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ダムヤーク

10/12(火)
昨日、ドリップコーヒーの説明文に「ビロードの様な口当たり」と書いてあって、ビロードの様な口当たりってなんだろう、という話を日記に書いた。

それで今日、気になってそのコーヒーを飲んだ。
正直、「これは確かにビロードの様な口当たりだわ」と思った。
むしろビロード以外でこの口当たりは表現できないと思った。まろやかで、なめらかだった。とろみさえ感じるくらいの柔らかい口当たりで、もはや何を飲んでるのか分からないくらいだった。

感動したので、載せておきます。
手土産でくれた秋田のフォロワー、ありがとう。
コーヒーに込められた「雄大で爽快な思い」を心でひしひしと感じる、素晴らしいコーヒーだった。美味しいコーヒーにさほど興味のなかったこれまでのつまらない人生を悔やみます。そしてこれからは美味しいコーヒーを探し求め続ける、最高の人生にしていきたい。そう思わせてくれた、このコーヒーに、感謝――――


話は変わるが、
佐川恭一の「ダムヤーク」が第42回日本SF大賞にエントリーされたらしく、そういえばダムヤークについてnoteを書こうと思って忘れていたので今書くことにする。

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発売当時、なにやら話題になっているから初版で買っておかないとな、というミーハー心で購入した。
内容が気になって調べてみるもなにひとつ具体的な感想が見当たらず、「薄くて持ち運びやすい!」という、さながらノートパソコンのレビューのような感想ばかり散見した。
届いてみたらたしかに、薄くて持ち運びやすかった。

しかし実際に全編読んでみて、曖昧な感想しか出てこないのも無理がないなと思った。
「面白い」作品であることは間違いないのだが、じゃあどこがどう面白かったのかと言われると、言語化できない。読んだときの感触としては、なんというか、奇妙で、サイケデリックな感じがした。違法薬物に手を出したことはないが、きっとキマったときの脳内はこんな感じだろうと思った。

ひとつの章のなかで敬体と常体がごちゃ混ぜになっていたり、それどころか語り手の位置すらもぐわんぐわん変わったりして、オワ~~と思っているうちにあっさり人が死んだりとんでもない月日が流れたりする。
とにかく圧倒的な規則性のなさと、酔いそうになるくらいの緩急があって脳がチカチカする、素晴らしい作品である。

ここ数カ月、話がコロコロ変わるような適当な日記を私が書くようになったのは、今思えばこの作品の影響なのでは?とも思う。まあ、ただ単に「面倒くさいから思ったこと順番に書けばいいか」という怠惰からというのも否めないが。

私は元々シュールなギャグ漫画が好きで、藤岡拓太郎やショルダー肩美、せきの、長崎ライチの漫画のような「日常の延長線上のシュール」感が特に最高だな~と思うのだが、「ダムヤーク」にもそれと同じような魅力を感じた。
SF作品と言われればそうなんだろうが、簡単にそうとも言い切れない感じの、とにかく不思議な作品だった。

普段本を読まない人でも面白いと思う、というかそういう人の方が「小説はこうあるべき」という先入観がない分、普段本を読みまくる人よりも純粋に楽しめるかもしれないと思う。

ぜひ。

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