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読書感想文 「働き方の哲学 360度の視点で仕事を考える」 村山昇

Amazonのおすすめには結構前から出て来ていたものの、なかなか手を出さずにいましたが読みたいものが一段落したのでダウンロード。

電子書籍って本の分厚さが分からないじゃないですか。
ポップな表紙とは裏腹に骨太でかなり読み応えがある内容でした。
結果GWの始めにダウンロードして、家族サービスの合間を縫って、GW終了直前に読了しました。

今年読んだ中では一番メモの量が多かったです。
途中で気がついたのは、僕はキャリア系の事柄にも関心が高いんだなということ。
今までも何冊も本を読んでいたんですが、意識的に「関心がある」と感じたのは初めてです。
何冊かキャリアに関する本をダウンロードしたので、続けて読んでみたいと思います。

で、本題です。
「」は引用、もしくは引用に近い要約です。
その下に自分の考えや気づきを書いています。



「仕事とは、「それをやる前に比べ、なんらかの価値を創造した行為」と考えることができます。そしてその価値創造には次の3種類がありそうです。 仕事とは、物事やその状態を── ①「A⇨A±」 増減させること ②「A⇨B」 変形・変質させること ③「0⇨1」 創出すること  私たちがやる大小の仕事は、すべてこの3種類のミックスと考えてよいでしょう。例えば、販売数を上げたという仕事は、直接的には「A⇨A+」ですが、そのために何か宣伝文句をAからBに変えたということであれば「A⇨B」の要素も混ざってきますし、これまでまったく試みていなかった方法を考え出したのなら「0⇨1」という具合です」
今まで、この視点はありませんでした。仕事の中には全ての要素がありますが、僕の得意分野は②A→B変形・変質です。効率化をするのが得意なので、既存の枠組みに対して新しい仕組みを入れていくのが楽しい。こういう視点を持てると、自分の仕事に対する解像度が上がりますね。


「ところが、「仕事はチャンスのかたまりだ」ととらえると、仕事は収入機会であるばかりでなく、成長機会、感動機会、触発機会、学習機会、貢献機会、財成機会になります。どんな仕事であれ、こうしたチャンスが目に見えない形で潜んでいます」
これは言語化してなかったけど、思ってたことです。収入機会とだけ考えているとつまらなくて、勿体無い。色んなことに巡り会えるから楽しいです。こういう風に感じられなくなったら、環境の替え時だと考えています。


「山登り型とトレッキング型」
山登り型と川下り型は聞いたことがあったけど、トレッキング型ってのもしっくり来るな。
色々見て回って経験しているうちに登りたい山が見つかって山登り型にシフトする。
山を登り切ってから、色々なところを見て回るトレッキング型にシフトする。
ずっと山登り型で行ける人はそれでいいだろうし、ずっとトレッキング型の人もいるだろう。
楽しかったらどっちでもいいのだと思います。
僕はたまに「ここは登ろう」と思うものの、基本は楽しめるところを探して回っていくトレッキング型。楽しめてない時の経験も後から役に立ちます。
会社では山登り型に見せた方が上司受けがいいので、登りたくもないのに山登り型っぽく見せてた時はしんどかった記憶があります。できないものはできないので、これからも基本トレッキングの構えで歩んでいくつもりです。
楽しんでれば結果は後から着いてくるイメージがありますね。

「キャリアの転機は2種類。自分から能動的に仕掛ける場合は状況創造的であり、偶発的に変化を強いられる場合は状況対応的です」
自分は場当たり的に、状況対応的なキャリアを歩んできたような気がしていましたが、よくよく考えてみると、案外この数年の変化は状況を創造してきていると思いました。
異動を希望したり、業務時間外に本や講座で学んだり。
自分で動いてきたからこそ今は楽しく、好転してきているのだと思います。

「Done is better than perfect. (完璧を目指すよりまず終わらせろ)
七放・五落・十二達」
部下やお客様に伝えたくなる言葉だなぁ。
御託はいいから早く始めろよと思うことは結構多いです。
早く始めて、修正して行った方が結果良いものができるし、成果に繋がるのも早いです。

「結果とプロセス
結果重視は長期的に労働者を疲弊させるし、場合によっては不正の原因になる
結果を求めないプロセス重視は惰性や無責任を生む
プロセスは自分の中で積み重なる財産。プロセス作りに力を尽くし、あとは結果を待つ」

「習慣は第二の天性。行動の4割は習慣。自分にとってよい/わるい習慣はなんだろうか?」
省みました。
良い習慣は健康的な食事、睡眠、運動。お酒は好きだけど、基本的には健康オタク。
読書が好きなのもよい習慣だと思うし、読んだ本についてこうしてアウトプットするのも良い習慣だと思う。
気になったこと、やってみたいことを調べて、可能であればやってみるのも良い習慣だと思う。調べて全てを取り入れられるわけではないけど、「これは自分には違った」という結果は得られる。
悪い習慣は、暇な時にSNSをボーッと見てしまうことです。有益な情報も入ってはくるけど、重複してたり、しょうもないものも多い。時間を決める習慣づけをしていきたい。
でも、自分は基本的にダラダラする人間だということは認めているので、ダラダラとSNS見てしまった自分を否定せず受け入れるのも習慣になっています。これは良い習慣だと思います。


「上司と部下は目標を設定するプロセスにおいて、互いに目的を共有し、なんのための目標数値なのかを確認し合うことが大切です。目標はあくまで目的のもとの手段として活用されるべきです」
目標数値ありきの指示をする今の会社の役員たちのことを思うと、今の我々の目的って何なのかと思うことは結構あります。
役員たちの中では目的が共有されているのかもしれないけど、現場の我々までは落とし込まれていない。最近のモヤモヤはここですね。悩むほどではないものの、会社を好きになりきれない。ビジョンに共感出来る会社で働きたいと思うタイミングはあります。
今は個人の価値観を満たすことだけ考えて働いていて、ある意味、会社を利用する意識でいる。だから会社を好きになれなくても悩まないのでしょうね。
今はこれでいいのだと思ってます。
ただ」、部下に対しては、目的を定めた上での目標設定をしてあげたいな〜と思います。


「内発的動機は持続的で意志的です。それに対し、外発的動機は単発的で反応的になります」
昇進とか評価は外発的動機だから、ずっと追い求めると疲れるのかな。
自己成長はいつまで経っても疲れないし、飽きない。成長していれば飽きないのは当たり前かもしれませんが。
内発的動機を持てているかどうかってのは重要ですね。内発的動機がないと必ずしんどくなるので。


「ジンザイについて。人は企業にポテンシャル人材として採用され、教育を経てユーティリティ人材になる。人財として扱われるようになると、他と代替できない存在として大切にされる」
人事異動が多い今の会社では、常にユーティリティ人材を形成しています。ユーティリティであることこそが価値で、会社としては人によって仕事の成否が分かれない状態を目指している。これはこれで正しいと思います。
その中で人財として成長しようともがいている社員もいれば、諦めて他の会社で活躍機会を求める社員もいれば、気づかずユーティリティでいる社員もいれば、ユーティリティ人材であることに誇りを持っている社員もいるように思う。
僕は会社から重宝がられるかどうかは置いておいて、自分がなりたい人材になれるようにスキルを磨いているところ。会社からの評価に重きを置かなくなって、自分の価値観で働いているなと感じます。

「会社人の意識と職業人としての意識。会社人は就社意識で、雇われ続けることに重きを置く。職業人は就職意識で、職業を究めることに重きを置く。会社人にとっての会社は縦の関係で、職業人にとっての会社は働く舞台であり、個人と会社は対等な横の関係」
いつからか、職業人的な考え方で働いているなと思ったんですが、思い返すとずっと意識は顧客第一で、会社からの指示だからといってお客様のためにならないと思うことはやりたくなかったし、会社にいることそのものには価値は感じていませんでした。
「職業人」というほどプロ意識があったわけでもありませんが、会社人的な考え方には馴染まなかった。そのうちに、面白いと思える部署ができて、そこで仕事ができることで職業人的な考え方が醸成されてきた。価値観に実力が追いついてきたような感覚です。


「ワークライフバランス(調和)・ワークライフブレンド(融合)・ワークライフスプリット(分離)・ワークライフメシー(ごちゃ混ぜ)」
ワークライフブレンドは初めて認識した概念ですが、憧れてる人たちはバランスというよりもブレンドだと思いました。
生活が仕事の糧になって、仕事が生活の糧になるような感じ。
やりたいことをやりたいようにやっているから、重苦しい感じは一切ない人たち。
今まではバランスを意識してましたが、ワークライフブレンドな働き方を目指したいです。
仕事にはなっていませんが、書くことと生活をブレンドして生きていきたいと思いました。
あとは今の自分の仕事でやっていることを生活に役立てられて、気づきが得られるとブレンドに近づいていくのかな。


「年をとるにつれて 誰でも自分らしくなるのだ。 年とともによくなるとか、 悪くなるとか、ではない。ロバート・アンソニー」
30代後半から40代にかけて、自分の価値観がはっきりしてくることが多いそうです。僕の師匠のライフコーチの顧客層がその辺りの年代が多いのはおそらくたまたまではないですね。僕も30代になってから、働き方に対して、会社に対しての考え方がはっきりしてきました。20代の頃は『なんだか嫌だな』と思うことはあっても、明確じゃないというか曖昧なまま置いておけたのが、曖昧にできなくなった。曖昧にできないから苦しくて、色々調べてライフコーチングに出会えたのは幸運だったなと思います。
コーチングを通して自分の声を聞く訓練を積んだこともあって、今では違和感があることが我慢できなくなってきた。弊害は今のところ出てないので、良い傾向だと思います。


「キャリアをマラソンに例えると、折り返し地点は43.5歳。まずは完走。そしてどうせなら、楽しく走りたい」
折り返しが思ったよりも先でした。ということは自分で思っているよりもキャリアは長距離走なんだなと思います。
どうしても、10年先くらいまでしか思い浮かべることができないけど、65歳まで働くならまだ約30年もある。
力がついてきたようにも思ってましたが、まだまだヒヨッコなんですね。
これからももっと成長できると思うと楽しみだし、きっと楽しく人生を歩んでいけるだろうなと勝手に想像しています。

長くなったな!
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