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年齢適正デザインコードによる新しい変化とKidsTechEthicsの活動

※このインタビューは2023年8月15日に収録されました

インターネット空間が子供にとって安全な場所にしていくために新しい動きが始まっています。

今回は金融分野で活躍され、現在はKidsTechEthics™で子供たちに向けたサービスをて今日するジェフさんに、年齢適正デザインコードの制定から事業者に求められることについてお伺いしました。

Kohei: 皆さんこんにちは。プライバシートークにご参加頂きありがとうございます。本日は米国からジェフさんにご参加いただいています。ジェフさんは子供のプライバシー分野で活動されています。ジェフさん、本日は宜しくお願い致します。

Jeff: 本日はお呼びいただきありがとうございます。

Kohei: 早速ジェフさんのプロフィールを紹介したいと思います。ジェフさんは子供向けのビジネスでテクノロジーを活用する際に、倫理的な視点を導入するための活動を行っています。

これまでの25年間起業家やベンチャーキャピタルコミュニティのメンター、戦略、教育や投資、アドバイザリービジネスを経験し、現在の活動に至ります。

これまでの経験を通して、起業家の考え方やビジネス、倫理的な観点、そして年齢適正デザインコードに関する知見を技術者や起業家へ伝えています。ジェフさんはKidsTechEthics™の創業者でもあり、世界中の子供達向けのサービスがより良い設計となるようなツール開発やコンサルティングサービスを提供しています。

ForHumanityが発行するCertified Auditor Children’s Codeを最初に取得した人であり、 GDPRや英国年齢適正デザインコードに関する資格を取得したことに加えて、Body of Knowledge on Age-Assuranceの共同著者でもあります。

ジェフさん。改めてインタビューにお越しいただきありがとうございます。

Jeff: 貴重な機会を頂き、ありがとうございます。

子供とテクノロジーの倫理分野に関わろうと思った理由

Kohei: ありがとうございます。では早速ジェフさんのご経歴についてお伺いしていきたいと思います。ジェフさんは今の仕事に就く前に金融分野で活躍されていたと思うのですが、なぜ子供と倫理的なテクノロジーの分野で活動しようと思ったのですか?きっかけを教えてもらえると幸いです。

Jeff: わかりました。私が12歳か13歳の頃だったと思いますが、両親がAppleのコンピューターを二つ家に持って帰ってきました。それがきっかけで、当日の私は自分でプログラムを組んで、簡単なゲームの開発等を試してみました。

その体験は私にとって魅力的でした。当時はコンピューターを通してどんなことを実現したいか全く考えていませんでしたので、皆が教えてくれるように金融分野を専攻し、一定の成果を上げることができました。

ただ、金融分野に関わり始めてからもテクノロジーには関心があって、テクノロジーによってクライアントの投資環境を大きく変えるような手助けをしたいと思い25年間金融分野で活動してきました。

丁度、私の人生で帰路を迎えたタイミングがあったのですが、その際に新しい分野に飛び込むことを決めました。私たちが生活する中でどういったことに価値があり、何をすべきなのかを色々と考える機会があったのです。

ビジネスを推進する上で企業は一体どの様に取り組めば良いのかを色々と試行錯誤していく中で、機械と倫理について教える場面があり、その中でAI倫理の話に出会いました。それをきっかけにFor Humanityの原案作成チームとも交流するようになったのです。

画像:倫理的な考え方についてドラフトをまとめる

For HumanityではGDPRで定められている子供向けのコードに関する監査の原案を作成しています。ここでの活動は私が13歳の時にコンピューターに触れて、テクノロジーについて考え始めた時と同じくらいの衝撃がありました。子供向けに倫理的な対策を考慮したテクノロジーを設計するために必要な要素に関する取り組みを進めています。

年齢適正デザインコードによる新しい変化とKidsTechEthicsの活動

Kohei: とても印象的なお話をありがとうございました。KidsTechEthicsに関する新たな取り組みにも触れていただきありがとうございます。ジェフさんはウェブサイト上でいくつか重要な記事を寄稿されていると思います。ここからはKidsTechEthicsについてと、今後の活動に関してお話しいただいてもよろしいでしょうか?

Jeff: KidsTechEthicsは全世界のオンライン空間で子供達に安全な体験を作るための取り組みを行っています。米国のカリフォルニア州では昨年9月にカリフォルニア版の年齢適正デザインコードが制度として認められ、先に施行された英国の年齢適正デザインコードとは少し異なる制度内容で実施されることになりました。

カリフォルニア州で通過した法律は州独自のものですが、英国の年齢適正デザインコードと似ている部分もいくつかあります。混乱してしまいそうですが、カリフォルニアでは英国で制定されたコードに関する規定を言い換えたようなものです。

こういった制度が設計された背景には子供達にとって何が良いのかを改めて考え直し、子供達の親御さんがどの様に向き合うべきなのかを考える必要が高まって来ているということです。

画像:英国の制度がカリフォルニアでも採用

提供者が子供向けサービスを展開する際にどういった点に気を配るべきなのかも大切なポイントです。事前に考慮すべき点を議論した上で、プラットフォームの構築に取り組む必要があります。

デジタル技術はこれまで25年間も発展して来たにも関わらず、子供向けに提供するサービス等を十分に検討して来ていなかったので、ソーシャルメディアが当たり前の世代に向けてより双方向的な仕組みを検討する必要性が高まって来ています。

私はビジネス戦略上において子供向けのサービスについて広く検討が必要だと考え、KidsTechEthicsを立ち上げるに至りました。

Kohei: 素晴らしい活動ですね。ジェフさんの取り組みは現代のインターネット社会で発生しているとても大切な課題に向き合った取り組みだと思います。現在子供向けのサービスと倫理に関する取り組みに関わっていると思いますが、具体的にどういったことが問題点として出て来ているのでしょうか?

徐々に制度面でも変わりつつありますが、多くの企業は変化の途上にあると考えています。

ジェフさんが出演されていた過去のインタビューを拝見したのですが、インタビューの中ではほとんどの企業は子供と倫理に関する問題に取り組めていないとお話しされていたのが印象に残っています。今現在ジェフさんが課題に思われているものについて教えて頂いても良いでしょうか?

〈最後までご覧いただき、ありがとうございました。続きの中編は、次回お届けします。〉

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Interviewer, Translation and Edit 栗原宏平
Headline Image template author  山下夏姫

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