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私の「高機能自閉スペクトラム症」〜世界自閉症啓発デーを迎えるにあたり

皆様、Happy Autism Pride! Happy Awareness!!
4月2日は世界自閉症啓発デーです。その節目にあたりいろいろ書きたいと思います。

 まず、私が診断されてカミングアウトしているものは「高機能広汎性発達障害自閉スペクトラム症 アスペルガータイプ/重度」「特定の難読症」です。学術記事によると自閉症スペクトラムは58~100人に1人、厚生労働省によると「狭い意味での」アスペルガー症候群は4000人に1人いるといわれているそうです。

【参考:厚労省e-ヘルスネット、AFP】

自閉症;https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-005.html
(リンク先欧文)https://pediatrics.aappublications.org/content/120/5/1162

アスペルガー症候群;https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-006.html

難読症(学習障害の一形態、発達性ディスレクシアと説明);https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-004.html

・「高機能広汎性発達障害自閉スペクトラム症」について
 診断された当時は「アスペルガー症候群」でしたが、のちに「精神障害の診断と統計マニュアル」による定義の組み換えと広汎化もあり現在は「自閉症スペクトラム障害」と名称が変わり診断書と公的機関へ出す資料については「広汎性発達障害…自閉症スペクトラム障害 アスペルガータイプ」と表記されるようになりました。
 「自閉症」が、狭い意味で知的障害があるイメージがあった(その自閉症に「カナー症候群」などがある)ことから、自閉症という特徴が知的障害の有無にかかわらずおこりうることがわかりやすくなりました。

まず、このNoteでは高機能自閉スペクトラムについて私の経験と特徴をつづっていきたいと思います。

私の「高機能自閉スペクトラム症候群」

 「アスペルガータイプ」のステレオタイプな特徴に関しては厚生労働省のHPに記されていますが、アスペルガータイプにも様々な人がいます。私の場合の特徴は、主治医の先生から説明されたものは「高IQ型、ステータスの偏りが非常に激しい、自閉指数(AQ)が非常に高い」というもので、定義は「重度」であるそうです。かつて重度の自閉症というと知的障害がある自閉症といわれたものでしたが、今は自閉症と知的障害を完全に分別して、誤解をなくすように自閉スペクトラム症という病名を使うことにより知的障害の有無は関係ないということがわかりやすくなりました。しかし、「重度」といわれても何が重度なのか自分でもよくわからずこれをもって障害であるとするかどうかはシーンによっても極端であり、コミュニケーションやステータスの幅が激しいものがかかわるものは確かに非常に障害を感じるものであり、何か自分のスキルを持っていることに取り組むことに対しては逆に自分にとっては「ほかの人がきつく感じる理由がわからない」という意味で障害と感じないものもあったりします。
 また、先天性自律神経機能不全という神経の障害と合併しています。


§1 拘りが強く固執癖がある;主治医曰く「先天性のオタク」

 アスペルガー症候群の典型的な特徴で、オタクであることです。私は拘りや興味、趣味に対しては分野別の偏りが激しく、とことん探求し取り組むこと、ものの収集癖(数学的規則のあるもの、人形、文房具…)が幼少時からありました。少なくとも文字だけを読めるようになった能力がついたのは急速で、単純計算も義務教育より前にこなせていました。今は「音楽」「色彩」「数字・数学など理系のもの」「パソコン・機械系」「漢字」「放射線関係」に活かすことができています。正式な病気の名前ではない名称だと、「サヴァン症候群(日本語で賢いバカ症候群)」という名前があるそうです。これを主治医の先生からは「授かった脳の特性による先天性オタク」と説明されていました。
 今は天職につながったものがあっても、この事象は義務教育の頃にはトラブルを起こしたものであり、ゆとり教育に対する暇を解消するため「ギフテッド」で対抗してその蘊蓄で浮きこぼれてしまい嫉妬にかられる、「学校で習っていない正答」を不正解にするなど暗黙のルールが合わないことに対する軋轢がありました。
 しかし、義務教育でも「先天性オタク」に関する利点は沢山ありました。部活やクラブ活動では顧問の先生から模範を任される、県の音楽コンクールではソロで好成績をおさめる、漢字検定/数学検定に受かったことに対して「神童」と校長先生からじきに褒められる、独学で学んだ語学をセンター試験で利用するレベルまで伸ばすことができたことなどがありました。


§2 人の行動の推測が難しい、「忖度」をしない(できない)

 「空気を読め」という言葉がありますが、私にはそれがよくわからずそういうことを指示されるたびにパニック障害をおこしたりすることがあります。大学生の頃に「心理学」の講義を自己啓発や定型発達の知識もかねて受けてみたのですが、その原因は自分の発達に「心の理論」という経験から心の状態から他人の行動を推測するスキルを養うプロセスが欠けていたことが原因であり、育て方に影響するものではないことが原因だろうということをここで初めて知りました。
 忖度をしない、というよりは「できない」といったほうがいいかもしれません。心の声も口から飛び出るような感覚です。しかし、忖度しないということは利点もかなり多く、自分の気持ちを率直に表現して伝える力をもっていることは軋轢を生むリスクを負っていることを覚悟しているからこそプラスの特性だと思っています。
 困ったことは、脳の機能としては小説を読むと「難読症」であることは関係なく黙読しながら場面を思い浮かべるプロセスに問題があるため、頭痛や胃痛を催すほどのひどさだったため、読書感想文には「頓服の頭痛薬や痛み止めが出る」ほど非常に苦労しました。


§3 感覚過敏と感覚鈍感が極端

 前のNoteにこの内容を書いていましたが、感覚の過敏と鈍感が非常に激しいです。色覚と音などに非常に敏感がある反面、性的感覚や味覚などに非常に鈍感であるなどがあります。HSPとLSPといわれているみたいです。
 音に敏感な件については、学校に通っていた時の授業中の私語がとてもストレスになる二次症状を起こしていて、胃潰瘍・胃腸炎・身体表現性障害・不眠症を併発していたことがありました。その症状を和らげるための通院をしていました。
 しかし、リンク先にあるように、敏感や鈍感でよかったこともたくさんありました。

§4 自己主張と好奇心が旺盛である

 非常に新しいものに興味を持つ傾向が多く、小学生の頃は非常に習い事が多かったです。習い事については、自分に合わないものはきっぱりと最初で諦め、そうでないものはとことん続ける方針になり、つづけた習い事にかかわるものは、フリーランスであっても天職になっています。今は自分を大事にしたいという思いと信念が非常に固いため、自分が何かにより心や自尊心が壊れるのではないかという強迫観念を生んでしまうことがあり、それが不安神経症を併発してしまう要因や、周りとのトラブルになる要因となったりします。


§5 調和性がないが、特定の想像力・創造力が高い

 特定の想像力・創造力が高い点は、「豊かな自閉」と名付けられているそうです。自己主張の高さもあるため、独自の想像力が高い利点を自覚しているので、これをうまく利用して正の方向に生かせるように頑張っています。しかし、調和性がないことに対して極端な敵意をむき出しにしたりする葛藤を抱えています。現在は特定の他人に意図的に敵意を出して指攻撃(つまり、口頭攻撃の「書き込み」の表現)することをSNSでしないポリシーを固めてうまくインターネットを利用するよう心がけています。
 自分の想像力と自己主張に任せて敵意をむき出しにして攻撃することは幼少時はひどく、自分が「いじめ」を自覚していないのに「いじめられ」を自覚しているといった厄介な側面がありました。気持ちを抑えることが苦手で、特に感情的になることが多く道徳の授業中に自分と背いた意見に対して怒りの感情をぶつけたり他人を排外するといった極端に走り、学級崩壊を起こしたことさえありました。あんな過去を思い出すとすごく懺悔の念が生まれます。しかしこれは、現代のSNSの一部に可視化されている現象の一種かもしれません。


§6 特定のものが怖い・神経的に受け付けないほど嫌い

 「こだわり」「何かを特定に好む」という症状の逆みたいなものという感覚で、限局性恐怖症という診断があります。これは、不安神経症と重なっている診断でもあります。私の場合は「動物恐怖/動物嫌悪」です。とにかく動物関係は動画でも恐怖や不快感を催すことがあり、イラスト・擬人化したもの・コスチューム・毛皮・食肉などにはこんな症状はありません。原因は自分でも解らず、一部は小さい頃におきたトラウマからくるPTSDと重なっているものもありますが、とにかく動物が嫌いで、動物愛護する人も怖がっていました。怖いものの対象に出会うと神経障害をおこしたり、パニック状態になったりすることが多いです。小学生の頃の遠足で「動物園」だった時は欠席し、高校生の修学旅行に「奈良県動物公園」があったときに健康調査にその旨を書いたとき、「鉄格子の護送車で移動する」という『合理的配慮』をしてもらうことができました。
 嫌いなものを攻撃するといったことは非常に軋轢を生む事象であるので、規制強要といった攻撃に走らないで、自衛することでトラブルを避けるよう心がけています。


§7 偏差値が分野別で二極化する・得意不得意がわかれる

 高校生のときにわかったもので、文系教科とされる「国語」「英語」「現代社会」に関しては45以下であるのに対し理系教科とされる「数学」「化学」「地理学」に関しては70以上で化学に関しては非常に凝り性もあって模擬試験では満点を取ったことが何度かあり、在籍していた高校が化学が比較的苦手な高校であったため電算処理される校内統計における校内偏差値表示に99.9より高いことが原因となるエラー表示を吐かせてしまうという事件を起こしたこともありました。英語に関しては極端に成績が悪く、特に欧文は短文は音読で読めるのに綴られた文になると読みにくくなるか読めなくなるという難読症もたたって落ちこぼれな状態でした。その点は独学した中国語をセンター試験に使って対処することはできました。
 偏差値に関しては、学習能力だけにはとどまりません。これこそアスペルガー症候群の典型的な特徴だそうです。同じ特性をカミングアウトしていたグレタ・トゥーンベリさんが環境問題演説で述べられていたように「白と黒のどちらかである」という言葉のごとく本当に両極端な性格でした。

§8 嘘がわかりやすく冗談・ジョークが嫌い、わからない

 これは幼少時代には厄介なくらいひどく、現在は克服できたな、と思ったものは非常に多かったものです。比喩に対する理解に乏しく国語の小説の問題でストレートに答えてしまったり、比喩の裏を読んで答えてしまったこともあります。エイプリルフールには少し生きづらい部分がありややこしい嘘を見抜けないという問題を今も抱えていました。
 幼少時に厄介だったものは現実とフィクションの混用がひどく、ごっこ遊びができずに創作話に対する「攻撃」が酷い傾向にありました。創作物に対する攻撃があったものは成長に伴い、落語や小噺が好きになってから今克服できたのを越えて、別の特性といわれる想像力の高さを利用して「音楽活動」「オタク活動」などにうまくいっています。
 克服したことができた要因は、「絵本をたくさん読む」「漫画やアニメをたくさん観る」「コメディを観る」といったことがありました。

 以上大まかに8つの特徴があります。高機能自閉スペクトラム同士でも百種百様であるので本当に自閉症スペクトラムは奥深いです。

 次の記事は、他にカミングアウトしている「学習障害:難読症」について色々書きたいと思います。

2020/04/05 書きました。こちらをどうぞ。


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