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Youはどうやって未経験からPMになった?( STORES 森山さん編)

こんにちは。クライス&カンパニーPMチームの菱沼です。
先日6/14に「プロダクトマネージャーになりたい人のための本」と題して、弊社顧問の及川卓也氏の監修のもと、PM支援チームの松永・山本・武田で執筆した書籍が発売となりました。

本著は、プロダクトマネージャーを目指す方、これからレベルアップしたい方向けの内容となっており、弊社が積み上げてきた1,200名以上のキャリア面談の血と汗と涙の結晶となっていますので、是非ご興味ある方はご覧になっていただきたいです。(冒頭から宣伝ですみませんmm)

さて、今回の「Youはどうやって未経験からPMに?」シリーズでは、職種や肩書き等を気にせずユーザー志向で自社事業の課題解決をしていたら、いつのまにかPM経験者になっていた。という STORES の森山雅子さんにお話を伺い、たくさんのヒントを頂きました。

専門的な職種として捉えられがちなPM職ですが、実はスタンス・心構え・思考法でPM力を高められる!という気付きを得られる内容になってます。
これからPMを目指したい方が明日から実践できるナレッジや思考法について盛りだくさんなお話を聞けましたので、是非ご一読ください!


■森山さんのご経歴

ベンチャー2社で営業や企画職を経験した後、リブセンスでは業務改善やオペレーション企画等を経験→現職 STORES にはコイニー時代に入社し→hey→STORES の変遷を経て、現在に至る。
元々は審査業務で入社したが2019年からプロダクトマネージャーに異動され、STORESの決済のプロダクトを担当されている。(業務範囲はロードマップ策定から、課題定義、 優先順位付け、データ分析、PjM、課題発見 〜 デリバリーまで一貫して担当)

STORES 決済プロダクトマネージャー 森山さん


■どんな経緯/プロセスを経てPMに?

コイニー入社時はキャッシュレス決済の審査チームでチームのKPI可視化、改善、施策立案を担当していました。当時、まだプロダクトマネージャーという職種が社内に存在しなかったし、そもそもそんな職業があることすら知らなかったので、まさか自分がそのポジションでキャリアを築いているとは考えもしませんでした。笑

PMの世界に足を踏み入れたのは、社内でプロダクトのKPI改善のプロジェクトが立ち上がった際に「PMにならないか?」という声かけを頂いたことがきっかけでした。声をかけてもらったもののもちろんPM未経験です。なんで私なんだろう・・?と思ったのですが、審査業務で作成していたドキュメントを見て頂いたらしく、そのアウトプットの視点や切り口から興味を持って頂けたみたいなんです。

これまでは審査という業務でしたが、その中でも常に課題に対して仮説を立てて、それに対するアクションを検討し、その振り返りをして、改善をまわす・・というサイクルをドキュメントにまとめていたのですが、そのアウトプットが目に留まったみたいです。自分としては当たり前だと思っていた仕事の習慣が実はPMに必要な素養を満たしていたのかもしれないです。当時はPMという職種名が社内に無く、KPI改善プロジェクトのリードとしてのアサインだったのですが、せっかく声をかけてくれたし面白そうなのでチャレンジしてみようと思いました。

■気づいたらPM的な仕事をしている人は案外多いかもしれない

今、思い返してみると審査チームにいた時も、審査という業務プロセスに閉じた改善だけではなく、一連のフローを俯瞰してみて「ユーザー視点で何を提供すべきか?」「申し込み前にもっと届けるべき情報があるのでは?」という観点で改善を提案していたのですが、これはまさにPMの視点だったと振り返っています。

自分は私生活でも「そもそも」を考えるのが好きで、よく課題の根っこが何なのかを探している気がします。改善したい欲が強く、問題に気づいたらスルーできないタイプなので笑。そのプロジェクトに参画した時も仮説を多数出せる自分に気づいて初めて、適性があるかもという発見がありました。実は世の中にこういう人は結構存在しているように感じており、PM的な思考法をしていても自分で気づいていないケースも多いように思います。

■社内初のPM組織立ち上げはかなり大変だった

2020年にPM的な役割を担っている人が私以外にもう1名いたので、2名のチームになり、社内でもようやく正式にPM組織が設置されました。ただ、このPMというポジションの役割や、定義、存在意義を自分たちで作りながらプロジェクトをリードしなければならなかったのはかなり大変でした。

PMの役割が明確になっていない中で、エンジニアやデザイナーを巻き込んでプロジェクトをリードする必要があるわけです。今までと何が変わるの?という問いも出てくる。存在意義をどうつくるか。これが非常に難しかったです。そもそも自分がこの仕事の型を知らなかったですし、やるべきことを決めていく時も、自分がどこまで決めてよいのか?すらわからない。多数決的な合議にもちこんでしまうと無難な施策になってしまう。それだとPMの仕事としてはダメなんですよね。

自分も含めて皆がやりづらそうな雰囲気が漂っており、「この状態は良くないな・・・」という時間が続き、相当胃がキリキリするような時間がしばらく続きました。ただそのままでは何も解決できないので、その上手くいっていない気持ちを皆にオープンに伝えて、「どうしたら良いか?」「どうして欲しい?」とアドバイスを求める中で、自分のスタイルを見つけていくことができたと感じています。「アドバイスをください!」と言えば必ず助けてくれる会社だったので、そこに救われた部分も大きかったですね。

また、開発の知見は全くなかったので基礎を身につけるためにとにかく書籍を読み漁りました。プロダクトマネジメント、UI/UX、エンジニアリング組織論、超初心者向けのweb技術入門書も集中的にインプットしました。分からないことがあったら教えてもらう。読んだ内容を実際の現場でアウトプットしてみる。などを反復していく中で徐々に開発メンバーとスムーズに連携できるようになりました。やはりトライ&エラーは重要だなと思います。

■プロダクトの責任者として経営の意思決定を自分の言葉で語れるか

最も辛かった出来事としては、PMになって1年が経ち、ようやく仕事にも慣れて楽しくなってきた矢先、会社の方針でプロジェクトが突然打ち切りになり、自身も納得できないままその方針をメンバーに伝えなければならなかったことです。頑張っているエンジニアたちに伝えるのが辛かったし、納得行かないメンバーからは当然ハレーションもあったし、メンバーも自分もモチベーションを下げてしまったことがありました。「やはり自分はPMに向いていないのではないか?」と相当落ち込んだ記憶があります。

でも振り返ってみると、経営の意思を自分の中に腹落ちさせられていなかったことがイケてなかったんです。自分が納得できていないのに、自分の言葉で伝えられるわけがないし、メンバーを納得させられるはずもありません。明らかにスキル不足でしたね。今だったら自身がプロダクトの責任者として、会社の方針とプロダクトづくりの足並みを揃えて、しっかり説明ができると思います。だいぶ成長しました。笑 これからPMを目指す方、PMになりたてで苦戦されている方も、まずは経営とプロダクトを自分事として捉えるだけで景色が変わる気がします。

■これからPMを目指す方にアドバイス

まずは「なぜPMになりたいのか?」「それってPMにならないとできないのか?」を考えてみると良い気がします。今の立ち位置の中でユーザーを思いながら、改善提案はできないのか?実際にやってみて検証してみるのも一つかもしれないです。PMという仕事はプロダクト開発の責任は持つものの、一人では何もできない仕事でもあります。つまり、PMでなくてもプロダクトづくりに関わることができるわけです。ユーザーを主語にして仕事に取り組み、ユーザーのためのことを何でもやってみる。そこでのトライ&エラーがPMになるための近道かもしれません。

トライ&エラーの話とあわせて、「振り返り」は重要だと思っています。仮説を立てて、実際にやってみての結果がどうだったのか?ということが重要です。わかりませんでしたで終わらせない。その結果をもとに次をやる。息をするように振り返りをする。そこから成長実感を得ることもできますし、気づきもあるはずです。私は常にKPT形式で、Problemがあったら、Tryをすることを考えてます。もしかするとこれがPMの思考法なのかもしれません。「もっとこうなったらいいのに」という気持ちが自然に芽生えて来るようになったら、きっとどんな環境でもPMを務められると思います。

■森山さんおすすめ書籍

①EMPOWERED 普通のチームが並外れた製品を生み出すプロダクトリーダーシップ
※おすすめコメント「どのようにプロダクトをリードしていくのか?のヒントがたくさん書かれています。」

②具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ
おすすめコメント「"具体のみでは目的がわからない"、"抽象のみでは目標に辿り着けない"。まさにPMは具体と抽象を行ったり来たりするお仕事なので、必読です!」


■最後に
いかがでしたでしょうか?
個人的には「どんな立ち位置、部署にいてもPM思考は鍛えられる」という話が目からウロコで、森山さんの仕事に対するスタンスやマインドセットのお話を聞きながら唸りっぱなしの60分でした。

どんな仕事をしていてもユーザー/クライアントがいるわけで、その相手を思う気持ちで仕事してみることがPM職への近道なのではないか。そんなことを思いながら森山さんのお話を聞いていました。

転職と同時にいきなり未経験からPMにチャレンジするのはそこそこハードルが高いこともあり、今手掛けている仕事の中でPM思考を回転させる、ユーザーのための仕事をするだけでも、PM職としてのトレーニングができるかもしれません。企業との面接では実務経験以上に、こういった思考法やマインドセットからポテンシャルを測っていることも多いので、是非森山さんのお話を参考にして頂けたらと思います!

プロダクトマネージャーのご転職の相談もお気軽にどうぞ!


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