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地方自治体におけるDX推進には企業の受入態勢づくりが重要

デジタル庁の創設が3ヶ月後に迫ってきましたね。
今日も3つの基礎自治体とDX推進についての打ち合わせをしていましたが、どのようにして企業と連携すれば良いのか分からないという質問をたくさん頂くことが増えてきましたのでまとめてみました。

■原課の職員が感じている課題を可視化すべき

僕は2019年から株式会社VSNと連携してエンジニアによる社会課題解決プログラムを立ち上げ、2年間で12地域で展開してきました。

今年は4エリアを追加して16地域で進めていきます。


参加したエンジニア数は50名を超え、複数の地域で住民の方を巻き込んだプロジェクトが立ち上がっています。

見出しにもあるように、エンジニアが上手く連携できている地域は原課の職員の方が業務における課題を可視化できています。正確な表現をするとエンジニアと連携したことで、課題を可視化することができるようになっています。

基本的に、自治体に対して企業が製品やサービスを売り込むことが基本なので原課の職員が感じている課題は製品やサービスありきでヒアリングしていくことがほとんどです。

そうなると、本質的な課題の可視化ではなく商品やサービスを売り込むストーリーに載せた課題の可視化になってしまうので、ほとんど課題解決につながりません。

地方創生VIでは、原課の職員が日々の業務で何に対して諦めていて、我慢しているのかを相談してくれるような関係性をエンジニアが構築していくので、DX推進に向けて職員とエンジニアがパートナーシップを組んで取り組むことができています。

■企業へのオファーは課題ありき

これもよくある話ですが、「DX推進の為の相談に乗って欲しい」と超ざっくりとした依頼を受けます。もちろん、相談した方が良いに決まっているのですが、どんな課題があるのかを明確にしてから企業へのオファーを出すことが望ましいと思います。

しかし、デジタルに全く詳しくない方が担当しているケースも多く課題を明確にするのに時間がかかっては意味がありません。そこで、僕らは若手職員を中心とした勉強会を開催しています。

タイトルは「DX推進に向けた企業連携の方法について学ぶ会」。既に複数地域で開催しているのですが、技術的な話ではなくデジタル・トランスフォーメーションとSDGsの本質や地域産業・医療福祉・学校教育・防災などのまちづくりが具体的にイメージできるようなコンテンツを用いて話をします。

そうすることで、DXは遠い世界の話ではなく自分ゴトとして考える必要があることに気付いて頂ける職員が圧倒的に増えます。その職員のみなさんと検討部会を組成して課題を洗い出していきます。整理した課題は内閣府のプラットフォームに登録している解決できる可能性のある企業に対してオファーをかけていくことで、見当違いの売り込みを受けることがなくなります。

まさに、職員のみなさんにとって生産性が激上がりになる瞬間です。

■エンジニアの関係人口を増やす

経済産業省が発表している「IT人材需給に関する調査」では2020年度時点で30万人のエンジニアが不足しており、高まるエンジニア獲得の需要に共有が追いつかない状況が続いています。

おそらく、今後デジタル庁からKPIが発表された後には日本全国の自治体が一気にエンジニア獲得に向けて動き出すと思いますが、そもそも足りてないので上手くいくはずがありません。

では、どうするのか?
エンジニアが関わりたくなる地域として受入態勢の構築をしていくことに尽きます。

エンジニア職の方々が地域と関わることで、何を実現したいと感じるのか。
双方にとって最良の成果が生み出せる仕組みをどうやって作るのか。

次回はこのあたりについて書いていきたいと思います。


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