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PE面接対策➁:ファンド別サーチ(AP:アドバンテッジパートナーズ編)

はじめに

 本記事の対象者はPEファンドへの転職希望者です。
 本記事ではファンド各社の特徴について記載します。
 就職活動においては転職先を知ることはとても重要な一方で、ファンド各社の情報は、各社HPおよび一部転職エージェントによるPR記事に留まり限定的な状況です。ここでは簡単なネットサーチに加え、私個人の印象、社員、元社員から得た1次情報、2次情報を含め記述し共有します。
※大きく外れていないと信じている情報を書きますが、完全性・正確性については担保できない点ご留意願います

 アンケートの結果を踏まえ、日系Mid-Large Cap及び外資Large Capにつき執筆していきます。

日系Mid-Large Capファンド全体の特徴

 ここでの日系Mid-Large Capの対象はざっくりファンドサイズ7・800億円以上を想定しています。
そうしたファンドの特徴としては
・元々は小さなファンドから初めて複数回ファンドを組成している。従い過去のターゲットサイズから今のターゲットサイズは大きく変わっていることも多い。→「やりたい案件は?」という質問に答える際はターゲットサイズの変遷を踏まえて回答すると"わかっている"感を出せてよいです
・10年以上の歴史がある。従い組織体制としてもシニア(パートナー・MD)が詰まっているところが多い
→自身の昇進余地はざっくり認識しておくと入社後GAPがなくてよい
・そろそろ創業時の経営チームが高齢化・承継が課題
・少なくとも業界内では知名度があるので、持ち込み案件が一定あり、入札案件に呼ばれやすい傾向
・安定したマネフィー収入による日系ファンドとしては一定の報酬水準がある

自身とのフィットを確認すべきチェック項目

 チェック項目は各自で持っていると思いますが、少なくとも下記については確認をした方がよいでしょう
1.ファンドの投資スタイル
 ー投資の意思決定方法(合議制、IC委員長一任等)
 ー業種の偏り(BtoB、IT、ヘルスケア、小売り・サービス、多店舗展開・・・)
 ー投資手法の偏り(事業承継/カーブアウトバイアウト、再生、成長投資)
 ー得意なアングル
2.報酬水準
 ーベース+ボーナス、イベントボーナス
3.キャリー配布
 ーディールキャリーかファンドキャリーか。どのタイトルから対象か
4.ファンドのワーキングカルチャー
5.主要メンバーのバックグラウンド

記事の対象として想定する日系Mid-Large Capファンド

・AP(アドバンテッジパートナーズ)
・ユニゾン
・JIP
・ポラリス
・丸の内キャピタル
・インテグラル

それでは本記事ではAPについて書いていきます。

AP(アドバンテッジパートナーズ):概略

 ベイン・アンド・カンパニー出身の2名(笹沼泰助氏、リチャード・L・フォルソム氏)によって設立されたPEファンド。1997年に開業。ユニゾン、MKSとともに国内独立系御三家として日本のPE業界の幕開けを担った。1号ファンドは30億円から始め、2006年の4号ファンドで2000億円超えの大型ファンドとなった。しかしながら、4号ファンドの大型有名案件(東京スター銀行)で失敗し、ジャパンファンドについてはサイズの縮小を余儀なくされた。その後、ファンドの大型化は日系ファンドの限界と揶揄され、2022年現在でも日系ファンドにとって、「2,000億円の壁」が存在すると言われる。余談だが現在はJIP、ポラリスなど第2世代の日系ファンドが「2,000億円の壁」を超える大型化にチャレンジ中。
 一方、東南アジア進出やPIPESファンドなど、ファンドの種類を広げマルチファンド戦略に成功している。また、創業パートナーから喜多氏へのジャパンファンドのサクセッションも完了し、4号後のブリッジファンドの成功で直近6号ファンドも850億調達と相応の大きさで資金調達を完了。本日(2022年8月24日)時点で日本バイアウトファンドから62件へ投資し、日本有数の実績を有している。

AP:これまでの設立ファンド(日本バイアウト)

・MBI Fund I(1997年10月)30億円

5件

・MBI Fund II(2000年1月)180億円

10件

・MBI Fund III(2003年8月)465億円

10件

・Advantage Partners Fund Ⅳ(2006年12月)2156億円 

17件

・Advantage Partners Fund Ⅳ-S(2012年12月)200億円

11件

・Advantage Partners Fund V(2015年10月)606億円

13件

・Advantage Partners Fund VI(2020年4月)850億円

1件

 ここからはAPの特徴を前述「自身とのフィットを確認すべきチェック項目」で書いた5つの観点(1.ファンドの投資スタイル、2.報酬水準、
3.キャリー配布、4.ワーキングカルチャー、5.主要メンバーのバックグラウンド)から考察していきます。
 また、本記事はPE転職対策シリーズの1作目であるため、500円と他記事と比較し安価な設定としています。

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