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PE面接対策13:ファンド別サーチ(Lキャタルトン編)

はじめに

 本記事の対象者はPEファンドへの転職希望者です。
 本シリーズではファンド各社の特徴について記載します。
 就職活動においては転職先を知ることはとても重要な一方で、ファンド各社の情報は、各社HPおよび一部転職エージェントによるPR記事があるものの限定的な状況です。ここではネットサーチに加え、私個人の印象、社員、元社員から得た1次情報、2次情報を含め記述し共有します。
※大きく外れていないと信じている情報を書きますが、完全性・正確性については担保できない点ご留意願います

 今回はMid CapファンドのLキャタルトンについて書いていきます。過去のAPポラリスカーライルCVC丸の内キャピタルJIPNICD CapitalロングリーチCITICCLSAの記事も併せてご覧ください。

Mid-Large Capファンド全体の特徴

 ここでのMid-Large Capの対象はざっくりファンドサイズ7・800億円以上を想定しています。
そうしたファンドの特徴としては
・元々は小さなファンドから初めて複数回ファンドを組成している。従い過去のターゲットサイズで今のターゲットサイズは変わっていることも多い。→「やりたい案件は?」という質問に答える際はターゲットサイズの変遷を踏まえて回答すると"わかっている"感を出せてよいです
・10年以上の歴史がある。従い組織体制としてもシニア(パートナー・MD)が詰まっているところが多い
→自身の昇進余地はざっくり認識しておくと入社後GAPがなくてよい
・そろそろ創業時の経営チームが高齢化・承継が課題
・少なくとも業界内では知名度があるので、持ち込み案件が一定あり、入札案件に呼ばれやすい傾向
・安定したマネフィー収入による日系ファンドとしては一定の報酬水準がある

自身とのフィットを確認すべきチェック項目(再掲)

 チェック項目は各自で持っていると思いますが、少なくとも下記については確認をした方がよいでしょう
1.ファンドの投資スタイル
 ー投資の意思決定方法(合議制、IC委員長一任等)
 ー業種の偏り(BtoB、IT、ヘルスケア、小売り・サービス、多店舗展開・・・)
 ー投資手法の偏り(事業承継/カーブアウトバイアウト、再生、成長投資)
 ー得意なアングル
2.報酬水準
 ーベース+ボーナス、イベントボーナス
3.キャリー配布
 ーディールキャリーかファンドキャリーか。どのタイトルから対象か
4.ワーキングカルチャー
5.主要メンバーのバックグラウンド

記事の対象として想定するMid-Large Capファンド

・AP(アドバンテッジパートナーズ)
・ユニゾン
・JIP
・ポラリス
・丸の内キャピタル
・インテグラル
・NIC
・ロングリーチ

それでは本記事ではLキャタルトンについて書いていきます。
Lキャタルトンは日系ファンドではないものの、アジアファンドの中で日本への投資をしており、サイズ感としてはMid Capあたりではないか、と推察。外資Large Capや日系Mid Capファンドと並行して検討してはいかがか、と考え、記事化しました

Lキャタルトン:概略

 Catterton (キャタルトン)、LVMH(モエヘネシー・ルイ・ヴィトン)、Groupe Arnault(グループ・アルノー ※LVMHのCEOアルノーの会社)の3社の提携により設立された、コンシューマ業界特化型のグローバルプライベートエクイティファンド。1989年にコンシューマー業界特化のPEファンド Catterton「キャタルトン」を設立、2001年にLVMHグループとグループ・アルノーがPEファンド「Lキャピタル」設立、2016年にキャタルトンとLキャピタルが合併し、Lキャタルトンを設立。これまで業界を代表するコンシューマ・ブランドへの投資を200件以上行っている。
 2017年日本進出、2018年に日本法人、L・キャタルトンジャパン株式会社を設立
 日本においてはCLSA出身の清水氏をヘッドに据えて、チームビルディング、コンシューマ・ブランドを中心とした消費財への投資を行っている

Lキャタルトン:これまでの設立ファンド

運用ファンドについては詳細不明も$30B以上を運用中。
恐らくアジアファンドから投資をしていると聞いたことがあるが、グローバルファンド・アジアファンドそれぞれの運用額をHPなどから読み取ることはできなかった

HPより抜粋

過去投資先(日本)
Ci FLAVORS (2021年)
・PHCHD(旧パナソニックヘルスケア、2021年)
・ETVOS(2020年)
・OWNDAYS(2019年)

グローバルでの投資先

2020年10月のMARRより引用
グローバルでの投資先


 ここからはLキャタルトンの特徴を前述「自身とのフィットを確認すべきチェック項目」で書いた5つの観点(1.ファンドの投資スタイル、2.報酬水準、
3.キャリー配布、4.ワーキングカルチャー、5.主要メンバーのバックグラウンド)+余談・噂から考察していきます。

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