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つっこみ不足やろ「0078夜 気になる『デジタル〇〇』」

今日もNHKニュースから。朝、新聞を読みながら、つけっぱなしなのがNHKなので、別に「まわし者」という訳ではありません。受信料は納得していますので支払っていますが、その代わり元を取ろうとできるだけEテレ(教育テレビ)などで質の高い番組を選んで視るようにしています。
では、本題に。

「東日本大震災のデジタルアーカイブ、維持が課題に」

早速、元記事のリンク紹介をします。東日本大震災の教訓伝える「震災アーカイブ」閉鎖相次ぐ(NHKニュース 2021年3月19日)
このニュースの中で、「デジタルアーカイブ」という言葉がキーワードとして出てきますので、「パソコン千夜一夜物語」の範疇として取り扱おうと思います。
「デジタル」という分かったような、分からないような言葉は、「digit」に由来していて、官公庁が「デジタル」という時はたいてい「電算」か「電子」と訳しておくと、なんとなく分かったような気になるのだと思います。(関連「0069夜 『デジタル』は、ただの『電算』?」「0019夜 なんてったって『デジタル』」
一方で「アーカイブ」の方も訳しにくいのか、明治時代の先達のような漢語(風)訳を諦めた現代日本ではカタカナのままですが、「デジタルアーカイブ」全体では、「電子化資料」といったところでしょうか。
さて、このニュースで気になるのは、なぜ「デジタルアーカイブ」が閉鎖してしまうのかという背景について掘り下げが足りないことでしょう。
そこで、この段落の見出しにしてみたのが、「(中略)維持が課題に」というものです。
電子化された資料の維持自体というより、公開を続けるための経費の確保などがおそらく問題になっているのだと想像していますが、その部分については記事になっていない訳です。
デジタルアーカイブ(電子化資料)にするために、人手をかけて編集作業や目次・検索見出しの作成作業を行い、閲覧・公開に供するためにサーバを維持して、さらに陳腐化を避けるために定期メンテナンスと新しいコンテンツの追加など数年ごとのリニューアルを行うとかなりの経費がかかることは想像に難くありません。震災から10年を節目にサービスを終了している(予算措置が終わっている)という背景がありそうですが、その部分は取材されているのでしょうか。気になるところです。

さらに「デジタルアーカイブ」は和製英語らしい

別の側面の話をします。残念なことに、どうやら「デジタルアーカイブ」は和製英語らしいことです。このnoteを書くにあたって、調べ物をするようにこころがけていますが、フリー百科事典で調べてみると「デジタルアーカイブ」という日本語項目に対応する英語項目は「Digital preservation」(デジタル保存)であって、「Digital archive」ではありませんでした。試しにdigital archive(s)で検索してヒットするのは、ノルウェー国立公文書館の「Digital Archives」など日本を含む各国の公文書館のインターネット上のサービスで固有名詞的に「Digital Archive(s)」と称している場合に限られているように見受けました。すなわち、普通名詞の「digital archive(s)」が存在していないから、英語版のインターネット百科事典ではノルウェーの公文書館のものが表示され、日本語版「デジタルアーカイブ」のEnglishをクリックすると「Digital preservation」にリダイレクトされるということです。
インターネット百科事典での調べものの際に、英語版等各国版(理解できればですが)を利用するのは有益な場合がありますので、この手法は覚えておくと良いと思います。(これは、how toではありません、tipsです。「パソコン千夜一夜物語」では、how toは取り扱いません、tipsは適宜紹介します)

2021年3月19日のコメント

今日もかなり脱線気味の投稿になりましたが、お許しください。筆者の中では「パソコン千夜一夜物語」で取り扱う範疇ははっきり決まっていて、今日の話題もdigitalなので決してはずれてはいないのですが、脱線気味になるのは、英語など外国語の話し、コンピュータ教育など教育の話し、サブスクや課金などお金やお金からさらに脱線して経済や経済に関係ある社会・政治のお話です。
明日はもう少し脱線の少ない話題になるよう努めたいと思います。
それでは。

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