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文学フリマで京都に行ってくる

先日、京都に行ってきた。とは言っても9月の末で、もう4ヶ月が経つ。夏が終わって涼しくなりかける頃で、快適な旅行だった。風も気持ちよく、夕焼けもきれいな日だった。
場所は左京区、駅でいうと烏丸御池や丸太町、京大や京都御所の周辺で古本屋巡りをした。今回のイベント会場である京都市勧業館みやこめっせはこの近所で、自転車で行ける範囲内だ。この辺りはレンタルサイクルが充実していて、駐輪場所さえ気をつければ移動は快適だ。

あの日、僕は一人旅行をするのは初めての経験だったけど、本当に心が満たされた。いたるところにある本屋さんは、奈良県の田舎でたま〜に見つける1件の古本屋さんとは違って古文書や何と書いてあるかわからないような経典も、旧字体で書かれた本も、岩波文庫も理工系のゴリゴリの専門書も揃っている。しかも店ごとに。
僕がイメージしていた、一つの店にいろんなジャンルの本が少しずつ置いてある本屋さんとはわけが違った。どの店も、大抵は傾向というのがあって、こういう系の本はこの店、という感じでまとめられている。すげぇ、本の世界に迷い込んだみたいで、ここの通貨は円じゃなくてリブロと数えるんじゃないかと錯覚した。

もちろん、僕の家の近所の古本屋さんにもいいところはある。お店の人はご近所さん付き合いが濃くて、話しやすくて、一般的に好まれそうな本が多い。とっつきやすいから僕もよく使わせてもらってる。でも、それだけを毎回のように浴びているとあまり良さというものがわからなくなってくる。そんな中、京都の、古本屋さん街をぶらぶら歩くのは素晴らしい経験だった。

ただ、先述の通り、古本屋さんの専門レベルが高すぎて、それはそれはとっつきにくかった。京都旅行で見た古本屋さんでは何だこの本は、俺にはいらないな、そういう経験が多かった。そこで新刊書店にも行ってみて、初めて僕は安心できる本たちに出会えた。
これだよこれ〜!古本屋というより京都では新刊書店に行くべきだったんだ。そう思った僕は、!次に旅行するなら新刊書店に行こう、そう決めた。

そして、今回の文学フリマの開催を知った。きっかけは前回の東京開催のことである。僕はさくらいみかさんという「デイリーポータルZ」というサイトで書いているライターさんをTwitter経由で知った。彼女はその時に同人誌、「ダメな園芸」を出す予定だったらしい。トラブル続きでやむなく通販のみとなったみたいだけど、僕はその時のバズツイートで彼女を知り、と同時に文学フリマという心躍るようなイベントがあることを知った。

「いつかは参加できたらいいなぁ。」そう思っていた僕は、ふといつもの「気になったものをすぐ調べる癖」で検索をかけてみた。すると、文学フリマの公式HPにヒットした。サイトを読んでみると、どうやら次回の開催は京都だそうだ。...ん?京都!?
僕はびっくりした。こんな"たまたま"があるのか!?!?調べ癖があって良かった〜!!
以前からコミケというイベントがあることは知っていたものの、そういうイベントは参加したことがなかった僕はその後どんどん情報を漁り、出品要件やらなんやらを調べ尽くした。そして再び京都を訪れることを心に決めた。

京都行きまで、あと1週間を切った。今回は参加者として行くけど、そこで出ている作品たちを僕は下見も兼ねて行く。今はまだ参加者だけど、ゆくゆくは向こう側、すなわち自分が書いた作品を売る側に回ってみたい。そういう思いを抱いて京都に行く。
僕にとって、京都というのは思い入れが深い土地だ。京都へ行く度、素晴らしい経験をして返ってくる。そして、その京都を、また新しい目的を持って訪れる。今回も、また素晴らしい経験をさせてくれることに期待して電車に乗り込むことにしよう。

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