「アナザーラウンド」を見て、真理について考えた。



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【あらすじ】

 第93回アカデミー賞®国際長編映画賞を受賞し世界中で映画賞を総なめにしている本作。主演は『ファンタスティック・ビースト3』『インディ・ジョーンズ5』への出演も決まった北欧の至宝マッツ・ミケルセン。名匠トマス・ヴィンターベアとは『偽りなき者』に続き二度目のタッグ。
マッツ演じる冴えない高校教師とその同僚3人は、ノルウェー人哲学者の理論を証明するため、仕事中にある一定量の酒を飲み、常に酔った状態を保つというとんでもない実験に取り組む。すると、これまで惰性でやり過ごしていた授業も活気に満ち、生徒たちとの関係性も良好になっていく。同僚たちもゆっくりと確実に人生が良い方向に向かっていくのだが、実験が進むにつれだんだんと制御不能になり…。

(映画HPより)


アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した本作。

あらすじを見て、「何このぶっとんだ実験内容!!」

って思っていたので、ワクワクしながら鑑賞してきました。


見て、まず感じたのが、、、

『何とも、ばからしく、愛らしい!!!!!!!!!!!!!!!』

マッツミケルセンをはじめ、実験を行った他3人のキャストがとても愛らしく写っています。何回、クスクスと笑ったことか。

その反面、だんだんと酒に溺れてしまう姿を見て、

ついつい見ていられず、心の中で、(飲んだらあかーん)と叫んだことか。


陽気な音楽とともに、ユーモラスに、かつシリアスに、テンポよく進んでいくので、飽きることなく、一気に見終わったって感じです。


この映画を見て、思ったのが、

『現代、世の中に存在する真理は、先代の数多の研究の上に成り立っているのだということ。』

なぜ、ビールのアルコール濃度は、5%なのか、なぜ、信号は赤がとまれなのか、

なぜ、20歳が、大人の分岐点なのか。

そういった何気なく生きている上で、使っているルールが、昔の人の数々の試行、失敗、成功の繰り返しの上に成り立っているという、哲学的なメッセージを、私は感じました。

最近、ハマっている漫画「チ。」でも、世の中の常識をかかんに疑い、新たな真理を見つけていく為には、「無謀な挑戦」というものが必要だということを説いています。そことすごく重なって、興味深く、映画を見ていました。

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また、『結局、酒には勝てない。。。でも、人が失敗した時、挫折した時、救ってくれる、前を向く勇気をくれるのも、また酒である。』という、

全人類が、誰に教わったわけでもないけど、何となく心の中に秘めている人生の教訓を、改めて再認識させてくれる、そんな映画です。


最後に、この映画は、主人公たちが、「教師」という設定上、「教える」というところも非常にメッセージ性高く、伝わってきます。

今回の実験により、たくさんの喪失、失敗を重ねた4人ですが、最後に、

見つけた「光」というものは、実験の背景がある上に、とても説得力があり、心にグッとくる部分があります。


コロナで、外での飲酒が禁止されている世の中で、

とても心地よく、スガスガしい映画だと感じました。


以上!


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