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LEONE #46 〜どうかレオネとお呼びください〜 一章 第10話 2/3
「それはどういう意味ですか!」
『銀河銀行』の『ペイV』支店長―アダム・コープランドの顔には、すでに血の気が見えなかった。
「お願いされた、いや、言われるままに全部やったでしょう! すでに懸賞金の狩人たちが『カウボーイの夜』を繰り広げています。もうその小娘が捕まるのは時間の問題なんですよ!」
彼としては悔しさ極まりないことだった。
コープランドの言う通り、彼は彼の顧客が注文した依頼をすべてやり遂げた。
彼の顧客は、恐ろしいくらい大金が入っているある口座番号を教え、その口座から誰かが金を引き出そうとする時に銀行が取るべき一連の措置を頼んでいた。
とても丁寧な言い方で「口座の暗証番号が盗まれたようだ」と伝え、もし誰かがその口座から金を引き出そうとしたら、発信器を取り付けたカバンを渡して、引き出した人の写真を送るよう、何度も指示した。
最初はたいしたことではないと思ってた。
その客は「『パンテラ』の恒星界の頭取全員に同じメッセージを送った」と言っていたし、コープランドとしては、頭のおかしい奴ではない限り、まさかこの賞金稼ぎの惑星に金を盗みに来ることはないと考えていた。
しかし残念ながら、コープランドがその通話を終えると同時に、その少女は現れた。
「Mr.コープランド」
受話器の向こうの声は、乾燥して落ち着いていた。間違いなく機械を通して変調した声で、彼の顧客は話を続けた。
「私はあなたを責めているわけではありません。あなたは私が頼んだとおりに、完璧に仕事を処理してくださいました」
「でしたらいったいなぜ……!」
「……ふう。正直に申し上げましょう」
コープランドは乾いた唾を飲み込み、顧客の次の言葉を待っていた。
相手はしばらく間をおいた後、とてもゆっくり話した。
「……今から起きることは、私の統制がきかない状況です」
著者プロフィール チャン(CHYANG)。1990年、韓国、ソウル生まれ。大学在学中にこの作品を執筆。韓国ネット小説界で話題になる。
「公演、展示、フォーラムなど…忙しい人生を送りながら、暇を見つけて書いたのが『LEONE 〜どうか、レオネとお呼びください〜』です。私好みの想像の世界がこの中に込められています。読んでいただける皆様にも、どうか楽しい旅の時間にできたら嬉しいです。ありがとうございます」
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