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PE面接対策③:ファンド別サーチ(ポラリス編)

はじめに

 本記事の対象者はPEファンドへの転職希望者です。
 本シリーズではファンド各社の特徴について記載します。
 就職活動においては転職先を知ることはとても重要な一方で、ファンド各社の情報は、各社HPおよび一部転職エージェントによるPR記事があるものの限定的な状況です。ここではネットサーチに加え、私個人の印象、社員、元社員から得た1次情報、2次情報を含め記述し共有します。
※大きく外れていないと信じている情報を書きますが、完全性・正確性については担保できない点ご留意願います

 今回は前回記事のAPに続き、日系Mid-Large Capで、"最も勢いのあるファンド"の1つであるポラリスについて書いていきます。前回記事もあわせてご覧下さい。

日系Mid-Large Capファンド全体の特徴(再掲)

 ここでの日系Mid-Large Capの対象はざっくりファンドサイズ7・800億円以上を想定しています。
そうしたファンドの特徴としては
・元々は小さなファンドから初めて複数回ファンドを組成している。従い過去のターゲットサイズで今のターゲットサイズは変わっていることも多い。→「やりたい案件は?」という質問に答える際はターゲットサイズの変遷を踏まえて回答すると"わかっている"感を出せてよいです
・10年以上の歴史がある。従い組織体制としてもシニア(パートナー・MD)が詰まっているところが多い
→自身の昇進余地はざっくり認識しておくと入社後GAPがなくてよい
・そろそろ創業時の経営チームが高齢化・承継が課題
・少なくとも業界内では知名度があるので、持ち込み案件が一定あり、入札案件に呼ばれやすい傾向
・安定したマネフィー収入による日系ファンドとしては一定の報酬水準がある

自身とのフィットを確認すべきチェック項目(再掲)

 チェック項目は各自で持っていると思いますが、少なくとも下記については確認をした方がよいでしょう
1.ファンドの投資スタイル
 ー投資の意思決定方法(合議制、IC委員長一任等)
 ー業種の偏り(BtoB、IT、ヘルスケア、小売り・サービス、多店舗展開・・・)
 ー投資手法の偏り(事業承継/カーブアウトバイアウト、再生、成長投資)
 ー得意なアングル
2.報酬水準
 ーベース+ボーナス、イベントボーナス
3.キャリー配布
 ーディールキャリーかファンドキャリーか。どのタイトルから対象か
4.ワーキングカルチャー
5.主要メンバーのバックグラウンド

記事の対象として想定する日系Mid-Large Capファンド

・AP(アドバンテッジパートナーズ)
・ユニゾン
・JIP
・ポラリス
・丸の内キャピタル
・インテグラル

それでは本記事ではポラリスについて書いていきます。

ポラリス・キャピタル・グループ:概略

 ポラリス・キャピタル・グループ(以下、ポラリス)は、2004年9月にみずほ証券を母体として誕生したプライベートエクイティファンド運営会社。同年に第1号ファンドを立ち上げ、足元1,500億円の5号ファンドを運営中。日系ファンドとしてはJIPと共に最大規模の1つとなっている。また、当初はみずほ証券のキャプティブファンドとしてスタートし、MBOを実施の上、現在では独立系PEファンドとなっている。1997年に創業したAPから、7年ほど遅れて創業。足元猛烈な勢いで投資、ファンドレイズを繰り返しており、日系PEとしては最も勢いのある1社であり、"鼻息の荒いPE"。Mid-Large業界においては"オークションファンド"といえよう。現在はJIPなどと第2世代の日系ファンドとして「2,000億円の壁」を超える大型化にチャレンジ中。本日(2022年8月24日)時点でHPの公開情報によると、日本バイアウトファンドから46件へ投資しており、APの62件には及ばないものの、日本有数の実績を有している、と言えるだろう。社長の木村氏はかなり独特の感性の持ち主として業界では有名で数々の逸話がある。(詳細は後述)
 ポラリスもAP同様、マルチファンド戦略を進めており、東南アジアファンドのAltair Capital を展開している。

ポラリス:これまでの設立ファンド(日本バイアウト)

・1号ファンド(2004年11月)296億円

6件

・2号ファンド(2007年11月)319億円

8件


・3号ファンド(2012年7月)391億円    ※海外ビークルと合わせ520億円

10件


・4号ファンド(2016年12月)376.5億円※海外ビークルと合わせ750億円

7件

・5号ファンド(2019年11月)497.5億円※海外ビークルと合わせ1,500億円

5件

 ここからはポラリスの特徴を前述「自身とのフィットを確認すべきチェック項目」で書いた5つの観点(1.ファンドの投資スタイル、2.報酬水準、
3.キャリー配布、4.ワーキングカルチャー、5.主要メンバーのバックグラウンド)+6.余談と噂(※特記ネタがあるファンドのみ記載予定)から考察していきます。
 なお、実験的に前回同様、先着10名様には500円、その後は1,000円と価格設定を致します。
(追記:1,000円に変更しました)

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