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PMCOMF2021まとめ#4 エムスリー山崎さんに聞く!PMの面接・選考のポイント

大事なことなので最初に言います!このnoteは永久保存版です!
PMキャリアに立ち止まったらいつでも読みに帰ってきてください!

<2022年6月9日追記>
山崎さんが登場されるPodcastがリリースされました!
是非こちらもお聞きください!


プロダクトマネージャーカンファレンスの報告レポート第4弾は、12:05頃からクライスのDiscordにて開催されたエムスリー山崎さんとの企画の様子をお届けします。
転職活動をする際に、採用企業がPMのどんなところを見ているのか気になりますよね。PMの皆さんが気になるポイントを、日々沢山のPMとお会いしている山崎さんに弊社松永&山本がお伺いしました。

※今回は山崎さんにご登壇いただいていますが、エムスリーの選考対策ではなく、あくまでも「一般的なPM選考のポイント」であることをご留意いただけますと幸いです。

学び

<①これからPMにチャレンジしたい層>
・PM未経験チャレンジで最も大事なのは、「コミットメント=PMになりたいという熱意」
 ーいかに社内で順番待ちをしている「PMになりたい集団」を熱量で追い越せるか
・アピールできる実績がない/乏しいときは、PMと一緒に仕事をした経験(伴走経験)がPMエントリーの肝になる

<②現職でPMをやっているが、まだジュニアからミドル。次の職場でもPMメンバーを考えている層>
・アピールには兎にも角にも「実績」が一番大事。
・アウトプット(やったこと。経験)をアピールするのではなく、アウトカム(やったことの結果)で勝負する。
・経験のアピールでは、
 ーPM組織内での動き(他PM、上位/下位レイヤーPMとの分担、かかわり合い)
 ーPM組織外での動き(エンジニア、デザイナー、Biz等との分担、かかわり合い)
 を区別して説明することが大事。これらにより、採用後の活躍イメージが想像されやすい
・リリース後にアウトカムをどう出したか、までが貴重な経験/体験。アウトカム前に辞めるのはもったいない
 →ただその環境でアウトカムを出せない理由があるならやむを得ず。
 ーMVP開発やリリースだけだとPMとしては不十分。PMF(MSP→拡販耐性)まで進んで一人前。

<③事業もまかせろ!なシニアPM層>
・経営者との伴走経験がどれだけあるかが重要
 ※未経験者とは伴走レベルが上がるイメージ
・アウトカムは言うまでもなく大事
・企業のミッション、ビジョン、バリューとどこまでフィットできるかが最大のポイント


どのPM階層にいるかでスキルジャッジが変わる

クライス:山崎さん、採用企業側はどのようにPMのスキルジャッジをしていますか。

山崎さん:(エムスリーの採用選考という観点ではなく、あくまで一般的なPMの採用選考という観点でと前置きをしながら)PMといっても色んなPMがいて、ここではPMを3段階に分けて話をしていきます。

①これからPMにチャレンジしたい層
(エンジニアでもマーケでも、企画でもOK)
②現職でPMをやっているが、まだジュニアからミドル。次の職場でもPMメンバーを考えている層
③事業もまかせろ!なシニアPM層

このいずれかによって準備やアピールが変わってきます。

①これからPMにチャレンジしたい層

山崎さん:①の層であれば、これからPMにチャレンジしたいということを中心に、なぜPM?どんな準備をしてきたか?を伝えることが大事です。
そして、何よりも大事なのはコミットメントと実績。

コミットメントとは、PMになりたいという熱意、そのプロダクトにコミットするという熱意です。
採用企業目線に立つと、社内には他にもPMになりたいという人がいるかもしれないわけです。そういった人たちを押しのけて、外からPMとして入るわけですから、中途半端な気持ちでPMとして入ってこられると既存メンバーとの間にねじれを生みます。

クライス:半端な気持ちでPMを受けても採用は遠い!ということですね。

山崎さん:実績については、PM未経験ですから当然ながらPMとしての実績はありません。その場合は、PMとの伴走経験をアピールしましょう。

質問者Nさん:伴走経験がない場合は?

山崎さん:PMとの伴走経験がない場合は、野球をみたこともないのにプロ野球選手になりたいというような話になるので、正直厳しいです。
例えば社外活動や、PMカンファレンス等の場で現役のPMと接触をして学んでいきましょう。


②現職でPMをやっているが、まだジュニアからミドル。次の職場でもPMメンバーを考えている層

山崎さん:②の層がアピールすべきは、実際にどこまでPMとして出来るのか、PM経験そのものになります。最も大事なのは、アウトカムです。

意外と多いのが、〇〇をしたと経験を羅列して、実績=アウトカムがレジュメに書かれていないパターンです。
何を作ったか?ではなく、その結果どうなったか?までをアピールすること。今までどんな経験をして、どんな学びがあって、どんな実績があるのかをしっかりアピールしましょう。

質問者Mさん:PMの方って、コラボレーションの中で成果を出すことが多くあり、その方が成果の中心となれる方なのか、どのように見極めていらっしゃるか、アドバイスを頂けると助かります

山崎さん:採用する側としては限られた時間で見極める必要があるので、想像するしかありません(笑)。

②と③の違いから②を掘り下げます。
②のジュニアからミドル層で大事なことに、組織の中での自分の役割や立ち位置を理解して話せることも挙げられます。
組織の中の動きは2軸です。
1:PM組織の中での動き
2:プロダクトチームの中でどういった方に支えられてきたのか(エンジニアMgr、PMM、事業責任者、etc) 

そのチームの中でどういう役割を担って、何を自分でやって、何をサポートしてもらったのか等、現在上司に当たるようなPMとの関係性の説明が出来ること。②の方が面接に行くと、恐らく上司になるようなPMと会うことも多いと思います。
これが伝えられると、その人がメンバーとしてどういう行動をしてくれるのか見えます。

山崎さん:他にも、採用企業側はその人に入ってもらったらどれだけプラスになるかというポジティブな影響と、どれだけ採用リスクを減らせるかの両軸で見ています。
採用リスクとは例えば、「経営をしたことはないけど自由に経営をしたい」人、「成功したプロダクトを作ったことはないけど自由にプロダクトを作りたい」人等、実績がないのに極端な裁量を求めたりする場合ですね。

Willの強さや度合によってはリスクを意識します。

③事業もまかせろ!なシニアPM層

山崎さん:③の層は採用後、多かれ少なかれCEOとの伴走が必ず発生します。会社のビジョンミッションと上手く向き合って最高のプロダクトをつくるのが大事になってきます。

③の層の何を見るかというと、やはり事業責任者や経営者との伴走経験です。
経営者との衝突や経営方針との衝突も起こりえる訳で、ベンチャーやスタートアップにいけばいくほど経営者との伴走が大事になってきます。

クライス:伴走レベルが上がるわけですね。

山崎さん:③の層の方も、結局はアウトプットではなくアウトカムが重要です。経営者との伴走の中で、どういう行動を起こして、何を実績として残したかが語れることが大事です。


Q&Aタイム

クライス:レジュメにリリースしたことを実績として書かれる方もいらっしゃるのですが、これを実績として転職は可能なのでしょうか。

山崎さん:リリースをした後、アウトカムがどうだったか学ぶところまでやった方が良いです。リリースした後の方が学びが多いので、そういった方はPMとして学ぶことがまだ今の会社にあるのでは?と思います。実績が出るまでは一般的には転職にはまだ早いです。

クライス:なぜリリースした後の方が大事なのですか?

山崎さん:PMF(Product/market fit)の体験が出来るからです。MVP(Minimum Viable Product)からPMFフェーズに進んでいるかでPMとして体験出来ることが違います。
ちなみに、PMFには二段階あります。最初の段階はMSP(Minimum Sellable Product)、次の段階はその後拡販に耐えるか否か。

質問者Sさん:正しいプロダクトマネジメントを行っている企業なのかどうかは、どうやって見分ければいいのでしょうか?

山崎さん:良いプロダクトをつくっている会社、自分が愛せるようなプロダクトをつくっている会社でしょうか。
良いプロダクトの裏には良いPMがいるはずです。
自分が好きなプロダクトの感想を周りに聞いてみても良いかもしれません。

私は毎日TechCrunchの新しいプロダクトのリリースを見て、イケてる・イケてないを分類してトレーニングしていたりします。
イケているかどうかは、その後のIPO等でわかってきます。仮説分析が重要です。

終わりに

山崎さんには非常に示唆に富んだアドバイスをたくさんしていただけました。特に、

・アピールすべきはアウトプットではなく、アウトカム
・PM内での役割、プロダクトチームでの役割について説明をどこまでできるか
・PMはMVP(リリース)だけでなく、PMFまでが大事
・未経験なら伴奏が鍵(CPOを目指す時も一緒)

といった点は、永久保存版の視点だと思っています!
(早速今日からこれらのフレーズを使わせていただきます笑)


1人でも多くのPMのみなさんが、これを見て明日からの(いや、今日からの)活力を出していただけたら嬉しく思います。


PMのキャリアで迷ったら是非このnoteに戻ってきてください!

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