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凡庸”オーディブル”雑記「恥」

オーディオブックサービスのAmazonオーディブルを申し込んだ。

小説やビジネス書などいろんな本を聴くことが出来るAmazonのオーディオブック。

前から一度試してみたかった。読書好きと自分自身を思えるが、こんなことを言うと詐欺罪で逮捕されるほど、最近は紙の本で読んではいない。

紙の本で読んだら、どれほど、集中でき、物語や学術など内容に身を浸せるのは、経験でわかっているが、それを堪能する場所も環境も持てないでいる。いや、積極的に持とうとしていない。

だけど、僕は立派な読書好きであり、小学校の時に図書スペース全ての本を読破した、そんな、栄光たる過去を持っている人間なんだぞと、自負としている。妄想に近い。

そこで、読書を愛しているという体裁を整えるために、AmazonのKindleを購入し、電子書籍を数冊買い読んでいる。Kindleならば、軽い端末に複数冊入れておける。それに、ライトのおかげで暗い部屋の中、寝転がっても読める。これは便利。

で、せっせと読んでいると言いたいが、それがなかなか思いにまかせない。時間ができると、ついつい、iPadを手に持ち、NetflixやAmazonブライム、そして、YouTubeなど、動画配信を堪能してしまう。

結局、Kindleの中の数冊は、そのまま電子の肥やしとなって、沈殿している。

すっかりと、物語を読むことなんて捨ててしまえば、今のお前には不釣り合い、猫に小判、豚に真珠と、諦めてしまえばと、腹を決めれば良いものを、性懲りも無く、なんとか人が作りし物語を我と我が身に取り込めないだろうかと、気持ちが揺らいで、ウジウジと悩んでいた。

そんな時、何気なくiPhoneでニュースを見ていたら、広告に目が留まる。

Amazonのオーディブルが1ヶ月お試しできると。

もしかしたら、これならば、数限りなく世の中に溢れる物語を、苦もなく、いつでもどこでも、歩いてでも、運転していても、寝付けない夜中の布団の中でも、そして、死ぬほど嫌悪する仕事の最中でも、堪能することが出来るのではないか。そう、ひらめいた。

善は急げ、iPhoneにアプリをダウンロードし、登録しているAmazonユーザーIDとパスワードを入れ、使ってみる。

配信されている、小説はざっと見渡し、まずは、前々から読んでみたかった「爆弾」をダウンロード。そして、村上春樹本を数冊。意外と配信されていたので、驚いた。

長時間の車の運転や、昼の散歩、趣味のスナップなど、体を動かしている真っ最中に、どんどん AirPodsを通して、頭の中に入ってくるのは、なかなかの快感。話の内容もちゃんとわかり、耳で読むことの楽しさを実感している。

ずっと聴き続け、「爆弾」は聴き終わり、村上春樹のエッセイも一つ終え、今、「騎士団長殺し」を聞いている。かなり長い物語だから,1ヶ月の間では終わらないかもしれないが、行けるところまで行くつもり。

でも、今まで聴いていた、Podcastや音楽が全く聴けないのが、悩みどころ。それと、何十時間も時間がかかるため、ずっと聴いていると、耳が悪くならないか不安。実際、耳に突っ込んだままだから、痛くなってしまう。

本格的に楽しむのは、耳に入れない、骨伝導イヤホンなんかが良いのかもしれない。

月1,500円なので、正式に申し込むのは、ちょっと無理。今の所、1ヶ月の無料期間だけと思っている。お試し期間、オーディブルだけに耳を占領させ、集中して、気になる作品をできるだけ堪能せねばと思っている。

だけど、なんだか本末転倒っていう思いが、心の端にへばりついていて、読書好きと言えないなぁこれはと、恥ている僕がいる。


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