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パンデミックがもたらしたフィンドホーンの奇蹟3.0 - これから生まれいずる世界へ

60年代に北スコットランドの小さな村の湾沿いにあったキャンプ場から始まったフィンドホーンの奇蹟。瞑想を通して心の奥深くにある静けさの中から聴こえてくる声を聞き、自然界に存在する知性と共に、愛を形にし、行動すること。このシンプルな三つの基本原則を柱に成長してきたコミュニティ、フィンドホーン。かつてはスピリチュアルな場所として日本でも有名になり、多くの人が今でも訪れている。震災以降は、「コミュニティ」「エコビレッジ」「サスティナビリティ」というキーワードから訪れる人々も増えてきた。

フィンドホーンのウェブサイトは

スピリチュアルというと、随分フワフワした印象があるけれど、実際は大地に根差し、ガッツリ自然界、人間界とこのガイアを結び付けながら常に一歩も二歩も先を見据えてこの60年近い時間を積み重ねてきた。

たった3人の大人から始まった実験は今では国連とも連携するNGO機関でもあり、またアメリカなどの大学などの環境教育などの単位となる教育プログラムなども提供しつつ、世界中からのゲストを迎えて多様なプログラムを提供している。

私自身は2004年に初めて訪ね、コミュニティの生活を体験する「体験週間」に参加。30代半ばの大きな変容のきっかけを得て、人生が大きく転換した。以来、私自身の魂のホームとなり、日本の人たちにその素晴らしき体験を伝えたくて紹介するようになった。

体験週間の情報はこちら

人は経済や社会基盤が落ち着いていると、新しい世界や変容ということには鈍くなるけれど、今回のパンデミックが起爆剤となり、思いがけない状況がいろんな意味で新しい種が芽吹き始めている。それはフィンドホーンでも同じで、このところの私の印象は、フィンドホーンもとても安定している感じがしてそれはそれで素晴らしいけれど、少し内向きな感覚があった。

しかし、パンデミックの影響で3月からクローズとなり、ゲストを迎えられなくなり、外向けの活動が全てストップ。政府からの援助はあるものの、彼らの危機感が圧力となって、目覚ましい勢いで新たな試みや展開が始まった。

その中の一つ、フィンドホーンから周りの地域への新たな流れが生まれた。

フィンドホーンがある地域、モレィ郡の新聞記事のシェア。

フィンドホーンの農園、カランガーデンは、かつて荒地だったキャンプサイトに大きな大きなキャベツができたことで『奇跡の農園』と呼ばれ、世界中から人が訪れるきっかけとなった。

当時はオルタナティブな生き方や、新しい人間の可能性を求める若い人たちが世界にいて、その噂を世界各地から聞きつけて集まってきたが移り住み、小さな共同体になった。以来、成長しつつけたコミュニティは財団となり、さらに、広がり周囲には財団のスタッフや様々な関わりを持つ400人以上の人が暮らすフィンドホーンコミュニティ。

当初失業していた創始者たちは自分たちのために作り始めた野菜達は、コミュニティの台所をまかなうために作られるようになり、やがて、訪れる人々の食事を提供するために作られ始めた。

今年もこの夏のゲストのために準備された作物達。パンデミックの影響を受けて、ゲストを迎え入れない状況となる一方で、野菜達は待ったなしにぐんぐんと成長し、この時期たくさんの収穫を得ている。

当初はコミュニティの方々のために配られていたその野菜達はコミュニティからモレィ郡地域の人々、特にこのパンデミックの最中、食べ物を得ることが難しい人たちのために配られ始め、3500セットがモレィ郡の食糧支援の団体Moray Food Plusを通じて配られたそう。

カランガーデンのスタッフの皆さんは、これまでも、いつか、この地域に住む人たちのために、このオーガニックで育てられた健康で、プラスチックも使わず、最も少ないフードマイレージの野菜達を提供したいと考えていたところ、こうしてパンデミックがこの機会を与えてくれた、と。

この流れは、ロックダウンが終わっても続けて、地域の方々により健康的な野菜の作り方なども伝えていきたいという。

かつて、フィンドホーンの創設者の方々が体験してきた「奇蹟」とはこういうことなのかもしれない。私たちが目の前のことに誠意を尽くしながら形にしていくことで、想像以上のことが起きてくる。そこに、ディーバ達の計らいを感じることで、すべてのことが単なる偶然に起きることではなくなり、「共同創造」となる。

この記事を読みながら、これまでは、どこか隔離されていたフィンドホーンがその塀を越えて地域や世界に広がっていくようなイメージが浮かんだ。

フィンドホーンの光がこんな形で広がっていくんだなぁ〜と静かに感動✨✨

そして、これがとても本質的なプロセスだと感じている。『作ろう』と思って作れるものではなく、実践の先に立ち現れていくもの。

それが『コミュニティ』なのかも知れない。

余談だけど、先日開催されオンラインのプラネタリーゲーム(地球規模の変容を見つめるゲーム)『Navigating Uncertainity〜不確かさのナビゲーション〜』というセッションの中で、最終的に導かれた、「これから生まれ出る世界」のキーメッセージは

『あなたは定期的に運動を行い、健康的な食生活で身体をいたわっています。』

というものだった。

地球レベルで掲げられた壮大な「意図」の先にある、私たち人類の次のステップとして現れてきたのは、とてもシンプルなこと。私たちがこのガイアから与えられた身体を健康的に保っていくこと、と。確かに、この身体があるからこそ、人としてこの地球と関われるのだから。農園から始まったフィンドホーンのフィンドホーンたる所以のナビゲーション。私たちは改めて大地と共に生きることが鍵となる。

ちなみに、その時にやってきたエンジェルは『Humour 〜ユーモア〜』

真面目にシリアスになるより、歌い、踊り、慈しみと歓びと共に大地と生きていく、最も人間らしい在り方がパンデミックのギフトとなり、アフターコロナの世界が生まれていくのだと思うとワクワクする。

何も、パンデミックは私たちを震え上がらせるウィルスだけではない。確実に私たちに本来の豊かさに導く「見えないもの」も広がっている。

奇蹟はもう起き始めている。あとは気づくだけだ。

よろしければサポートをお願いいたします。ピースメイキングな実験をこれからも持続していくために、皆様のサポートを励みにさせていただきます!