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逆ゴールデンタイム

昔から流行り物には興味がなかったが、中学ニ年生の時、ご多分に漏れず厨二病という流行り病に冒されてしまっていた。

深夜、眠れなくなったりすると、少年は紙とペンを取り出し、ポエムを書いた。曲でも付けようものならミリオンヒット間違いなし。Mステの階段を颯爽と下りてくる自分の姿を想像して、満足そうに眠りにつくのだった。

翌朝、そのポエムを読み返してみるのだが──フグ刺しほどの薄っぺらさに少年はただ赤面し、親に見られないようにできるだけ小さく千切ってゴミ箱に捨てるのであった。本当はロケットに載せて宇宙ゴミにしたいくらいだったが、NASAへの祈りも届かないまま、少年は大人になった。

ポエムこそ書かなくなったが、今でも時々そういう夜がある。

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