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これからPMを目指すあなたへ~未経験PM転職は茨の道~

こんにちは。
クライス&カンパニーPM支援チームの櫻内です。

GWが明けて本格的な転職活動に向けて始動を始める方も出始める頃かと思います。私はPMチームの中でも比較的未経験やジュニア層のご支援実績が多く、若手の駆け込み寺的存在を醸しています。(自分で言う 笑)

昨今嬉しいことにプロダクトマネージャーという職種が日本で認知されはじめ、「PMになりたい!」と弊社にエントリー頂く方も増えています。
ですが、よくよくお話を聞くとプロダクトマネージャーへの憧れが先行し、実態をよく認識しないまま転職活動へと舵を切ってしまっている方もいらっしゃるようです。

他の職種へのキャリアチェンジと同様に、PMへのキャリアチェンジも容易ではありません。
今回のnoteでは、特にPMへのキャリアチェンジを考える方向けに、キャリアチェンジの心構えやハードル、そしてその中で内定を勝ち得ていくためのポイントをお話していきます。

まずはPM転職へのハードル編

①未経験枠は超供給過多、激戦である

2024年5月現在、PM転職市場や即戦力となるミドルやシニア層へと採用がシフトし、特に未経験者OK枠の募集がある企業は数えられる程度です。
その少ない枠に対して転職希望者は経験未経験問わずとても多く、ライバル多数。超がつくほどの供給過多です。

また、企業側は社内異動での充足を図っているケースがあり、ドメインやプロダクトに対する知見がある社内異動希望者がライバルになってくるケースもあります。

②プロダクトマネジャーへの転身のしやすさは職種により異なる

未経験からPMにチャレンジする場合、2024年5月現在多くの採用枠はエンジニアやプロジェクトマネージャー、Webディレクターの経験者を対象としています。
その次に数は多くはないものの、コンサルタント含むビジネス系、CS職、UIUX職、マーケティングやドメインスペシャリスト等と続きます。
意外と自分が今担っている仕事とプロダクトマネジメントの近さをご存じない方が多いのですが、PMに近い業務経験があるかどうか?自分の現在地を知っておくことはとても重要になってきます。
この辺りは「プロダクトマネージャーになりたい人のための本」の第2章に詳しく書いてあるので、良かったらそちらをご参照ください。


③一番の近道は社内異動

しっかりと熱意や自分がいかにPMとして貢献できるかを説いて、社内異動の願いをしていますか?
仮に今の仕事が「プロダクトマネージャー」という肩書ではなくても、普段の仕事からプロダクトマネジメントに染み出していますか?

未経験からPMを目指す場合、一番の近道は社内異動といっても過言ではありません。先述したように、同じ社内であればドメインや顧客、プロダクトに対する知見があることはPMを志すにあたってプラスとなります。これまでの仕事で積み重ねてきた信頼貯金や社内の人間関係も役立つはずです。

未経験OK求人の採用要件は近い職種にほとんど限られています。プロダクトマネジメントに経験が遠い人であれば尚更、しっかりと社内異動の可能性を模索してから転職活動に踏み切った方が良いでしょう。

こちらは、❝いつのまにか❞プロダクトマネージャーになられた方の記事です。職種や肩書き等を気にせずユーザー志向で自社事業の課題解決をしていたら、PMになっていた好例です。良かったら読んでみてください。

内定を勝ち得ていくためのポイント編

さて、社内異動が叶わないのであれば社外に可能性を求めるしかありません。また、SIにいらっしゃる方については、そもそも自社プロダクトをもっている部署がなく転職を考えざるを得ないという方もいらっしゃると思います。
ここからは何がプロダクトマネージャーへのキャリアチェンジへの成否を分けるのかについて綴っていきます。

個人的に、下記3点がポイントだと考えます。

①PMへのコミットメントの表明
②PMの役割の言語化と、自分が活かせる経験のアピール
③PMに求められるコンピテンシーを持っているか

順番に解説していきます。

①PMへのコミットメントの表明

キャリアチェンジなのであれば当然「なぜPMを志望するのか?」は面接で聞かれます。
PMを志望する理由はもちろん、なぜPMでなければならないのか?というレベルまでしっかりと深ぼって説明出来るようにしておきましょう。

PMへ転身したい方は社内外問わず数多といます。そういった方々の中から選ばれるためには、人並みならぬPMへのコミットメント即ち「PMになりたい」という熱意のアピールが大変重要です。

以前エムスリーの山崎さんも同様の内容を語ってくださっていました。

②PMの役割の言語化と、自分が活かせる経験のアピール

上述した山崎さんの言葉をお借りすると、野球をみたこともないのにプロ野球選手になりたいというような話は非現実的であるのと同様、PMが何をする人なのかよくわかっていないのにPMになりたいというのも非現実的です。PMに伴走して働いた経験があるのであればその経験をもとに、無いのであれば書籍やコミュニティなどでしっかりと現役PMから情報収集を行った上で、PMという職種についての理解を深めましょう。職種への理解が深まれば、どういった経験・スキルが求められてくるかも見えてくるはずです。

候補者さんの自己PR欄を見ていると、恐らく職種を理解しないままレジュメに記載しているのか、見当違いのアピールが盛り込まれているケースがよくあります。

ポイントはプロダクトマネジメントのうち、「何ができて」「何ができないか」を業務レベル、作業レベルで言語化しておくことです。
例えば、プロダクトディスカバリーについてはプロダクト戦略策定、ビジョンやロードマップの作成、ユーザーヒアリング、データ分析、機能の企画、要求定義や開発の優先順位づけの経験があるかどうか。
開発については、機能の要件定義、スクラムやWF開発、QCD管理や要員計画といったプロジェクトマネジメントや、デザインに関するWF作成やモックアップ作成などについてが挙げられます。
その他の業務については割愛しますが、自分が経験したどんな業務であれば貢献できるのか?、またそのアウトカムをしっかりと棚卸ししておくことが肝要です。

「何ができないか」の言語化も、入社後の自己開発テーマを明確にする上で大事になってきますので、忘れずに。

③PMに求められるコンピテンシーを持っているか

先日山本が記事で使った「ラーニングモンスター」という表現がとても好きなので、ここでも使用します。

PMに求められる大事な行動特性に「ラーニング」があると思います。
PMはビジネス、開発やUXと様々な領域のスキルセットが求めらます。全ての領域について一朝一夕にマスターし得ることは難しいですし、世には次々と新しい技術やノウハウがアップデートされて、キャッチアップも求められてきます。
PMはラーニングモンスターとして、それらの習得はもちろん、実務の成功・失敗経験からもラーニングを重ねていきます。

PMの面接では失敗に関するエピソードを問われることも多いです。
失敗の要因や、失敗から何を学んだのか、その時に時を戻せて〇か月あげると言われたら何をするか、といった深堀りでラーニングのコンピテンシーがあるのかが問われてきます。

また、PMに求められる経験・スキルで今の自分に足りていないものは何か?や、それをどうやってキャッチアップしようとしているのか、といった質問も良く見られます。

足りない経験・スキルに関しては、習得意欲やプランだけではなく過去のラーニング実績とともに話せると説得力が増します。
過去にお手伝いした候補者さんで、エンジニアになるために一念発起してフルタイムのプログラミングスクールに通いエンジニアとして転職をされ、さらに社内でプロジェクトマネージャーへの異動を模索される中でPMPを取得され、見事に異動された候補者さんがいらっしゃいました。
プルグラミングスクールへの通学や資格取得は分かりやすい例かもしれませんが、事実ベースでこれまでの学習遍歴を伝えられると、「きっと自社に入社しても同じように努力を重ねて習得していってもらえるのでは」という期待を持たれると思います。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
プロダクトをもつ企業が世の中に増えて、昨今ますますプロダクトマネジメント職のニーズは高まっています。ですが、プロダクトマネージャーは企業にとっての要と言っても過言ではない存在。未経験からPMへの職種チェンジは容易ではありません。

プロダクトマネージャーという職種がホットになったこともあり、候補者さんとお会いする中で、興味だけが先走ってしまっているのかな?と思うこともしばしばあります。

今一度、なぜPMなのか?を自分へ問い、棚卸しをしてから活動を始めましょう!


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