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Instagramの商品写真、どこまで載せて大丈夫?

 Instagramに写真を投稿するとき、純粋に商品写真だけを単体で投稿するのであればそこまで悩むことはないと思いますが、小物やちょっとしたセットを用意して作品や商品を際立たせようと思ったら、どうしても「この写真は大丈夫なのかな?」という不安が頭をよぎることはよくあります。

 実際に問題になるのは著作権法と不正競争防止法、大きくはこの2つになります。

 著作権法は他人の著作物(芸術作品)を映り込ませると問題になり、不正競争防止法は他人の営業表示(誰の事業に属するものか、その出所がわかるもの)を映り込ませると問題になります。

 例えば、ミッキーマウスやピカチュウなど、著作物でもあるし営業表示でもあるようなものを一緒に映り込ませると、

ディズニーの公式グッズと間違える雰囲気があるとか、
ディズニーやピカチュウと何らかの関係があるのかとか、
ピカチュウってこんな事業もやってるの?

 とか、そういう誤解を与える要素があれば少なくともディズニーや任天堂、ポケモンから苦情が来たり場合によっては裁判沙汰、警察沙汰になることもあり得ます。

そ のため、どうしてもこのような他人の著作物や営業表示となるような有名なものを一緒に映り込ませたい場合は、必ず画像の主(メイン)があなたの作品・商品で、他人の著作物や営業表示が従(サブ)になるように気をつけてください。少なくとも、1枚目にこういう写真を使うのはかなり危険で、
「ミッキーの著名性にあやかってアクセスを稼いだ」
と言われても、というかこれはよくある争いのネタです。
 安全なのは、やはりこのような他人の著作物や営業表示は使わないことです。

 では、ダイソーで買ってきた小物を写り込ませたらどうでしょうか。
これは、よっぽどのことがない限り自由です。よっぽどとは、ダイソーにもキャラもののグッズは売っていますから、ダイソーで買った日用品だからと言ってダイソーのミッキーノートを使ってしまうと結局同じことです。
 ちなみに「これはミッキーじゃなくてダイソーのノートを紹介しただけだ!」という言い分というか言い訳は、報道の世界では「カリエロ」と言って、かつてポルノ規制が厳しかった時代に「このようなポスターを貼っている〇〇はけしからん」という記事という体裁にしてがっつりそのポスターをメイン画像として用いるという手法が蔓延っていた時代があります。

 著作権法違反は、本来権利者に行くべきお金を払わないとか、権利者の意に沿わない改変をして芸術性を冒涜したような行為が対象になります。
 また、不正競争防止法違反は、本来行くべきお客さんを紛らわしい表示の仕方をしてかすめ取ったり、消費者を誤解させて経済活動をかき乱すような行為が対象になります。

 ですから、ダイソーの小物は著作物ではないし、商品の目的通り小物として写真に撮って使う分には全く問題ありません。
 ただ、商品が被る場合は注意が必要です。あなたの商品がダイソーでも売ってそうなものの場合、例えばあなたがピアスを販売していて賑やかし目的にダイソーのピアスを一緒に並べたりすると、これは流石に紛らわしくなるので避けた方がいいですね。

 厳密に説明すればもう少し細かく解説することもできますが、「これはなんとなくだめそう」という感覚を掴んでいただけたら、まあ問題になることはないと思いますのでとりあえず「公式と間違える紛らわしい雰囲気」になっていないかどうか、という基準で判断するようにしましょう。
 ちなみに、あくまで雰囲気なので、実際に間違えた人がいなくても間違えそうな雰囲気さえあればほぼグレーから黒に近くなります。
 あまりその分野に詳しくない人が10人いて、8人が間違えないのであれば大丈夫でしょう。(フィラー特許事務所のInstagram投稿より

弁理士・中川真人
フィラー特許事務所(https://www.filler.jp