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真のフリートークとは 小倉智昭さんが教えてくれたこと

動画スクールPAVIOSの講師をしている、大林です。
現役テレビディレクターとして、最近ではNHKの医療番組なども作っています。

私は、取材や報道、情報番組を担当することが多いので、
これまで、タレントさんと仕事をする機会が多くありませんでした。
 
少ない経験の中ですが印象に残ったタレントさんについてお話ししたいと思います。
 
Eテレの「きょうの健康」でゲストに来ていただいた、小倉智昭さんです。
膀胱がんの闘病記を語って頂きました。
 
「きょうの健康」は、医療情報番組なので正確を期すために、詳細な台本を用意します。
しかし、小倉さんにフリーで話して頂くように、流れだけの台本でお答えは箇条書き程度にしました。
フリートークが盛り上がって、台本から逸脱したとしても収録は止めず、編集でまとめようと考えていたのです。
 
ところが、収録が始まると驚きました。
小倉さんは台本から全く逸脱することなく、私の書いている箇条書きを漏れなく沿っているのです。
それだけではありません。
盛り上げるための面白エピソードも適度に散りばめました。
その散りばめ方が絶妙なのです。
 
お話しされている内容は、つらい闘病生活の話なのですが、決して沈まず、前向き。
話を聞いてる人が元気や勇気をもらえる…そんなお話しでした。
 
私は、ずっとフリートークは『好き勝手しゃべること』だと思っていました。
小倉さんに真のフリートークとは何か、教えられた気がしたのです。
そして、台本を書いた人間に対するリスペクトを強く感じました。
台本の意図を深くくみ取り、意図を大切にご自身で消化された上にアレンジする。
おそらく、その配慮は台本を書いた私にしか伝わらないと思いますが。
きっと、こういうことが出来る人が超一流なのだろうと、私は思います。

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