代わりというか、だからというか、基本、体を動かす作業中(歩く、料理をする、シャワーを浴びるなどの時)は常に曲を聴いていたいのですが、1回聴いた曲はその後1週間は再生したくなくなってしまいます。

AmazonMusicで手持ちの曲をフルシャッフルしても、段々「あ、これ聴いた、これも聴いた」が増えてしまい、一々スキップするのが面倒に。

何か聴いたことのない曲を入れたい。でも、それができるのは、曲を聴いている時ではなく、落ち着いて座っていられる時なんですよね。そんな時間はほぼレポートを書いている生活がここのところずっと続いていまして、インプットが増えないままアウトプットが増えていき、ちょっとフラストレーション。

今回のオチは、タイトルの通りです。というか、上手い人はいつでもどこでも、好きな曲を自分で歌うんです。でも私は、自分で音がずれている事に気づかないレベルの音痴です。故に、偏執狂的に曲を手元に置く努力をしなくてはならない、さても難儀なアタマとココロです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?