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自然災害時の市民協力要請 感染症対策

※この作品は2020/5/2現在、日本国政府が実施している緊急事態宣言等の新型コロナウイルス対策とは無関係の架空の物語です。予めご了承ください。  

 自然災害はその規模によっては、行政や専門家、専門事業者のみに頼った対応ではマンパワー不足となる可能性があります。
 今回お伝えする感染症拡大という災害は、生物と人の戦い、ある種戦争である、という人もいます。

 前回、感染症災害対策について案をご提示しましたが、それは行政として、国として、対応可能であろう範囲を想定範囲と設定し、体制と運用の私案を提示しました。
 今回取り上げるテーマは、その想定を超えて拡大してしまった場合、というお話です。

緊急事態から非常事態へ-市民への支援要請-

もし、行政でも対応困難な災害に見舞われたら、最後は日本に住む一人一人の皆さんの協力が必要になると考えています。また、都市封鎖といった強制措置も必要と考えています。
 しかし、この考えが国民の皆さんにとって、タブー視されがちなこと、とも思っています。また、どのように協力をお願いするのか、そこが難しいと考えています。
 といいますのは、まず前者については、過去の戦争において強い権限を政府に持たせたことと、国民の皆さんを総動員して、それにあたらせてしまったという、大きな過ちを強く連想されるのではないか、と考えるからです。
 そうした観点から、この議論には多くの賛否両論があると思います。
 そのため我が国において、この措置が国民のみなさんに受け入れられるか、は議論をしていかなければならないと思います。  

 また、後者については地震や豪雨といった、これまでの自然災害の状況と異なる災害であるため、これまで国民の皆さんが自らかって出て下さった災害ボランティアのような対応が困難である、ということです。
 と言いますのは、生命の危険、感染というリスクを込みでお願いをすることになると考えるからです。
 しかし政治も行政もリソースは限られており、万能でないことも確かです。
 そのため、国民の皆さんの力をお借りして、困難に立ち向かうことも最後の一手として、視野に入れておく必要があると考えました。

 ここでは、2019年から20年にかけて起きた、コロナ災害を例にお話しします。

事例 PCR検査支援要請

 当時日本では、感染症拡大に伴い感染者が急増し医療機関が機能しなくなる、いわゆる医療崩壊がおきる、と言われていました。
 そのため、なるべく、自助するよう要請があり、発症の疑いがあるにも関わらず、検査も治療も受けられない、治療のために公共機関で病院に行かざるを得ない、自宅で病状が急変し亡くなり、その後の検査で陽性と判明した、といった混乱が生じました。
 また、PCR検査の件数が少なかったため、実態を把握でていないのでは?という懸念、感染者数が低く見積もられたため対応が遅れた、といった批判もありました。

 そこで、PCR検査が人手がなくてできない、と言った事例において、医療従事者が不足した場合の対応として、PCR検査に限り一般市民から募るという政策を提言したいと思います。

災害の特性と一般市民への要請のコンセプト

 本災害においては、被害地域は広範に及び、物的損害はないものの、経済活動が崩壊するという、従来とは異なる被災体系を持ちます。
 また、もう一つの特異点として、災害のトリガーは人自身であるという点です。
 つまり、復興の屋台骨を担う医療従事者の方の感染リスクを抑えながら、いかに感染拡大を最小化し、国民の免疫獲得、ワクチン開発の時間を稼ぐか、にかかっています。
 その意味において、従来の災害ボランティアという形で市民の方の志によるボランティア精神にたよるだけでは、経済的にも、感染リスクおいても無理がある、とも思います。そこで、一定の補償を含めお願いすることが妥当と考えています。

政策内容

1.対象者
まず対象者ですが、ただ一般市民と言っても、この災害では何の知識もない状態では難しいのも事実です。そこで、一定の資格を持つことを条件に、ということになります。例えば、
①医師、看護師、介護士、保育士の資格を持つが引退した方
②医学部、薬学部、獣医学部の学生さん
③救急法講習受講者、医療系、生物系、薬品系、環境系の仕事をしてる方
④①〜③に該当し、緊急事態宣言によって現在収入がない方。
⑤過去ご自身でボランティア活動をした経験のある方

など、医療や生物系の知識を持つ市民です。これにより、一定の知識を持つ方を招集でき、少しでも即戦力として動ける人材を招集できるかと思います。

2.勤務地

勤務地は原則ご自身がお住まいの市町村または近隣自治体の保健所、医療機関、借り上げたホテルなどを想定します。

3.研修と検査
健康であることが前提となりますので、PCR検査を受けていただきます。
この段階で、PCR検査を実習しながら、研修生同士で検査をしてもらい、検査方法を習得してもらいます。

4.作業内容
①高度な医療知識をお持ちの方(主に1.の①②の方)
PCR検査、診察
患者さんのトリアージ後の隔離施設誘導
重篤患者さんの搬送

②事務作業(主に1.の②③の方)
インターネットを通じた症状の確認
患者さんへの通知、連絡窓口
罹患報告作成など

5.報酬
日給1万円と危険手当1万円とします。
20日働いて40万円程度となります。
これは休業補償で30万円と設定した場合、
危険手当として月10万加算した、と
考えていただければ、と思います。
また、万一罹患した場合に備え保険加入を
今の医療従事の方と同じかたちで対応します。

6.期間
原則緊急事態宣言解除までとします。
ただし状況を鑑み、解除指示の有無に関わらず、期間を別に定めることがあります。

以上が感染症災害における市民要請の骨子となります。
 これにより、医療リソースの不足を補い、早急な医療体制の立て直し、経済復旧を目指します。

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