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新入生へのおすすめ本part3~科学・数学が面白くなる本

新入生へのおすすめ本、第三弾です!

今回は、科学や数学が面白くなる本として、教科書以外からセレクトした本をお届けします。

①ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー『数の悪魔-算数・数学が楽しくなる12夜』

数学の面白みを物語風に伝えてくれる作品。

「数の悪魔」が少年の元に現れ、フィボチナッチ数列からピタゴラス数、無限などを分かりやすく語り尽くしていく。基礎からでも数学的思考について理解が進みます。少しも分かりにくさがないところがよいところ。「数の悪魔」の悪態と愛情のバランスも見所です。

②立花隆・利根川進『精神と物質-分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか』
利根川進氏がノーベル生理学医学賞を受賞した際の研究の過程、その業績の意味、分子生物学の可能性について、立花隆氏と対談した記録。

とにかく、利根川氏の仮説検証プロセスを読むだけでも研究のインスピレーションが沸いてくる。その上、立花氏の切り返し質問もかなり本質的。「知の巨人」の面目躍如というところか。研究のあり方や面白みを体感するのにとてもいい1冊です。

③福岡伸一『生物と無生物のあいだ』
またまた分子生物学です。

しかし、福岡氏の筆致はかなりレベルが高いと思います。分子生物学の歴史を叙述する手法は、科学ノンフィクションの世界では珍しいし、新書として読み応えがあります。また、科学者にも人生があるんだな、という「当たり前のこと」も思い出させてくれます。1冊の教科書を読むよりも生物学の成り立ちを学べます。

④坪田一男『理系のための研究生活ガイド』
今度は、打って変わって研究生活ガイドです。

筆者は、ドライアイを専門とする研究者です。かなりの生産性を誇り、順風満帆な研究生活を送っています。その筆者がどのような戦略や心構えで研究生活を送っているか、を書いた本です。論文の書き方、どういう風に研究室を選ぶか、研究内容を用いた起業の仕方などを興味深く語ってくれています。理系だけでなく、社会科学の人にも参考になるものです。

⑤サイモン=シン『宇宙創成』
最後は、サイモン=シンです。

90年代以後の科学ノンフィクションは、彼なしでは語れないというほどの作品を次々と送り出している人物です。シンのシリーズの中で最も面白かったのが、ビックバン仮説を巡る『宇宙創成』です。シンが語るビックバン仮説をめぐる学問史は、どの分野でも通底するものを持っています。つまり、モデルとリソースの進化のわけですが、これは読んでみると一目瞭然です。ぜひ読んでみてください。


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