ストーリーで理解する 日本一わかりやすいMaaS&CASE

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MaaS(Mobility as a Service)の目指す世界は「移動の最適化」
利用者目線で、いかにして快適に移動するかということである。
CASE(Connected, Autonomous, Shared & Services, Electric)は自動車メーカー目線で考えられた未来のモビリティのあり方である。

MaaSという考え方は2014年、フィンランドにて生まれた。日本では2017/11月の新聞で初めて登場した。特に2019年以降急速に紙面に登場するようになった。
政府が目指すSociety5.0においては必須の考え方となる。
CASEは、2016年にダイムラーが発表した考え方である。
今では、全ての自動車メーカーが目指すキーワードとなっている。
これまでは、自動車メーカーは消費者に自動車を売り、消費者は車を購入し自家所有するというモデルがあった。しかし、これからは所有するということ自体が当たり前でなくなり、更には自動車を作ることができるのは自動車メーカーだけではなくなるだろう。現に、世界最大のタクシー会社は車を所有していないし、巨大IT企業はこぞって自動運転車の開発に乗り出している。業界や車のあり方が再定義される、まさに今は100年に1度の変革期である。

本書で紹介されているのは6ジャンル23の事例である。
■交通弱者を救うMaaS
ー豊岡市の交通体系
ー東大発オンデマンド配車システム「コンビニクル」
ーWHILLの電動車いす
■観光型MaaSが持つ可能性
ー下田市のIzuko
ーWILLERのひがし北海道、東南アジア等での挑戦
ーVILLAGE INC.のアクアヴィレッジ
■都市型MaaS:タクシーとライドシェアの新動向
ーUberの日本進出失敗
ーDiDiの日本進出成功
ーDeNAのAnyca(個人車カーシェア)、MOV(配車)
ーNearMe(タクシー相乗り)
ーAzitのCREW(白タク)
ーMONET technologiesのMONET Biz(社用車の活用)
■都市型MaaS:まったく新しいマーケットの創出
ーMaas globalのWhim(MaaSプラットフォーム)
ーLuup(キックボード)
ーOpenStreetのHELLO CYCLING(シェアサイクル)
ーakippa(空きスペースの駐車場活用)
ーHacobuのMOVO(BtoB物流業界のデジタル化)
ーSkyDriveの空飛ぶクルマ
■CASEのカギを握る「自動運転」の挑戦者たち
ーZMPのロボット技術
ーTierⅣのAutoware(オープンソースのソフトウェア)
ーSBドライブのDispatcher(自動運転の運行管理)
■ビヨンドMaaS:だれも見たことがない世界へ
ーADDressの住まいのシェアリング
ーフィリップス:ヘルスケアモビリティ

MaaS、CASEのキーワードとしては「サブスクリプション」「協業・共創」「エコシステム」等があげられる。
日常に溶け込んだサービスとして考えたときに、定額で使い放題というのは魅力的だろう。また、例えば旅行であれば自転車で駅まで行き、駅から新幹線に乗って移動し、現地ではレンタカーを使うといったように様々なモビリティを使う。これらを全て一社で賄うことは非効率であり、エコシステムの考え方は親和性の高いものとなるだろう。さらにそれらを一つのサービスとしてクオリティを高めていこうとすると、協業・共創の視点が重要となるだろう。

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