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新入生へのおすすめ本part7~私の歴史観を作った本たち

新入生へのおすすめ本第7弾です。

今回は、「つまんない」と思われがちな歴史学において、とても面白い5冊を紹介します。私の歴史観を作るうえでもかなり意味を持った作品たちです。

①小林よしのり『新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論』
「冒頭から、どうしてこんな本を!?」と思われた方にこそ、読んでほしい1冊です。

作者は、中学生の私の歴史観を180度転換させた漫画家です。しかし、今はまた180度戻っていたり、揺れ動いたりしました。作者が掲げた論点は、未だに解決されずに残っているものが多いです。そして、それをあえて「右」「保守」から見ることが大学1年生において、重要なのだと思い、紹介しています。

②小田中直樹『歴史学ってなんだ?』
専攻が社会経済史の筆者が歴史学を語った本です。

歴史学の体系、その意味、さらに重要なポイントとして面白い歴史書まで紹介されています。歴史学が「つまんない」と思っている人、暗記科目だと思っている人には、おすすめです。E・H・カーの「歴史とは何か」(岩波新書)よりも読みやすく実用的です。

③宮本 正興・松田 素二編『改訂新版 新書アフリカ史』
上記の②で紹介されていた歴史書です。

アフリカ史は、高校世界史ではほとんど扱われませんが、相当な深さを持っています。本書では、新書にしては非常に高いように思える金額で、アフリカ史を語りつくしています。歴史学の奥深さを実感するのには、最適な新書です。しかし、読み応えがあるので、相当の覚悟を持って読むことをおすすめします(笑)。

④網野善彦『日本社会の歴史』
筆者は、網野史観と呼ばれる歴史観を確立した歴史学者です。

彼の歴史観は、宮崎駿の『もののけ姫』の歴史設定に相当な影響を及ぼしています。具体的には、リーダーではなく、多くの民衆へ着眼し、その変化がメインストリームを動かしていくという歴史観です。この岩波新書は、彼が日本の歴史すべてを語りつくした作品です。

⑤坂野 潤治・大野 健一『明治維新 1858-1881』
筆者は、近代史に新しい地平を切り拓いてきた歴史学者と開発経済学者の二人。

明治維新を「柔構造」というキーワードで読んで行きます。非常に面白い歴史観がダイナミックに展開され、すんなりと受け入れることができます。司馬史観に対するアンチテーゼとしても面白い作品です。


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