仲川和也(桃谷ナザレン教会員・元牧師)

引退牧師ですが「神の賜物と召命は決して変わることはない」(ローマ 11章29節)をモッ…

仲川和也(桃谷ナザレン教会員・元牧師)

引退牧師ですが「神の賜物と召命は決して変わることはない」(ローマ 11章29節)をモットーに、聖書の学びを生涯続けて参りたいと思っています。

最近の記事

ガラテヤ人への手紙 第1章

パウロの召命体験 後で詳しく述べますが、 当時は、キリスト教会の中に、ユダヤ主義者という人たちがいて、教理をめぐって、パウロと激しく対立してきました。  ユダヤ主義者たちが、パウロを攻撃する材料として使ったのが、パウロの「使徒性」でした。 つまり、パウロは生前(公生涯)のイエスに直接出会って召命(使徒職への任命)を受けていないから、使徒ではないと主張したのです。 それによって、パウロの権威を失墜させようとしたのです。 それに対する反論が、前掲したこの1章1節です。 

    • ピレモンへの手紙を読む

      ピレモンとその周辺 この手紙の 差出人はパウロとテモテですが、 受取人は若干、複雑です。 ピレモンへの手紙という個人宛ての手紙ですが、 ピレモンへの手紙 1節後半〜2節 口語訳‬ によれば、 というように、複数の宛て名と家の教会が宛て先になっています。 この手紙に出てくる人物のうち何人かは、コロサイ人への手紙にも登場するので、当時はまだ家の教会であったコロサイ教会とその教会のメンバーも、受取人になっています。 ちなみに、ピレモンはコロサイ書には記載されていませんが、

      • ピリピ人への手紙 第4章

        ピリピ人への手紙 4章1〜3節 和解を目指して この小さな段落には、 1.主にあって堅く立つこと(神あるいはキリストとの縦の関係)と、 2.主にあって一致すること(主にある兄弟姉妹どうしの横の関係) に関する勧告が記されています。 1節冒頭の「だから」は、 前節(3章20〜21節)を受けていると思われます。 キリスト者には、しっかりした目標(天国の国民であり、栄光に輝く身体を待ち望んでいる)と、その目標に向かって正しい道(キリストの十字架の道)があるの「だ

        • ピリピ人への手紙 第3章

          1章はコチラ ┃ 2章はコチラ ピリピ人への手紙 3章1〜3節 ユダヤ主義者との戦い 1節bの「主にあって喜びなさい。」という1文は、そのすぐ後の「さきに書いたのと同じことをここで繰り返すが〜〜」以下とは切り離して、考えたほうがいいと思います。 「‭さきに書いたのと同じことをここで繰り返すが、それは、わたしには煩わしいことではなく、あなたがたには安全なことになる。」というのは、言うまでもなく、2節以降のユダヤ主義キリスト者に気をつけることを指し示しています。 ユダ

          ピリピ人への手紙 第2章

          第1章はコチラ ピリピ人への手紙 2章1〜5節 分裂の危機   1章27節以降に続いて、 一致の勧めが引き続いて語られます。   パウロがこれほどまでに何度も繰り返して語るのは、ピリピ教会の信徒たちは、分裂の危機に瀕するほど、一致団結できていなかったのではないかと推察できます。    外部からの攻撃のみならず、 悪魔(サタン)は、内部を不一致によって分裂させようと仕掛けてきます。 ‭‭ピリピ人への手紙 4:2 口語訳‬ でも、 「 わたしはユウオデヤに勧め、またスント

          ピリピ人への手紙 第1章

          ピリピ人への手紙 1章1節差出人 *手紙の差出人はパウロとテモテです。 そして、この2人の肩書は「キリスト・イエスのしもべ」となっています。 しもべと訳してありますが、doulosという単語は「奴隷」という意味。古代社会では普通に奴隷がいました。 しかし、現代の私たちも色々なものの奴隷になっています。言い換えれば、色々なものに縛られています。 卑近な例では、ゲームやSNSの奴隷になっている人が多く、社会問題になっています。 その他にも、お金の奴隷、欲望