凡庸”街”雑記「前橋商店街」
ちょっとした用事で前橋にいる。それも、二日間も自由に使える嬉しさよ。
こんな、何にもない自由な時間が出来ると、やる事は一つ、酒飲んでくだを巻く,綺麗なお姉さんを侍らせて、なんてことは、酒は飲めないし、まったくモテない僕にとっては、異世界の話で、選択の中には含まれていない。
そう、やること、やるべきことは、一つ。カメラを持って、街をふらつきながら写す。それしかない、それが大切。
ちょうど、雨も上がり、日もさして、気温もぐんぐん上がり、街写しには最高の環境になってきた。
あとは、足が向くまま、気が向くまま、せっかくだから、日頃は行かない方向へ歩き出す。
歩きつつ、写しつつ、自然と気になっていた、味わいのある商店街へ。
車を走らせつつ、こんなところに、かなり長めの商店街があるなぁと、視界には入っていたのだけど、その方面には行かないので、訪れた事はなかった。
この商店街は、どの地方の街と同様、見事に燻銀のような香りが漂う(古びて寂れて)年代物。地元の人には、不便極まりないかもしれないけれど、街写真の愛好家としては、胸がときめく、撮影の桃源郷。
錆びたシャッターや、乱雑にバケツや脚立や、シートが、詰め込まれた壁と壁の間とか、人っこひとりいないけれど、ちゃんと空いている雑貨屋とか、ふらりと余裕をかませて歩くご老人とか、いくらでも、いつまでも、写すことができる。
が、商店街の中に入って驚いた。
シャッター街はそんなのだけど、閉まっている方が多いかもしれないのだけど、閉めた店の代わりに、その跡を引き継いで、今時のカフェや、リモートオフィス、それどころか、おしゃれ人間御用達の無印良品までありったりした。
さすがに、いつもの無印よりも小さい店構えなのだけど、必要なものは、ちゃんとあるいつもの無印。
ひとしきり、店内をうろついて、ふと見れば、階段がある。
2階もあるのかと、上がっていくと、そこは、どうもリモート、レンタルオフィスのようだ。こんなところで、Macを開いて仕事なんかできれば、それこそ、お前如きが望むこっちゃないと、後ろ指を刺されて、爆笑されるかもしれないが、人生の夢が叶ったと心豊かな仕事が出来そうだ。気恥ずかしいけれど。
前橋、なんだか頑張ってる。
そう感じさせる、店がちょこちょこ見受けられて、なんとか、新鮮な力を投入して、復興振興しようという、心意気を感じ、そいつがなんだかおもろくて、楽しんで写真を撮ってみた。
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