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プロダクトマネージャーに必要な「コミュニケーション能力」ってなんだ?

みなさんこんにちは!クライス&カンパニーの松永です。

はじめに

相変わらず、PM転職市場の活況が続いています。
プロダクトマネージャーとして成長したい!という現役PMの方はもちろんですが、未経験からPMになりたい!という転職希望者の方にもよくお会いします。

↓以前書いたnote

そういった方々には当たり前ながら「まずはPMの仕事の理解を深めて、今の自分との差分を理解することが大切」というお話をさせていただきます。その際に必ず触れているのが、PM業務におけるコミュニケーションについてです。

現役PMの皆さんとお話をしていると、ご自身の仕事には大いにやりがいを感じつつも、「地味」「めんどくさい」「泥臭い」と、苦笑いしながら、でもどこか嬉しそうにお話される方が多いのが印象的です。
この「地味で、めんどくさくて、泥臭い」部分。ここを紐解いていくとかなりの割合で「コミュニケーション」に行き当たると感じており、今回はそれをテーマに取り上げてみました。

PMの仕事におけるコミュニケーションの実例

ここからはこれまで私がお会いしたPMの皆さんの、コミュニケーションにおけるエピソードをいくつか紹介していきたいと思います。

①チームビルディングにおけるコミュニケーション

プロダクトマネージャーは様々な職種のハブになり、最高のプロダクトチームを作っていくこともミッションのひとつです。
「さあ、みんなで一丸となっていいプロダクトを作るぞ!おー!」
という掛け声だけでうまくいくわけではありません。

会議での発言しやすい空気づくり(ファシリテーション、場づくり)は想像しやすいところですが、Slackなどのツールの活用に頭をひねっている方もいました。
「やりたいことを気軽に発言できるチャンネルを作りたいが、どんなチャンネル名ならみんな発言しやすいだろうか」
「いまさら聞けないことをこっそり聞けるチャンネルを作りたいが、そこに招待するメンバーは誰にしようか」
「最近AさんのSlackでの発言が少ないな…何か気にかかっていることがあるのか、聞いてみよう」
こんな細かなこと(と言ったら失礼ですが)に真剣に悩み、いいチームを作るのもPMの仕事のひとつです。

↓こんなnoteもありました。

②ユーザー理解のためのコミュニケーション

ユーザー価値の最大化のためには、まずは何よりもユーザーを理解するべし!これはPMの仕事を語るうえでよく言われることですし、これがやりたくてPMになりたいんだ!という方もいらっしゃるのでは。
でも、本当に「深くユーザーを理解する」ためには、やはりちょっと特殊なコミュニケーション能力が必要なのです。

ある不動産系のバーティカルSaaSのプロダクトマネージャーは、毎月のように導入先の顧客の仕事を丸一日経験し、プロダクトの微妙な使い方の変化や直近リリースした機能の感触のフィードバックなどを逐一インプットし、プロダクトに活かしています。当然その日は会社を留守にしますし、休暇をとったのと同じだけ業務は溜まります。
その方曰く、「業務が進まない日があるのはとても痛い。でも自分が誰よりもユーザーを理解していると言えない状態でPMとして意思決定をしていくことは怖くてできない」とのことでした。痺れました…!

一次情報をとるために徹底した姿勢をとり続けることも、優れたPMに共通したスタンスのように思います。そしてユーザーに憑依できるくらいに理解するためには上記のような密なコミュニケーションが必要なのです。
10Xの代表、矢本さんもプロダクトマネージャー時代にはかなり泥臭くユーザーと向き合い、コミュニケーションをとっていらっしゃったそうです。

③経営や事業の意思決定に関するコミュニケーション

プロダクトの成長は事業の成長に直結しており、プロダクト≒事業となっていることが多くあります。

プロダクトマネージャーとして責任や裁量が多くなった時にどうしても発生するのが、自分より立場や役職が上の人たち、つまりは事業責任者や経営陣との折衝です。
複数の事業・プロダクトを抱える企業においては、あるプロダクトへの注力が、別のプロダクトのリソースを削って行われることもあります。そんなときに各方面にコンセンサスをとり、関係者の納得感を醸成したうえで物事を進める必要があります。

例えばユーザーからの支持は間違いなく、チーム内でもリリースに向けていい雰囲気で進捗が進んでいる機能開発があるとします。PMとして意気揚々と経営会議で発表したときに、別の事業の担当役員から「え、聞いてないよ?このまま進められるのは困るなあ。一旦ストップしてほしいんだけど」。この役員が前回の経営会議を欠席していたのは周知の事実ですが、社内の権力者である彼には誰も逆らえません。
こうなってしまう前に、会議の前にその役員とは別に時間を取って、ゆっくりと慎重にコンセンサスをとる必要があります。

これはプロダクトマネージャーの仕事なのか?と思われるかもしれません。もしほかにやってくれる人がいるのであれば、その方に任せるのがいいでしょう。でも、他にやる人がいない場合は間違いなく、プロダクトマネージャーの仕事なのです。プロダクトの成功のためなら何でもする、というスタンスはこういう時にこそ発揮されるべきでしょう。

まとめ

お読みになった方も多いと思いますが、「プロダクトマネージャーのしごと(第2版)」では丸々1章、「過剰コミュニケーションの技術」という章があります。

その最後、チェックリストの最初の項目に以下のような文言がありました。

「間違えるならコミュニケーション過剰な方を選びましょう。説明してよいか迷ったら、説明しましょう」

プロダクトマネージャーのしごと 第2版 オライリージャパン

個人的にこれは超名言だなと思っています。

プロダクトマネージャーは地味で、めんどくさくて、泥臭い。
その正体はコミュニケーションにありそうだ、というお話でした。

そんな仕事だからこそ、PMとしてキャリアを歩みたいと思った方はぜひこちらへ。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

クライス&カンパニー/松永

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