見出し画像

「1ヶ月半」かかっていたCS研修をフルリモートで「1週間」に縮めた話

こんにちは!Paymeカスタマーサクセスチームのえりこです。今回は、PaymeCSチームで実施したオンライン研修についてご紹介します!🙋‍♀️

PaymeCSチームは、サクセス6名(東京4名、関西2名)、サポート2名の計6名で構成されています。サクセスについても、まだまだ少ない人数で全導入企業を担当しています。

SaaSにおいて、カスタマーサクセスは肝となる役割。1日でも早く、新メンバーが独り立ちし、戦力となってもらえることが必須です。しかし、3月までのPaymeCSチームは、独り立ちするまでに1ヶ月半を要していました。研修プログラムはなく、ほとんどがOJT(実践形式)です。

この状況から、たったの数週間で研修プログラムを立ち上げ、独り立ちまでの期間を1週間に縮めた方法について、今回はご紹介します!

「スタートアップだからOJTって言い訳じゃないですか?」

私が入社して1ヶ月半がたった頃、ようやくオンボーディング独り立ちができたものの、どこか申し訳ない気持ちになっていました。

今日明日の生き残りをかけて戦うスタートアップにおいて、社員への「研修期間の長さ」、つまり「投資期間の長さ」は生命線です。1日でも早く戦力となることが求められます。

研修を担当する既存社員も、普段の業務にあてている時間を割く必要があるため、研修期間が長ければ長いほど、既存業務が圧迫され続けます。

スクリーンショット 2020-05-09 17.20.59

そんな環境下にもかかわらず、OJTで研修期間を伸ばしているのはあまりにも勿体ない。そもそもベンチャー/スタートアップ規模の会社こそ、この期間をいかに短縮できるかが重要なのに、「ベンチャーだからOJTで!」は単なる言い訳なので、この機会に研修コンテンツを構築することにしました。

「スタートアップやベンチャーだからOJTでも仕方ないよね」ではなく、「スタートアップやベンチャーだから研修コンテンツを作るべきです。

社内のサクセスにも貢献したい

事業拡大のために研修コンテンツをブラッシュアップする必要があったのはもちろんですが、本音を言えば、新メンバーに、「Paymeに入社して良かった」と思ってほしいから取り組めたというのが大きいです。

どれだけ採用時にブランディングしても、結局大切なのは働く現場です。少し大げさなことを言うと、新しくジョインしてくれるメンバーには、Paymeに入社したことで、そのあとのキャリアや人生がサクセスしてほしいし、受け入れる側にはその責任があると思っています。新メンバーの受け入れは思いを込めて本気で取り組むべきです。

(実際に研修を受けてくれたかどまいさんがこんなツイートをしてくれた日にはちょっとエモくなりました)

研修コンテンツが完成するまでの5step

実際に研修コンテンツを作成した流れはこちら。

スクリーンショット 2020-05-09 17.20.42

研修の前後で行なった内容も含めて、今回はご紹介します!

step1:まずは既存社員に研修の重要性を伝える

はじめに実施したのは、既存社員への研修です。CS研修の叩きとなるコンテンツを準備し、既存社員に実際に研修を受けてもらいました。研修といっても、基本要素をスプレッドシートに書き出しただけのレベルです。
画像4

この研修の目的は2つ。
1つ目は、会の冒頭で「なぜCSチームが研修を作ったのか」という思いを共有し、新メンバー向けの研修の重要性を伝えること。

スクリーンショット 2020-05-09 17.22.59


2つ目は、CSの基礎知識をCS以外のメンバーにも理解して欲しかったことです。Paymeでは、セールス配属であっても、必ず最初にCSで1週間の研修を実施します。しかし、これまでの研修はCSの本質的な課題やPaymeの機能理解に至らないまま終わってしまうことが多く、改めて研修の場を持ちたいと思っていました。入社時期によってCS業務への理解度に差があると、今後コンテンツを受講した新入社員にとって、「セールスもCSも理解していることは特別」という価値観を持たれてしまいます。
SaaSのビジネスにおいて、「セールスもCSも理解していることは当たり前」です。価値観のずれが起きないよう、既存社員に対しても同じ研修を実施しました。

step2:CSの戦略も研修内容に含む

研修はあくまでも手段であり、目的は全員でPayme事業の成長を推進していくことです。そのため、研修を単なる業務の説明で終えるのではなく、CSの現状課題、このクオーターにやりたいこと、先々の戦略まで伝えるよう意識しました。

(ちなみにCSの戦略も、全社員が自由に参加できるLT会にて、既存社員へ共有済みです🙆‍♂️)

スクリーンショット 2020-05-06 9.29.20

現状の課題および今後やりたいことを共通認識として持っておくことで、新メンバーも目的意識をもって研修内容をインプットしてくれたと思います。

背景を共有したことで、研修中から新メンバーがCSの課題点を洗い出して指摘してくれるなど、既存メンバーにとっても学びのある研修期間となりました。

スクリーンショット 2020-05-09 17.28.24


step3:Paymeの機能説明を作成する

Paymeのサービスは、「勤怠実績に基づいて給与を前払いする」というシンプルな構造です。しかし、導入いただく企業様によって、勤怠実績の管理方法や前払いルールが異なるため、実際は何十パターンにもわたる登録方法を覚える必要があります。

従来は、この点がハードルとなり、1ヶ月半オンボーディング同席を重ね、様々なケースを学ぶ必要がありました。確かに、時間をかけて1つずつ学ぶと、固有のケースを深く理解することはできますが、一方で全体を俯瞰して理解するまでに時間がかかります。

そのため、機能説明の最後に、Paymeの登録パターンを体系的に説明する時間を設け、ケーススタディ形式で理解してもらうよう心がけました。

スクリーンショット 2020-05-09 17.41.17

運用方法を1つずつ単体で覚えてしまうと、何十パターンとある登録方法にいつまでも対応できません。方程式を理解して、パターンごとに正解を導き出せるようにしました。

step4:ロープレを通じて一緒にOBを見直す

一通りインプットを終えたあとはロープレを実施しました。今回、ロープレでこだわったのは、「一緒にオンボーディングを見直すこと」です。

ロープレを受ける側は、現状のオンボーディングを客観的に見る機会になりますし、ロープレをやる側は実際に話してみることで説明しづらい点を見つける機会になります。

単に現状のオンボーディングを覚えてもらうのではなく、その先の、より良いオンボーディングを一緒に作っていくことを意識しました。

step5:研修資料を作成してもらう

CSの研修は、「研修を受けた人が、次の研修資料を作る」ルールにしています。研修を受けた直後が、研修の良かった点、悪かった点を鮮やかに覚えているため、もっとも研修資料を作成するのに適任だと考えています。

また、人に教えることを見据えて資料を作成すると、その中で新たな疑問点も見つけられたり、より深い理解の定着にもつながるため、資料作成はしっかりと取り組んでもらいました。

スクリーンショット 2020-05-06 10.05.37

スクリーンショット 2020-05-06 10.06.30

研修後に実際に作成してもらった資料は、計71枚にわたる超大作..!

また、この71枚を都度説明すると膨大な時間が取られてしまうため、解説した音声を録音し、誰でも好きな時に閲覧できるようにしました。

(ちなみに、入社からたったの7営業日目にして、研修資料の作成・解説まで習得してくれたのは、流石に想像を超えていて、研修コンテンツの力ではなく本人の実力の高さだと思っています。)

フルリモート対策は意外とシンプル

3月から徐々にコンテンツをドキュメント化し、研修に向けて準備を進めていましたが、フルリモートでの実施は想定外です。(どの企業でも想定外だったと思います....😭)

とはいえ、オンラインでもオフラインでも実施する内容は同一です。オンラインになることでの注意点をコンテンツに反映させるのみで、問題ないと考えました。

具体的な注意点は下記の2点です。

①暇な時間ができやすいこと
オフラインの研修であれば、途中に隙間時間ができたとしても、その場で時間が取れるメンバーに、急遽研修を依頼することができます。あるいは、オンライン商談やオンボーディングが行われていれば、急遽同席してもらうことも可能です。

しかし、フルリモートとなると、周りの状況を掴むのに時間がかかってしまうため、事前に全ての時間割を組んでおかないといけません。そのため、直接話せる時間はレクチャーの時間に、MTGなどで対応できない時間帯はワークを用意しました。

実際に用意したカリキュラムはこちら。スクリーンショット 2020-05-06 8.42.38


②質問していい相手が分からない
オフラインの何よりのメリットは、質問できる相手がたくさんいることです。席にいる社員に質問しても良いですし、もしその人がわからなくても他に理解している人を紹介してくれます。

しかし、フルリモートとなると、そもそも社員にどんな人がいるのかもわからなければ、誰が今空いているのかも分かりません。

そこで準備したのが#biz-hr-randomチャンネルです。スクリーンショット 2020-05-06 8.49.30

このチャンネルには、人事/セールス/CSのうち、研修中に質問することが多いであろうメンバーを招待しました。
スクリーンショット 2020-05-06 8.50.40

チャンネルに参加するメンバーをあえて絞ることで、部署ごとの質問相手が明確になり、疑問をそのままにせずに吐き出してもらえる環境が作れたと思っています。ちなみにPaymeはメンションされた相手以外でも、積極的に回答する文化があるので、質問相手がMTG中だったとしても、誰かが迅速に対応してくれていました。

(本当は③受け身になりがち、も危惧していたのですが、メンバーの人柄的にそんなことは全くありませんでした。w)


まとめ

いかがだったでしょうか?PaymeCSの研修プロセスが完成するまでの流れをまとめてみました!

<ポイント>
・スタートアップだからこそOJTから研修コンテンツに移行するべき!
・社内を巻き込んで、全社で研修の重要性を理解する!
・コンテンツ作成はめちゃくちゃ大事!だけどそれ以外にもできる工夫はたくさんあるので、小さな取り組みを積み重ねていきましょう!

そして実は本日5/28にHERPさんの分科会でも同じ内容をお話しています!後日HERPさんのYoutubeチャンネルで動画での説明もご覧いただけますので、ぜひぜひチェックしてみてください!


次回は、Paymeが大切にするVoCの取り組みについてまとめます!
お楽しみに!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?