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PE面接対策15:ファンド別サーチ(IAパートナーズ/旧DBJ-IA編)

はじめに

 本記事の対象者はPEファンドへの転職希望者です。
 本シリーズではファンド各社の特徴について記載します。
 就職活動においては転職先を知ることはとても重要な一方で、ファンド各社の情報は、各社HPおよび一部転職エージェントによるPR記事があるものの限定的な状況です。ここではネットサーチに加え、私個人の印象、社員、元社員から得た1次情報、2次情報を含め記述し共有します。
※大きく外れていないと信じている情報を書きますが、完全性・正確性については担保できない点ご留意願います

 今回はMid CapファンドのIAパートナーズ(IAP)について書いていきます。過去のAPポラリスカーライルCVC丸の内キャピタルJIPNICD CapitalロングリーチCITICCLSALキャタルトンPAGの記事も併せてご覧ください。

日系Mid-Large Capファンド全体の特徴(再掲)

 ここでの日系Mid-Large Capの対象はざっくりファンドサイズ7・800億円以上を想定しています。
そうしたファンドの特徴としては
・元々は小さなファンドから初めて複数回ファンドを組成している。従い過去のターゲットサイズで今のターゲットサイズは変わっていることも多い。→「やりたい案件は?」という質問に答える際はターゲットサイズの変遷を踏まえて回答すると"わかっている"感を出せてよいです
・10年以上の歴史がある。従い組織体制としてもシニア(パートナー・MD)が詰まっているところが多い
→自身の昇進余地はざっくり認識しておくと入社後GAPがなくてよい
・そろそろ創業時の経営チームが高齢化・承継が課題
・少なくとも業界内では知名度があるので、持ち込み案件が一定あり、入札案件に呼ばれやすい傾向
・安定したマネフィー収入による日系ファンドとしては一定の報酬水準がある

自身とのフィットを確認すべきチェック項目(再掲)

 チェック項目は各自で持っていると思いますが、少なくとも下記については確認をした方がよいでしょう
1.ファンドの投資スタイル
 ー投資の意思決定方法(合議制、IC委員長一任等)
 ー業種の偏り(BtoB、IT、ヘルスケア、小売り・サービス、多店舗展開・・・)
 ー投資手法の偏り(事業承継/カーブアウトバイアウト、再生、成長投資)
 ー得意なアングル
2.報酬水準
 ーベース+ボーナス、イベントボーナス
3.キャリー配布
 ーディールキャリーかファンドキャリーか。どのタイトルから対象か
4.ワーキングカルチャー
5.主要メンバーのバックグラウンド

記事の対象として想定する日系Mid-Large Capファンド

・AP(アドバンテッジパートナーズ)
・ユニゾン
・JIP
・ポラリス
・丸の内キャピタル
・インテグラル
・NIC

それでは本記事ではIAPについて書いていきます。
IAPについてはファンドサイズ400億円ターゲットということで少し小ぶりであるものの、1件あたり50-100億円の投資を想定しているということで、投資サイズとしては800億円ファンドと重なると想定されます。また実質セミ新設ファンドであり、出来上がった組織よりも面白い点もあるかもしれませんね

IAP:概略

 IAPは日本政策投資銀行(DBJ)の投資助言子会社(旧DBJ-IA)の出身者で村上氏(通称:ハリー氏)を中心に2021年に設立した会社。1号ファンドとして400億円ファンドを目指して資金調達中。DBJ傘下での製造業の支援経験を生かし、大企業カーブアウトを中心に取り組む
 1社あたりのターゲットエクイティは50億~100億円。産業革新投資機構(JIC)がアンカー投資家となっており、三井住友銀行もLP出資を決めている、と報道されている。
 IAPの前身であるDBJ-IAはDBJが自己資金で投資した企業への経営助言などを目的に09年に設立した。これまでに11社に約1500億円を投資し、過去の投資先には電子部材メーカーのデクセリアルズなどがある。投資実績が積み上がったため、DBJとの友好関係を保ちながらも、新会社のもとで独自のファンドを立ち上げると決めた。(以上日経記事から引用)
 加えて、日経新聞でも取り上げられた『鬼怒川ゴム工業』への投資がうまくいっておらず、DBJ内部でPE部隊を抱えきれなくなった、という背景もあり、IAPとして独立した模様。結果としてWin-Winな落としどころになったのではないか
  

IAP:これまでの設立ファンド

旧DBJ-IA:DBJでの自己資金にて11社に約1500億円を投資
代表案件
・デクセリアルズ
・鬼怒川ゴム工業
・シミックCMO
・バリュープランニング

IAP:1号ファンドを400億円をターゲットにレイズ中

 ここからはIAPの特徴を前述「自身とのフィットを確認すべきチェック項目」で書いた5つの観点(1.ファンドの投資スタイル、2.報酬水準、
3.キャリー配布、4.ワーキングカルチャー、5.主要メンバーのバックグラウンド)+余談・噂から考察していきます。
 なお、引き続き、当初は500円と価格設定を致します。

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