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小説 「つくね小隊、応答せよ、」

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第二次世界大戦末期。 東南アジアの、とある島。 米軍の猛攻により、日本軍は転戦(撤退)し続け、日本兵たちは、ちりじりに離散した。 そんな中出会った別々の部隊の若い日本兵の3人、…
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#たぬき

「つくね小隊、応答せよ、」(十八)

ジャングルの暗闇の中、渡邉、清水、仲村の三人が、話しています。 焼きもぐらと、砂飯の夕食…

「つくね小隊、応答せよ、」(十九)

翌日。雨が降りました。 渡邉たち三人が服を脱いで雨を浴び、清水が女風呂について語り、仲村…

「つくね小隊、応答せよ、」(廿三) 

「…大将、ちょっと…大将」 「ん?なに?」 「いや、ん、なに?じゃなくて。どうするんすか…

「つくね小隊、応答せよ、」(廿四)

兄、九右衛門、片頬で、にやりと笑います。 「六右衛門さまの顔に泥をぬっときながら、何事も…

「つくね小隊、応答せよ、」(廿伍)

朝捕まえたターシャの毛を、火で炙り、焼けた毛を銃剣で削ぎ落とす。硬くなった皮膚と、炭化し…

「つくね小隊、応答せよ、」(廿六)

「そしたらそこに、大将が現れたのよ。 俺より年下。しかも小柄。そのくせ、大熊を見てもびび…

「つくね小隊、応答せよ、」(31)

津田の四天王、川島の九右衛門。 そして小松島方、田浦の太左衛門。 お互いに刀を仕舞い、目をつむったまま、微動だにしません。 二匹の周りでは、小松島、津田のたぬきたちが、怒号や歓声や、雄叫びや悲鳴をあげながら刀を交え、血を流しています。中には、変化が解け、ただのたぬき同士で喧嘩をしているものたちもいます。 獣と血と、吐息と抜けた毛と、叫び声と鳴き声と、土煙の立ち上る中、九右衛門と太左衛門は、目をつむって対峙しております。 どうやら、お互いの気をぶつけ合い、お互いの脳内

「つくね小隊、応答せよ、」(32)

背中から火縄銃を取りだし、衛門三郎に向けた千住太郎。衛門三郎は、食器の縁についた蝿を見る…

「つくね小隊、応答せよ、」(33)

小鷹、熊鷹、左右から同時に、作右衛門に飛びかかりました。 すると作右衛門、斬りかかってく…

「つくね小隊、応答せよ、」(36)

「はっけよぉい!のこったぁあああ!!」 六右衛門と金長のからだが衝突し、轟音と地響きと地…

「つくね小隊、応答せよ、」(37)

「茂右衛門さま、良き藍の葉がとれたと、となり村の農家のものが来ておりますが、いかがいたし…

「つくね小隊、応答せよ、」(39)

「しまぜんたいが、あなたがたのてきなのです…それでは…さようなら」 ドゥエンディが片手を…