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ボストン美術館展 芸術×力

アメリカのボストン美術館は、ニューヨークのメトロポリタン美術館と同じ年、1870年に設立された歴史ある美術館。
規模においては全米で4番目という、とても巨大で見応えのある美術館です。

また、"東洋美術の殿堂"と称され、海外にある日本美術コレクションとしては、世界随一の規模と質の高さを誇るそうなのです。

そのボストン美術館の膨大なコレクションの中から「芸術と政治権力の関係」にフォーカスして選ばれた約60点が見られる
「ボストン美術館展 芸術×力」

上野の東京都美術館で開催されていたのは知っていましたが、CMなどで見る告知からはあまり心が動かされなかったので、今回のボストン美術館展は行かなくてもいいかなーと気に留めていなかったんです。

でも先日、友人の典子さん由紀子さんがこの美術展に足を運ばれ、その様子をインスタの投稿で知るやいなや、国宝級の絵巻を見逃したくない、孔雀図も間近で見てみたいと思い、その翌日にはチケットを取っていました。

この展示会の目玉とされる
「吉備大臣入唐絵巻」

ボストン美術館の所蔵になってから初めて日本に里帰りしたのが1964年。この時に1巻だった絵巻が4巻に分割され、その後、1983年、2000年、2010年、2012-13年にも日本にやってきているそうなのですが、4巻全てが揃って一つの会場で見られるというのはなかなかなく、そういう意味でも今回の展示会というのはとても貴重な機会なんだそうです!
(このことを後で知って、やっぱり行っておいて本当に良かったと思いました)

そもそも「吉備大臣入唐絵巻」とは


遣唐使として唐に渡った吉備真備が、現地で数々の難題を吹っかけられるも、鬼となった阿倍仲麻呂の助けを借りてこれをことごとく退ける説話を生き生きと描いた、院政期文化を代表する絵巻物の名品である。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

とあります。吉備真備が、鬼になった阿倍仲麻呂とともに、試験問題の内容を盗み聴きしに行くため、空を飛んでいる場面が描かれていたり、囲碁の勝負で石を飲み込み、下剤を飲まされても腹にとどめて勝利したりと奇想天外なストーリーが笑えます。また排泄物を調べる人たちが鼻の穴に指を突っ込んで臭そうにしている姿や表情が滑稽で面白かったです。

この絵巻で私がすごく印象的だったのが、描かれている唐人たちの衣裳と表情、そして仕草。
かなりの数の唐人が描かれていますが、衣装や表情、仕草が一人一人違い、文様まで細かく描き分けられているのが素晴らしく、見入ってしまいました。

あまりにも魅了されて、ひとところに立ってじっと見ていたら、係員の方に早く進むよう促されたほど。それほど素晴らしい絵巻でした。

また、素晴らしかったのが、
増山雪斎(ましやま せっさい)による
孔雀図

増山雪斎は伊勢長島藩(現在の三重県桑名市)を治めた人物で、大名でありながら絵の技術にも優れていたそうなんです。
孔雀・牡丹などおめでたいイメージのモノが描かれていることから一家の繁栄や永続を願ったものと考えられているこの絵。

オフィシャルサポーターの要潤さんがこの孔雀図の絵を見た瞬間に

「わー、これはすごいな。写真と全然違う。羽が細かい。本当にすごい」
PR TIMES

と語ったとありますが、私も見た瞬間、「写真と全然違う!間近で見ると本当にすごい」と感じました。
ボキャブラリが貧困で、この感動を伝えるための適切な表現力が私にはないのが残念ですが、本当に感激しました。

そのほか、世界で最も裕福な女性のひとりとされたマージョリー・メリウェザー・ポストが所有していた大粒のエメラルドをあしらったブローチが凄かった!
60カラットもあるというエメラルドの輝きが、今まで見たことないほどに素晴らしくて目を奪われました。私の手元にはめられた安っぽい(屑)ダイヤとつい見比べてしまいましたが、比べるまでもなく輝きが全然違います。


見どころ満載で、時間があったのでゆっくりと堪能できました。
開催終了まで残りわずか。
ぜひこの感動を多くの人に共有したい!そう思う素晴らしい展覧会です。


ここまで、読んで頂いて本当にありがとうございました♡

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