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GDPR施行によって変化した米国のデジタルマーケティング業界

※このインタビューは2023年2月9日に収録されました

デジタルマーケティングや広告業界は、プライバシー規制により新たな転換期を迎えています。

今回はデジタルマーケティング・広告の専門家として活躍し、米国政府連邦取引委員会では技術アドバイザーを務めたラッシーさんに、デジタルマーケティング・広告業界の変化と政府当局による対応についてお伺いしました。

Kohei: 皆さん。プライバシートークにお越し頂きありがとうございます。本日は米国からラッシーさんにお越し頂いています。ラッシーさんは広告とプライバシー分野の専門家として活動されています。本日はお越し頂きありがとうございます。

Rashee: 宏平さん。ご招待いただきありがとうございます。

Kohei: ありがとうございます。早速ラッシーさんのプロフィールを紹介したいと思います。

ラッシーさんはマーケティング、広告やプライバシー分野のリーダーとして活動しています。ラッシーさんは広告やプライバシーについてのコンサルティングを行うUplevelのCEOとしても活躍しています。

最近までバイデン政権下のホワイトハウスプレジデンシャルイノベーションフェローに加えて、連邦取引委員会でシニアアドバイザーとして活躍されています。連邦取引委員会では、広告やプライバシーに関する技術アドバイザーとして関わられていました。

連邦取引委員会では、アドテク技術とプラットフォームに関する調査、米国データプライバシー保護法案(ADPPA)に関する技術支援、児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に関するルールづくり、ナンバープレート自動認識(ANPR)による商業監視及びデータセキュリティ実務、インターネットサービスプロバイダーやソーシャルメディア企業、プライバシーサンドボックス、Appleのアプリのトラッキング申告、パーソナライズ広告やアドテクノロジー教育関連に関わられていました。

外部の政府機関や関連団体、業界団体との関係性構築にも関わっていました。FTCに関わる前には、フォルクスワーゲンやサムスンを始めとしたグローバル企業への広告やマーケティング支援や、大手の代理店でアメリカンエクスプレスやGoogle、Tモバイル等へマーケティング戦略やNeustar(TransUnionに買収されました)でデマンドジェネレーションに関わっていました。

国際プライバシー専門家協会(IAPP)では、女性プライバシーアドバイザリーボードを務め、数多くの認証も取得されています。

ラッシーさん。本日は改めてインタビューにお越し頂きありがとうございます。早速本日のアジェンダに移っていきたいと思います。私もラッシーさん同様にマーケティングに関わってきたので、マーケティングに関わる方の視点から色々とご経験についてお伺いできればと思います。

広告とマーケティング業界でのキャリア

これまでに連邦取引委員会で広告とマーケティングについてどのようなキャリアで関わられてきたのでしょうか?

Raashee: 私のこれまでの経歴について紹介頂きありがとうございます。私はこれまでマーケティングや広告業界を中心に関わってきました。これまでに約20年近く広告やマーケティング領域の専門家として携わり、業界の中で幅広い分野について関わってきました。

これまでの経歴の中では、サムスンやフォルクスワーゲンのようなブランド企業の広告やマーケティング戦略に携わり、デジタル時代の体験設計やデータ戦略に関わってきました。

私は様々な分野でデジタル広告とマーケティングに関わることができました。大手の代理店でグローバル企業と取引をさせて頂いたり、個人店の戦略立案も経験しました。

メディア戦略では、枠の購入から分析等をデジタルプラットフォームを利用して実行したり、アドテックサービスを利用して顧客ターケティングや関係性構築等の様々な運用施策にも関わってきました。

第一に広告、第二にマーケティングの経験を通して、第三にデジタル広告を運用するためのテクノロジーに関わるようにもなりました。ブランドや代理店に対して、テクノロジーバイヤーとして活動する中で、デジタル広告技術について関心を持ち学んでみたくなりました。

こういった背景がありNeustarで働くことになったのです。Neustarはアドテック、マーケティングテクノロジー企業でCRMやDMP、CDPや広告の効果測定サービスを提供している会社です。

こういった経験を経て、大手から中小まで様々な企業との広告やマーケティング分野での取引経験を活かして、私自身でコンサルティング企業を立ち上げデータやプランニング、バイイングや実行についてのデータコンサルティングを始めることにしました。

GDPR施行によって変化した米国のデジタルマーケティング業界

私が新しく企業を立ち上げるタイミングで、2018年にGDPRが施行されることになりました。私のクライアント企業からは、新たにウェブサイトを立ち上げるタイミングでクッキーバナー関連の問い合わせが増えるようになりました。

図:法律によって変化したデータ利用の動き

クライアントの課題について触れていく中で、私も徐々にプライバシー分野に入っていくことになります。プライバシーについて学べば学ぶほど、私自身も興味を持ち始めることになりました。

これまでの経験を通して、マーケティングの観点からプライバシー分野に深く関心をもち活動するようになります。私はプライバシー分野にビジネス的な視点を加えたいと思ったのです。連邦取引委員会からオファーを頂いた時には、これまで私が経験してきたマーケティングや広告分野での経験が生きると思い、受けることにしました。

連邦取引委員会では、アドテック企業や大手プラットフォーム企業を始めとしたテクノロジー企業のプライバシー問題に関わり活動することになりました。

Kohei: これまでのご経験を紹介頂きありがとうございます。これまでは広告とマーケティングの経歴について伺ってきましたが、なぜこの分野に関心を持ったのか教えて頂けますか?

広告やマーケティング分野といっても、これまでに幅広く活動されていると伺ったので、そもそもどういった経緯からこの分野に関わることになったのかお伺いできると幸いです。

Raashee: 私が広告やマーケティング分野に関わり始めたのは2002年頃になります。当時、様々なデジタル広告の手法が誕生し始めるタイミングで、バナー広告やポータルサイトが拡大していた時期でした。

まだデジタルマーケティング初期の時代ですね。私は幸運なことに初期からデジタルマーケティング業界に関わることができました。当初はとてもクリエイティブな業界で、魅力的な分野でした。

私はデジタルを中心とした環境に変わっていくと考え、これまでのマーケターとは異なるデジタル中心のマーケターとして活動し始めました。

Kohei: 素晴らしい経験ですね。ここからは公共分野での活動についてもお伺いしたいと思います。これまでのご経験から、デジタルマーケティングに関する規制の問題があるとお話しされていました。特にサードパーティと透明性の問題を始めとしたデータの処理については数多くの懸念点が紹介されていると思います。

業界や分野ごとに大きな違いがあることも課題だと思います。ここからはラッシーさんの公共部門でのデジタルメディアやマーケティングについての活動をお伺いしてもよろしいでしょうか?

〈最後までご覧いただき、ありがとうございました。続きの中編は、次回お届けします。〉

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Interviewer, Translation and Edit 栗原宏平
Headline Image template author  山下夏姫

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