サーベイ・フィードバック入門――「データと対話」で職場を変える技術 【これからの組織開発の教科書】

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HR業界では今、サーベイに溢れている。
サーベイをすれば問題が解決するー果たしてそうだろうか。
サーベイをしただけでは何も解決しない。
サーベイによってできるのは、可視化までである。
結果を自分なりに理解・納得し、アクションプランを立て、行動を変えていかなければ何も改善しない。

サーベイ・フィードバックのステップは、3段階に分かれる。
Phase.1 サーベイの実施 ①見える化
Phase.2 FB-MTGの開催 ②ガチ対話
             ③未来づくり

ではなぜわざわざサーベイにより見える化(データ化)するのか?
データは「外在化効果」を有する。問題を個人ではなく集団に帰属させる効果がある。それゆえ、本音をオープンに指摘できるようになる(=「言える化」)。
職場の問題は内在化されやすく、気を付けないと責任の所在を求めてしまう。つい犯人捜しをしてしまう。
データという客観的なものを用いることで、問題と個人をいったん切り離すことができる。
組織をより良い方向に導きたいのであれば、安易に個人のせいにせず、組織全体の視点でとらえることが重要だ。

①見える化
サーベイでは、氷山モデルの見えない部分、すなわち見えている部分を見える化することに本質がある。
普段は目を背けている自分の職場の現実に、サーベイを通して向き合うのである。

②ガチ対話、③未来づくり
1.目的説明
ーなぜFBを行うのか?どんな成果を得たいのか?
2.グラウンドルールの提示
ー受容する、わからないことは質問する等
3.データの提示
ーただ提示するのではなく、フォーカスし、ベンチマークを示す
データのどこに着目すべきか?それはどの程度良い(悪い)のか?
4.解釈
ーどう感じたか?どう解釈したか?
どうあるべきか?ではなく、どう感じたか?を話す
5.「未来」に向けた話し合い
「違い」を受け入れた上でお互いの「理想の未来」を語る
6.アクションプランづくり
「願望」ではなく「具体的な行動」を一人ひとりが何をするかまで落とし込む

サーベイは何のために行うのか?サーベイを行うこと自体は目的ではなく、手段である。目的のためにはサーベイ結果は生かされなければならない。そのためには、サーベイをやって終わりではなく、対象者全員が腹落ちした上で明日から具体的にどんな行動を始める/変える/止めるべきかを決めていく必要がある。

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