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脱・大卒フリーター

5/15(日)
4月末でアルバイト先を退社した。
ついに定職に就くことになった。意外にも早く、大卒フリーターという肩書とはおさらばである。

私は就職先を決めずに大学を卒業して1年フリーターをし、そこから再度就活をしたわけだが、この「既卒就活」が想像以上に楽で楽しかった。
精神的にも余裕なまま、自分が入りたいと思える企業かつ自分がやりたいと思える仕事に就くことができてしまった。

私の場合は新卒で就職しなかったことにメリットしか感じられなかったので、書き残しておこうと思う。

ちょうど一年前くらいに、「大卒フリーターの末路」という日記を書いた。
昨年の5/3に自分で作ったサイトで初めての記事を公開して、それを記念して書いたnoteだった。

こんなにたいそうに語ってはいるが、私は全然早く就職しよーっとと思っているし、このサイトももしかしたら上手くいかずにすぐに閉鎖してしまうかもしれない。
でもフリーターのうちに土台を作って、もし今後就職したとしても、ずっとずっとできる限り続けたいな~という気持ち。

1年前はこう書いていた。
サイトは一年契約のレンタルサーバーで作っていて、今年も契約を更新したので少なくともあと一年は閉鎖しないつもりだ。
一年間で6人にインタビューをして記事を書いた。本当は10人くらい取材するのが理想だったが、無理だった。しかし6人もよく協力してくれたなと他人事のように驚く。恵まれている。
どうもありがとうございます。

一年ぶりの就活

本格的に就活を始めたのは今年の年始くらいだった。
年末あたりから「就活しよかな~」と呑気に言っていた私だったが、人材系の会社に勤める彼氏からは「4月入社は諦めたってこと?どうするつもりなの?ちょっと考えが甘くない?」と煽られていた。

確かに、春から就職したいな~などと言う割に行動していなかったので煽られても仕方ない。
しかし私としては「できたら春入社がいいけど新卒じゃないし選ばなければいつでも入社できるっしょ~」というなめた気持ちだったので、のんびりしていたのであった。

今回就活をして分かった事がある。
厚生労働省は「卒業後三年は新卒扱い」と決めてくれたようだが、実際私が今回の就活で新卒として扱われたところは一社もなかった。

私は就職先を決めずに大学を卒業した「既卒」と呼ばれる部類だ。これが一瞬でもどこかに就職していれば「第二新卒」とカテゴライズされる。
世の中には第二新卒向けの求人は結構たくさんあるが、既卒向けの求人は殆どない。
しかしだからといって既卒に応募資格がないわけではない。どの企業にも(募集要項に「社会人経験○年以上」とない限りは)応募できるし、面接もしてもらえた。
ただ応募するのは「転職サイト」からなので、新卒の時よりも間口が広く、社会人経験の豊富な人と並んで闘わなければならないという覚悟は必要だった。いくら「第二新卒、未経験歓迎!」とあっても、応募者多数の場合に真っ先に弾かれるのは私のような立場の人間である。


新卒就活より既卒就活が「良かった」最大の理由として、
「総合職か一般職の2択ではない」
ということが挙げられる。

私は大学時代、事務仕事に興味を持てなかったので総合職に絞って就活をしていて、でも全然営業とかやりたくなくて、でも事務だけするのも嫌で、でも営業とか絶対やりたくなくて、転勤とか嫌だけどずっと会社でパソコンしてんのも嫌だ…というワガママレディだった。
総合職でもジョブローテーションがあったり、他の職種募集もなくはなかったが、大体が総合職=営業で新卒就活では職種の選択肢があまりに少なかった。

しかし既卒就活では転職サイトを使うので、職種の幅がめちゃくちゃ広い。
ライター、マーケティング、企画、人事、ディレクション、編集……なんでもピンポイントに選べた。
なので事務も営業も絶対やりたくなくて困ってる学生には1年フラフラすることを全力でおすすめしたい。1年くらいフラフラしてもその理由を上手いこと説明できれば全然採用してくれるし、何より1年置いただけで何故か職の選択肢が爆増するので、まじで今までの就活って何だったんだ?と拍子抜けする。

ちなみに、私がエントリーしていたのは、
営業事務のバイト経験を活かせる事務系全般と、Web系(サイト制作、ライター、Webマーケティング、ディレクション等)、あとは出版も少し見ていた。

あんなに嫌がってたのに、1年事務のバイトしたら全然事務もアリだな〜と思っちゃって、経験することって大事☆と思った。
そう思うと学生時代のインターンとかってめちゃくちゃ大事なのかも。まあ学生時代にそんなことする暇あったらマッチングアプリで社会人の人と会って話聞く方がよっぽど社会勉強になると個人的には思うんですが…

フリーターの職務経歴

既卒就活と新卒就活との違いは大きく分けて二つあった。
まずひとつは、書類選考で「職務履歴書」が必要なこと。
つぎに、面接の内容である。

新卒就活の書類選考は、オーソドックスな履歴書と会社指定のエントリーシートの提出が主だった。
私は会社指定のESというのがかなり嫌いで、会社自体は魅力的だけどESがキショいからという理由で選考を辞退したりしていた。言わずもがな、そういうことをしていたから大卒でフリーターになってしまったわけだが……。
会社指定のESは大企業であればあるほど面倒な設問が多くなる。「○年後にあなたはどうなっていると思いますか?」から始まり、A4ページ丸々の空白に「自由にあなたをアピールしてください!(写真を貼っても、色を使ってもかまいません!自由に自分を表現してください)」とか、「弊社の新しいプロジェクトを考え、プレゼンしてください」とか。
応募者が多いところはふるいにかけるのが大変なんだね〜と同情はするが、そういういかにも試されている系のESがとにかくキショくて嫌だった。

しかし既卒就活ではそういうキショいESがなかった。
新卒の時のように、マイナビでエントリーして履歴書や会社指定のESを別途郵送して…みたいな煩わしい工程もない。
マイナビでエントリーしたら、事前に登録してあるオープンESと職務経歴だけで判断されて、すぐに合否がくる。(ESとは別に志望動機をフォーム入力させるところも半分くらいあったけど)

職務履歴なんて私にとって無いに等しかったが、営業事務のバイトと昔業務委託で少しやっていたライター、あとは収益化してないので完全な趣味ですがと前置きしたうえでサイトを作ったことも書いた。

営業事務のバイトのことだけ書いていた最初の1ヶ月くらいは全然面接に呼ばれなかったが、ライターやサイトのことを書いた途端にどんどん面接に行けるようになった。
つまり、全然何でも書いていいらしい。というか今考えれば当然なんだけど、何でも書いた方が良いっぽい。
最終的に辿り着いた私の中で最良の職務履歴書は、サイトやライター記事の写しをバンバン差し込んだA4ページ4枚くらいのものだった。

「あなたを自由にアピールしてください(写真を貼っても、色を使ってもかまいません!自由に自分を表現してください)」などと言われなくても、最善を尽くそうとしたら自ずとそこに辿り着いたということである。
なんか、皮肉な話だ。

この「自由さ」もかなり良かった。
新卒の時でもこれくらい肩の力を抜いてやればよかったのかもしれないが、変に真面目な当時の自分は型にハマることしかできなかったんだよな…。

要するに、
企業指定のESがない代わりに職務経歴書で自分なりの自由さで自己表現できたのが、私にとっては良かったという話です。

情熱をはからない面接

面接においても、新卒就活のときとは全然違った。

新卒の時に聞かれることは、志望動機のほかに自己PR、ガクチカ、長所短所、○年後にどうなっていたいかとか、大体ESと同じようなやる気や物事に対する情熱をはかる質問が多かった。
しかし今回は、やる気とか情熱とかそういうくだらないことを聞かれなかったのが良かった。

私は昔からパッションとか初々しさとかエネルギッシュな感じを表現するのが苦手で、なんでも冷静に淡々とやってしまう。
大学時代、経営者や会社の人事をやってる人に相談したときも「新卒の可愛げがない、やる気がないように見える」と言われていて、自分の本当の短所はこれだなと思っていた。

しかし今回面接で主に聞かれたことと言えば、
「これまでの経験で何をどのくらい出来るようになったか」
「失敗した時にどう対処したか」
「ストレス発散方法は?」
「周りからどんな人間だと言われるか」
くらいだった。

この、事実だけを話せばいい面接が私にはかなり合っていた。

が、今思い返してみると、就職先の企業の面接では結局「御社でどうしても仕事がしたいです!」みたいなことを言っていた気がする。めちゃくちゃ情熱的でワロタ
なんかここまで書いておいてなんだけど、単純に大学時代は入りたいと思える会社を探せなかったから辛かっただけかもしれない…と思い始めたな。

だがしかし新卒と今回では面接の質問のタイプが違ったのは確かである。
あと個人的に有難かったのは、親や家庭のことを聞かれなかったことだ。

何故か新卒就活では「家族構成を教えてください」とか「親御さんは何をされているんですか?」「どんなご両親ですか?」みたいな質問を結構されて、家庭環境が良くない自分としてはその質問がしんどかった。
まあ新卒採用なんてみんな同じで判断のしようがないから、最終的に困ったら育った家庭環境を判断基準にするというのは妥当だと思うけど、そういうデリケートな質問をこの令和の時代にも無神経にしちゃうんだ…😅という社会全体に対する失望みたいな感情もあった。

が、今回家族について聞かれたのは一社だけだった。(ちなみに円満良好ハピネス家庭☆と嘘をついたが、全然関係なく落ちた)
とにかく、やる気・情熱競走からあえて逃げたことで私にとってはやりやすい面接ばかりになって良かった。

まとめ

結果就職を決めた企業は、何故か最初から私のサイトにめちゃくちゃ食いついてくれた企業だった。
収益化してないし本当にただの趣味なのであんまり聞かないでほしいくらいだったが、あまりにもサイトの話しかしてこなくて嬉しいやら恥ずかしいやら…。

というのも、就職先の仕事内容に「一般人にインタビューする」みたいなことがある。
一次面接で「私たちがやってるようなことを、もう既にされている…しかも1人で…!同じようなことを組織に所属してやりたいと言うのならピッタリだと思います!」と言われて、えー!嬉し〜!ディスティニーじゃーん!☆ウチら相思相愛ってコト…?😆と思って、二次面接で「ここで働かせて頂きたいです」と3回くらい言った。いつだって大切なことはジブリが教えてくれる。
正直最終面接の手応えはあんまりだったのだが、無事内定を貰えた。

谷川俊太郎の「春に」という合唱曲で
「まだ会ったことのないすべての人と会ってみたい話してみたい」という歌詞があって、中学時代歌いながら「え〜めちゃくちゃ分かる〜!この漠然とした私の気持ちを言語化してんのすごすぎ〜!」と感激したものだが、私は大人になってもまだ「色んな人と会って話してみたい」と思う。
そういう人間への好奇心が枯れないうちに就職出来て良かった。

サイトはサイトで個人的にずっと続けたいと思っている。
普通の人間には「普通」という言葉ではとてもまとめられないような人生があって、そういう人がこの社会に普通に存在している、という現実が面白すぎる。
多忙を言い訳になかなか取材活動が出来ていないが、「お前おもろいから絶対インタビューするからね」と”キープ”している人は沢山いるので、地道に続けていきたい。


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7/14(木)
入社して、2か月経った。
毎日それなりに忙しく、取材や撮影のために出張したり著名人と会食したり、なかなか刺激的な日々を送っている。

忙しくしているうちに記事の更新タイミングを逃して、2ヶ月も経ってしまった。
現役大卒フリーター(現役?)が就職しようと思ったときの参考になればと思い、書いた。

フリーターも正社員もどっちも経験して、主体性のない私には正社員が向いているように感じるけど、単純なメリットデメリットを考えたら今の時代どっちもどっちな感じがした。

個人的には、大学3、4年の1番脂がのってる時期にクソダサいスーツ着て大人になめられる日々送るのしんどいしもったいないなと思ったけど。
私はコロナ世代だから就活くらいしかすること無かったけど、コロナなかったらコリドー街とか行って社会人が汗水垂らして稼いだ金でいい飯食ってセックスされそうになったら友達と走って逃げたり、そういう日々送りたかったもんね。

おわり

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