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こんにちは!クライス&カンパニーPMチームの櫻内です。
育休中に配偶者がアメリカ赴任になり、アメリカからフルリモで復職しています。

さて、今回は先日プロダクト筋トレ(以下、プロ筋)に松永と山本がお邪魔して、「プロダクトマネージャーになりたい人のための本」の質問会を行ってまいりましたので、その様子を2回に分けてお届けいたします。

#プロなり質問会の前提
質問会に先立ちプロ筋で本の輪読会が催され、そこで集められた質問に答えていくパネルディスカッション形式で進められました。

それでは、早速どうぞ!


質問1:転職者ウケの良い募集要項や内容の書き方

山本:何をやるのかを書くことは多いですが、そこの解像度が粗いとよく分からないです。あえて「これはプロダクトマネージャーの業務ではない」というものを明記することで、解像度を上げるという手法をとっている企業さんもあります。

業務内容は会社間でそこまで変わらないので、企画寄りを厚めにやってほしいなら強く書いた方が良いですし、より開発側やプロジェクトマネジメント要素が強いのであれば、それは書いた方が良いと思います。

それ以外の所では、PMは色んな職種の方と関わるので、どういう役割分担をしているかは書けるなら書いた方が良いです。特にプロダクトで何をつくるかの意思決定のところです。
大方、PMが決めるのかビズサイドが決めるのかになるかと思うのですが、そのような意思決定プロセスがどうなっているのか?は結構な方が気にされるのではないかと思っています。Howの部分はそこまで差は出ないと思うので、WhyWhatの部分をどうやって意思決定するのか?どうやってロードマップをつくるのか?優先順位を決めているのか?は書けるのであればあった方が分かりやすいです。

あとは、今のPM組織に何人いるかや、そこにエンジニアやデザイナーが何人いるかという人数情報。
また、プロダクトマネジメント組織というものがあるのか、所謂開発組織という中で括られているのか、事業部付きにいるような形であったり等組織形態が色々あり、それにより意思決定構造が変わってきます。

要は、余すところなく全部書いてしまった方が、解像度が高まります。
それだけ今PMの求人が市場に溢れすぎているので、具体性があればあるほど求職者にとっては良いです。

松永:僕の方からもお話させていただくと、やはり組織の話です。
プロダクトマネージャーのチームがざっくり分けてテック組織にあるのかビジネスサイドにあるのかというだけでも、全然受け取り手の印象が変わってきます。まず、組織の話は出来るだけ細かく書いた方が良いということは特にお伝えしたいです。

もう一点、求人票は良いことを書きたくなると思うのですが、PMは課題に燃える方が多いので、「これにめっちゃ困っているんです!」というのを書ける範囲で書くのはとても有効で、その課題に腕まくりをして入ってくれる人を探すのも有効だと思います。

ファシリテーター:求人票作る上で解像度が低いと良くないという観点で、これは絶対必要なのに見落としがちだということは何かありますか?

山本:求人票と募集要項はまた別物と捉えていて、求人票は大枠が決まっていて、文字数制限があります。
そうすると本当に最低限の情報しか書けないので、プラスαで別ページで組織の話や課題の話、意思決定構造の話等があった方が、転職者がその企業に興味を持ってカジュアル面談で別のことを聞こうと思えるようになるのではないかと思います。
求人票とプラスαの情報を書かれている企業さんが少ないという感覚です。

松永:今の質問に関連するnoteを書いているのでぜひご覧ください!

質問2:プロダクトマネージャーの転職市場において、転職者からみて今どの市場が人気なのか?

山本:弊社がお会いしている中でという限られた中での話になりますが、皆バラバラです。他の職種と比較して十人十色だなという気がしています。
toB派、toC派もいれば、0→1派、グロース派、スタートアップで一人目派もいれば、大手で一定の規模感が欲しい派、特定の業界向けではないホリゾンタル派、ホリゾンタルは最終的に機能で差をつけるのが難しくなるのでより深く入り込めるバーティカルが良い派がいらっしゃったりと、皆さん違うことを仰ります。

これは企業側の目線からの質問かと思ったのですが、自分たちが欲しい層を逃さずに獲得するかということや、如何に自分たちがターゲットにしていない人にも受けてもらうか、この2点が採用戦略として重要になってくるのかなと思います。

ファシリテーター:逆に言うと、どの業界だから不人気等ではなく、転職者自身によって様々なご志向をお持ちということですね。

山本:領域の人気不人気はあまりないと思います。しかし、マーケット的にはピラミッドになっていて、当然ジュニアや未経験の方が多いので、PM組織がしっかりしている、一定学べるところが良いという声は、人口が多いが故に良く聞きます。

質問3:PM業務が細分化されてPdMとPMMに仕事が分かれている会社もあるが、PMMのニーズは転職市場においてどの程度あると感じているか

山本:ざっくりとした回答になりますが、PdMの求人が10あるとしたらPMMは2ぐらいの求人量だなと思っています、
PdM自体も毎年毎年求人数が増えていますが、PMMは2年前位から目にするようになり、昨今PMMという機能を切り出している求人は増えてきているという印象です。

ファシリテーター:PdMは組織として育てるというケースが多くなっていると思うが、PMMの場合一人目の採用なのか、育てるなのか、或いは別の形なのかどういった求人が多いのでしょうか。

山本:PMMは特定の組織を除いてPMMの組織がしっかりあるようなケースはあまりまだ見かけません。いて一人二人、そんなに多くないです。
PdMと違ってPMMはマーケティングをやりながらPMMになっていたケースや、事業企画をやりながらPMM的なことをやられている等といったケースが既存メンバーとしては多く、PdMの経験があってPMMに転職をするという事例がそこまで多くないかなとは思っています。
PdMの初期のころの転職市場に似ているなという感覚です。

ファシリテーター:今後増えてくるのでしょうか。

山本:増えていくとは思いますが、PdMの伸び方ほどではないと思っています。
PdMの場合は、プロダクトを持っている会社には必須になってきていますが、PMMはまだそこの思想が分かれています。PMMにあたる業務をPdM側で吸収したり、事業企画側で吸収したり、BtoBマーケで吸収できるよねという感じで、あえてPMMを置かないという方針の会社もあります。

PdMを置かない組織はおそらくないと思うのですが、PMMは置かないという方針があるため、伸びるとは思いますがPdMほどの伸びではないと思いますし、PMMの機能自体が先ほどお伝えした事業企画やtoBマーケ等といった機能に分散していく事例も増えるだろうと考えています。

パネルディスカッションで話す山本(右)と松永(左)

質問4:面接の場に相手企業のプロダクト改善策をもっていく際の上手な持っていき方

ファシリテーター:質問者の意図として、未経験の場合行動量しかアピールするポイントがないため、どういったポイントをアピールすれば良いのか。
例えばユーザーインタビューを10~20人近く行った行動量や熱意も悪い方向に働いてしまわないかどうか、それが効果的なのか教えていただきたいということでした。

山本:効果的かとは思うのですが、仰る通り持っていき方は大事です。
というのも、行動量自体をアピールすることはとても良いことですが、変に勇み足を踏んで御社のプロダクトの悪いところはこうです!と切り込んでしまわれるのは勿体ないと思っており、出来れば「改善策って何だと思う?」という質問を相手にさせる持っていき方が重要です。

課題として出されてもいないのに、「御社のプロダクト改善策を20個考えてきました」が
刺さる企業もあるとは思いますが、刺さらない企業や面接官もいらっしゃると思います。
例えば「結構色んな会社さんやプロダクトを自分で使ってみたり、ユーザーヒアリングしてみたりということを今プロダクトマネージャーではないがやってるんです」と言ってみて、「じゃあちなみに気になったプロダクトってある?」という質問を面接官から引き出し、●●会社さんのプロダクトがこうこうこうでと答えた後に「で、うちのはどう思う?」と聞かれたらそこで出す位がちょうど良いかなと思っています。

ファシリテーター:自分が採用する側でやられても嫌だというケースと嬉しいケースとを想像すると、持っていき方が大事という話はすごいよくわかります。

松永:おそらくこれをやる場合って、とっても行きたい企業に対してやっているんじゃないかなと思います。なので、「御社最高です大好きです」と
伝えていくと、「じゃあうちのサービス使ってみてどう?」という質問があると思いますので、そういう持っていき方もありかなと思いました。

やはりPdMとして自分がやっているプロダクトに興味を持ってもらうことは絶対に嬉しいはずですし、やり方を間違えなければ歓迎されると思います。

質問5:未経験、ジュニア、ミドル、シニアでそれぞれビジネス能力、技術力、ユーザー体験力をどう伸ばしていったら良いのかが知りたい

山本:ものすごく難しいですが、基本的にはoff‐JTで伸びていくものではないので、OJTで伸ばすしかないと思います。

技術力はエンジニアの能力だと思うので、そちらを伸ばすのであればエンジニアと一緒にいる滞在時間を増やしていくであったりとか、コードを書けるようになっていくという手があると思います。
ユーザー体験であればできる限り営業とお客様先に行ったり、ユーザーの課題を深堀っていくところをトライアルしていくしかないです。
逆にビジネス能力であれば事業側、特にジュニアPMの方はどうしても事業価値の目線が弱い傾向にあるなと感じており、逆にシニアPMやCPOの方とかはそういう認識が強いです。
より数字を作るという観点で物事を捉えてみたり、事業側のMTGに出てみる等、OJTで身に着けていくしかないと思います。

ミドルやシニアの方とお話をしていると、皆さんそうやって伸ばしてこられたのだと強く感じています。
特にシニアになるためにはビジネス能力は不可欠だと思っています。

シニアになると立場も上がり、会社全体の経営も見るようになってきますので、その時に「良いものをつくりたい」だけですと、経営の能力として弱い形になってしまいます。今の短期中期長期のプロダクトロードマップがどういう風に収益を生み出していくのかや、他社と競合してどのような形で自社が勝っていくのか等、ビジネス側の目線を持っている方がシニアになっています。
ビジネス能力はもしかしたらジュニアミドルからシニアへのブレイクスルーポイントなのかなと思います。

松永:プロダクトマネージャーはユーザーへの提供価値ということがすごく大事な仕事だとは思います。同時にどこかで収益を伸ばしていくというビジネスの責任を負うのだという覚悟を持つことは、シニアにステップアップしていく上でとっても大事な視点だと思います。

どんな記事を読んでもユーザーの課題に寄り添い、ユーザーの課題を発見するんだ、ユーザーへの価値を高めることでプロダクトの価値を高めていくんだとあり、これは間違っていないと思うのですが、そこに当然のようにあるビジネスの収益を伸ばしていくことはとっても大事なことだなと思います。

これもついこの間noteに書いた記事がありますのでご覧ください!


いかがでしたでしょうか?
近日公開のVol.2へ続きます。


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