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凡庸雑記「下品」


名古屋からの帰り、もちろん仕事での帰り、十分疲れて、あちこち寄り道する気力も失せ、惹かれる街の雑踏を撮り狂う気迫も希薄で、帰りの交通機関に揺れる。

一刻も早く帰り、着替え、シャワー浴びて、ごろんと寝転びiPadで映画か、アニメを見たい。

帰りの暇つぶしに、ネットニュースをiPhoneで見ていたら。ぼんやりとどうしようもなく節操なく。

有名な歌手を育てた音楽会社の男が、会社のお金をちょろまかせ、目にあまったようで、逮捕され記事があった。

ぼんやりとした頭で、ぼんやりとこんなことって多いよなぁ。僕はまったく関係ない世界の話だけどと、思った。

奇しくも、僕の近しい周りで、何十年も暴虐無人をせっせと働いていた人が、哀しいかな、最高の実績を出した直後、脱税で逮捕された。

とても、近寄りたくない下品な人間で、だけど、妙に仕事の神様から愛された人で、ある程度の能力を持っていた。

だけどなんだか、運も性格も業績も不安定で、危なかっしい。他人事として、近寄ってはいけない人物リストの一番上に記していた。

雨後の筍のように現れては消える、こんな人々を見ると、余計な結果を得るからそうなるのか、余計な結果を得るには、紙一重の下品さ、気持ち悪さが必要なのか。

卵か先か鶏が先か。よう分からん。

まあ、そんな人間にとうていなれそうもない、意志薄弱で財布薄弱の僕のひがみかもしれないのだけど。

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