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孤独と団欒

今週は忙しい。

父親の四十九日も近づいているので、実家と自宅の行き来があるせいだ。

昨日、息子福山にラインを送った。

そろそろ息子福山の大学が対面授業を始めるというから、明日は、家にいるのかと問うた。

米が無いと返信がくる。

「米は買っておいて」と返信し、米に合うもの考えて買って帰ると返信した。

そして、昨晩の事、夜、不安になった。

いつものように階段の電気をつけたまま、2階の部屋で眠りにつこうとするのだけれど、眠れない。

あまりにも静かすぎるからである。

いつもだったら、車の音とかしそうなのに、シーンと音を立てそうなくらいの静寂であった。

テレビをつけてみたりもしたが、眠気が起こらない。

「お〜い。」と一階からの父親の声もしないから。

帰りたいと、涙が頬を伝う。

自宅に帰りたいと気持ちが動く。

追加の睡眠導入剤を服用する。

でも、不安の心のサワサワは収まらないので、不安薬も追加した。

そして朝を迎えた。

淡々と用事を済ませ、父親に、またすぐ戻ってくると報告して、自宅を目指した。

白米に合うものって何だろう?

しらす。

しらすを探そうと、新鮮なしらすが買えるお店を目指した。

あっ。鯵のたたきが安い。

あっ。エンガワとか珍しいじゃん。

じゃあ、今晩は、刺身だな。とネギトロをカゴに入れる。

しらすも大入パックを見つけたので、それもカゴに。

自宅に着くと、全員集合で、食卓を囲んだ。

いいな、団欒。

昨晩の孤独が解けていく。

私はいい。

自宅に戻って来れば、家族がいるが、実家の父親は、また一人ぼっちになってしまった。

今週は、娘が検査を受けるので、病院に同行しなければいけないという目的のもと、自宅に帰宅したのであるが、

私だって寂しかったのであるから、一人でお留守番の父親も寂しかろう。

団欒の中、手放しでは喜べない自分がいた。

後もう少し。

本当に、父親とはお別れとなってしまう。

父親が実家の部屋に居なくなった時、もっと孤独が募るのではないか。

一人で、実家に寝泊まりして、遺品整理なんて出来るのだろうか?

まだ、仏壇が実家にある間はいい。

自宅に新しい仏壇を向かい入れて、実家から仏壇がなくなった後も、一人寝泊まりして遺品整理をしなければいけない。

深夜の孤独に耐えれるのだろうか?

日帰りで遺品整理するには、無理がある。

交通費もバカにならないだろう。

父親も一人暮らしは、寂しかったかもしれない。

でも、近所の人はくるし、変わりがわり介護サービスが訪れて、慌ただしい毎日だったはずである。

なのに、遺品整理をする私のところには、誰も来ない。

ひとりぼっちでの戦い。

孤独との戦いなのだと。



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